『ブルー・マインド』
原題 Blue My Mind.
製作年 2017年。上映時間 101分。

大人へと成長していく15歳の少女の身に起きた奇妙な出来事を描いたスイス製の新感覚ホラー。
スイス映画賞やと7部門にノミネートされ、作品賞、主演女優賞、脚本賞の主要3部門を受賞したそうな。
主人公ミア役を、本作でスイス映画賞主演女優賞を受賞した19歳のルナ・ベドラーが演じる。
ジアンナ役(意外にもエエ奴やん)のゾエ・パステルホルツイゼンは、スイス版のネクストトップモデルに出てた美人さん。
監督のリサ・ブリュマンは、以前、ギリシャ神話と同名の絵画をもとにした『Hylas und die Nymphen』（ヒュラスとニンフたち2013年）てのを監督してるそうで、(未見)、インタビューで、彼女は、ニンフ／◯◯への長年の憧れについて語ってる。
"◯◯にはアナーキーな感覚があり、それは私を本当に魅了するもので、私は（それについて）物語を語りたかったのです。"
なるほどなぁ。

両親の仕事の都合で新しい街に引っ越してきたミアは、転校先の学校で目立つ存在のジアンナたちと仲良くなる。
親に振り回されるいらだち、少女から大人の女性へと変わっていく言葉にできない不安を抱えるミアは、その鬱屈した気持ちを振り捨てるかのようにジアンナたちとの悪い遊びにハマっていく。
そんな中で、ミアは成長と表現するにはあまりにも不気味で不自然な身体の異常な変化を感じはじめる。

人生の長い道程で訪れちゃう変化。
特に思春期に直面する10代の若者を描いた映画は枚挙に暇がありまへん。
特殊能力を得て何かを成す的な趣向を凝らした映画も少なからず存在する。
そないな社会の中で、今作品は、競争相手とは違う、まるで大谷翔平が投げる『少し浮き上がって、そこから沈む』変化魔球に少し似た作品に仕上かる余地のある作品でした(善し悪しは別として)。
しかし、問題は、コンセプトは確りしてて、脚本にも良いアイデアがあるんやけど、その実行を表現するには、"不完全 "ちゅう言葉が一番ふさわしいかも。
ミア（ルナ・ベドラー）は新しい学校になじめず、両親ともうまくいかず、本当に血がつながっているのか疑問に思うほど。
思春期によくある悩み。
ミアは、同級生のジアンナ（ゾーイ・パステル・ホルトハイゼン）と親しくなり、事態は好転し始める。
ジアンナの小悪魔のようなライフスタイルは、ミアの行動を引き出し、彼女の知る厳格な教育や期待とは対照的。
今作品の大部分は、物語的に、ミアがどのような人間であるか、あるいはなりうるか、あるいはなりたい望みって抱く、青春の探求に費やされている。
物語はルナ・ベドラーとゾエ・パステルホルツイゼンの演技によって支えられてたし、それでも、これらのシーンの展開が少し強引で、無機質な感じがするのは否めない。
同時に、ミアは奇妙な感情を抱き始め、己の体に変化が現れ、何かもっと大きな変化が起こることを予感させる。
全体の約75分は、ミアが経験する厄介な好奇心、奇妙な新しい欲求、肌の見苦しい跡、足の指の鋭い変化が、非常に断片的に画面に現れ、それ自体には目立った進展がない。
しかし、ラスト20分で、そのゆっくりとした些細な変化が突然、ほぼ完全なものへと前進する。
奇妙な症状が突然、障りのある変貌を遂げ、AからBへの物語に本当の流れがないんだよなぁこれが。 しかし、今作品は驚くほど力強い結末で幕を閉じる。
ミアの肉体的、精神的な変容を実感することで、心に響く瞬間があり、やりがいをもって物語が締めくくられる。
とは云っても、ここでの大きな欠点は、この映画の残りの部分全体、つまり不均一な青春ストーリーと突然のボディホラーが、説得力をもってエンディングに流れ込んでこないことです。
その結果、ラストシーンはそれ自体喜ばしいものではあるんやけど、どうも全体として少し物足りなさを感じてしまう。
嫌いではないし、シュールさも中々エエ。
主役の若手俳優もいいし、いいアイデアもあるし、エンディングも楽しめる。
ただ、伝えたいことを伝えることに完全に成功しているわけちゃうねんなぁ。

両親の事情で新しい街に引っ越してきたミアは親への苛立ちと思春期の不安を抱える中、不良な生徒たちと親しくなり、アルコールや万引きなどを体験するが、ある日、彼女は自身の体の不気味な変化を感じるようになるという、スイス発🇨🇭のジュブナイルホラー。

"ある童話の逆バージョン"

ジャンルはホラーですが、個人的にはダークファンタジーのような気がしました。また、見る人によって感想が異なる作品でもありました。若い女性たちからすると美しい友情物語で感動する声がある一方、子供を持つ親たちからすると真面目な女の子が不良娘と絡んでいるのを見て心配になる声もありました😂

ホラー映画にありがちな、ジャンプスケアやスプラッター描写などのホラー演出は1つもなくて、ミアの体が深刻な状況になっていく中、物語が淡々と静かに進む雰囲気になっていました。ですので、ホラー映画が嫌いな方でも間違いなく余裕で見れます🙆‍♂️

内容としては、「RAW　少女の目覚め」と同じように思春期を迎えた少女が変化していく過程を描いた話になっています。何に変身するかというと、童話にも登場する◯◯です🐟

なぜ、ジャンルがホラーなのかを色々と考えてみた結果、おそらく美少女の下半身がどんどんグロテスクになっていく様子や少女の悩みを受け止める人々があまりいない社会が悍ましいかもしれません🐠

ホラー映画としては怖くないのに、なぜ高評価したのかの理由は3つあります。少女は思春期になると生理が始まるのを本作品では◯◯に変身することに置き換えたところが斬新な発想だった点と、人間は病気になると疎外感や孤独感を感じる描写を丁寧に描いた点の2つです🌊

また、3つ目の不良娘だったジアンナとミアの美しい友情が描かれていた点も高評価します。女性同士の友情を描いた作品は今回がもしかしたら、初めてかもしれないので、そういう意味では俺にとってはとても新鮮に感じました👭

というわけで、大人へと成長する少女の繊細な心理描写や美しい友情を描きつつ、じりじりと追い詰められる恐怖もちょっぴり含まれた作品でした。女性なら共感すること間違いなしです🌹

※チンコにモザイクをつけるなぁ〜🍌

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父親の仕事の都合で転校してきた高校生ミア。悪い仲間と付き合うようになり、初潮とともに身体にも異変が起きる。って話。

面白かったです。ホラーではありません。思春期の悩みや、友人、そして異変を誰にも相談も出来ない歯がゆさを観せる映画だった。ドラマです。
途中ってか序盤からどうなるのかわかってしまうのはアレですが、ラストシーンの切なさと水中の美しさの絶妙なバランスが良かった。
まぁ多くは語るまい（笑）