逢魔が刻。それは、黄昏―。 人の顔は闇に溶け、静けさが街を支配する一瞬の時間。江戸時代、人々は、魑魅魍魎が蠢 うごめ くと言われるその時刻を畏れをもって迎えた・・・ 初秋の頃、江戸・深川。闇の世界で日々の糧を得る佐之助は、行きつけの酒亭おかめで、謎の男・伊兵衛と出会う。 「儲け話があるんですよ。一口、乗っちゃくれませんか」 危険な匂いを感じ、席を蹴る佐之助。同じ頃、ふとしたきっかけでおくみという女と暮らすことに・・・。彼女との未来に仄かな希望を抱く佐之助は、 やがて伊兵衛の誘いに乗る。しかし、仲間となる男たちは、浪人、若旦那、白髪の老人―いつもおかめで顔を合わせながら、 口を聞いたこともない男たちだった・・・。佐之助らいずれも押し込みなどしたことがない素人四人。そして、伊兵衛。 ―狙うのは、逢魔が刻、さる商家に眠る七百両。 回りだす闇の歯車。しかし―それぞれを取り巻く女たちをも巻き込んで、彼らの人生の歯車は静かに狂い始める・・・。
生業を持ちながら裏では金銭の受渡しにより人殺しをする殺しの代行者が庶民のやり場のない怒りを爆発させる。
物語は、南町奉行所に女かと見まがう美男の奉行が着任することから始まる。そんな折、京劇の仮面のように顔をくま取った旗本愚連隊と、貧乏長屋の浪人弥兵衛の争いが起こった。キラッと光るものが視界を…
>>続きを読むリストラの波が南町奉行所に押し寄せていた。役所からも家からも肩たたきされてしまった主水。ちゃっかり蓄えていたへそくりで、愛人との新しい暮らしに入ろうとするが、続けざまに殺された町人の恨みを…
>>続きを読む長谷川平蔵が若かりし頃に世話になった居酒屋の娘・おまさが密偵になりたいと申し出て来る。平蔵はその願いを退けるが、おまさは独断で平蔵が探す盗賊・鷺原の九平、凶賊・網切の甚五郎の探索に乗り出す…
>>続きを読む馴染みの料理屋、井筒から出てきた梅安を襲った謎の浪人。梅安が名を告げると「すまぬ・・・」と言い残し、闇の中へ消えていった・・・。
漆問屋の小津屋一家が盗賊に惨殺された。盗賊一味の仕掛けを頼まれた梅安は、首領の顔を見て愕然とする・・・。
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