myFFF、2作目はオリヴィエ・ピロン君が主演のこちらを選んでみました。Mommyの時が中学なら今作は高校生活のお話です。
ピロン君はあの頃のあどけなさはもう無いけど、白いまつ毛が相変わらずかわいいです。

弱肉強食の学園ドラマに、スポ根と、セクシャルマイノリティの問題、SNSの闇なども重ねてきて、重いです。無駄に重いです。

いじめっ子vsいじめられっ子の構図は、人類誕生から消滅するまで、たぶん永久不変、未来永劫、万国共通で存在し続ける普遍の形。「やられたら、やり返す」の形に発展すれば最後、いよいよ出口はない。

タイトルの「1:54」は、とある800m走のタイムを示していますが、思い返せば、これが全てのきっかけでした。嫌がらせを受けた主人公ティムがはっきりと復讐心を持って、この数字をターゲットにし「やり返そう」とした。数字だけで“復讐の愚かさ”を表現したのなら見事なタイトルだと思います。

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16歳のティムは高い身体能力の持ち主でありながら、いじめに合っている。親友、家族、先生、同じ部のジェニファー。寄り添ってくれる人は居るが、自分を追いつめ、極限にまで達し、ある決断をする・・

　才能がある。人より優れている。周りの人と違う。自分と違う物は排除したがる。自分より才能がある物は疎ましい。いじめられてどんどん追いつめられていく様、自分との葛藤、どうしようもない怒り、体全体から伝わるその心情を体当たりの演技で演じているアントワン=オリヴィエ・ピロン。苦しくて未来などなくて、でも隣を見れば彼に寄り添ってくれる人は居る。しかし彼は一番つらい選択をするのだ。全体にずっしり重く、音楽とぐるぐる回るカメラがティムの心情にしっかりよりそい、全編を通して息抜きなしの重い作品になっている。しかし見終わった後ティムの心情に寄り添えば少し光も見える。誰かが止めないといじめはなくならない。その誰かはほっといても出て来ないかもしれない。そう思った時動ける人でありたい。

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時々、自殺や精神病を悲劇を際立たせるためのエッセンスとして加えてるように見える作品に出くわす。今度はそれがLGBTになってきてるのかなと感じる。
特につめこみすぎるとどうしてもそういう印象になってしまうのだと思う。

ある意味偏見が弱まって以前より扱いやすい話題になったからなのかもしれない。でも私はやっぱりこういうのが好きになれない。やるならドラマでいい。なんだか映画っぽくはないなぁと思う。

映画としてはとっちらかりすぎてあまりだけど、ティミーのことは嫌いになれない。要はそれがずるいって言ってるんだけど、虐げられても強くなろうと努力するその人に、なかなか文句はつけにくいなぁと思った。

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