西部劇の神様ジョンフォード監督の代表作はほとんど観てますが、パンチが足りなかったのか、かなり退屈でした。ラストの持っていき方はさすがですが、その他が物足りないです。

その監督が残した作品の数を分母、その監督作品で自分が鑑賞した数を分子とした場合に極めて０に近い小さな数値を叩き出すことになるのが自分にとっては巨匠ジョン・フォード監督


この人はいけ好かないキャラだなと思っていたのが、ストーリーが進むにつれてどんどん角が取れてラストにはその人物からカタルシスが生まれるというなんとも天晴れな話の転がし方


1953年の作品だけど、「良い事は良い、悪い事は悪い」という普遍的なテーマを主軸にしているので観ていて時代錯誤する恐れがなく安心して観られる作品

傑作を前にあまり俗な事は言いたく無いが、政治家の本来の仕事は票を動かす事では無く、人々の心を動かし、生活を豊かにし、そしてそれを票に繋げる事だろうよと、そんな当たり前の今となっては「理想」になってしまった事を思ってしまう。とりあえず日本の政治家は全員一回観た方が良いし、皆もこれを観て一票の重みってのを改めて認識した方が良い。人々の声に耳を貸す事と、一部の人間におもねる事は同じでは無い、選挙を前にして必死に体裁を整える何処かの党のお偉いさん、ちゃんと話を聞いてくれ。1人、また1人と行進の列に加わる人々が増えて行く葬送シーンがピークではあるが、人間味溢れるキャラクター像がなんとも愛おしいし。プリースト判事の栄誉を讃える行進、そこで見せる彼の涙にもらい泣きをする。古き良き物は時代が変わっても生き残る、そして映画も。「酒」は「薬」、まさに燃料。