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星の時 4K
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星の時 4Kの作品紹介

星の時 4Kのあらすじ

「わたしはタイピストで、処女で、コーラとホットドッグが好き」。ブラジル北東部の貧しい地からサンパウロにやってきたマカベーアは、身寄りもなく、読み書きもままならず、世間知らず。安月給で暮らし、3人の女たちと粗末な下宿を共有している。自身の貧困や境遇に無自覚で、恋にあこがれ、映画スターを夢見る彼女は、ある日占い師から「あなたの人生は変わる」と告げられる。だが、その「運命の瞬間」は思いがけない形で訪れる……。

星の時 4Kの監督

スザナ・アマラウ

原題
A Hora da Estrela/Hour of the Star
製作年
1985年
製作国・地域
ブラジル
上映時間
96分
ジャンル
ドラマ
配給会社
ALFAZBET

『星の時 4K』に投稿された感想・評価

3.9
ブラジル映画における女性監督の先駆者といわれるスザナ・アマラウの長編初監督作品。原作は、20世紀で最も謎めいた作家と言われたクラリッセ・リスペクトルの「星の時」。2022年発表、第8回日本翻訳大賞を受賞している。1985年に映画化されたが、40年の時を経て4Kで蘇った本作は日本初公開となる。

ブラジル北東部の貧しい地域からサンパウロへ出てきた19歳のマカベーア。コーラとホットドッグが好きで天涯孤独。教養がなく、安月給の見習いタイピストとして働きながら粗末な下宿で暮らしている。自身の境遇に無自覚なまま、恋に憧れ映画スターを夢見る彼女は、ある日占い師から告げられた「人生が変わる」という言葉通り、思いがけない運命の瞬間を迎える。

社会のなかで見過ごされてきた存在を、血の通ったひとりの人間として瑞々しく描き出している本作。世間知らずな主人公の純粋さとは裏腹に現実は残酷で厳しい。原作は舞台がリオデジャネイロだが、映画はサンパウロになっていて、40年前のサンパウロの街並みや貧困層の生活などが興味深く描かれている。

時を正確に告げるラジオ時計。マカベーアにとって未知なる外の世界と繋がっているラジオが彼女の唯一の拠り所だった。

彼氏のオリンピコ、同僚のグローリア、占い師など登場人物のキャラクターがかなり個性的で面白い。

タイピストとして働いていてもタイプを打つのは遅いし誤字は多い。あまりに不器用過ぎるマカベーア。提出した紙は汚れていたり、穴があいていたり、経営者はすぐにでも辞めさせたいが、上司は彼女の境遇を思ってせめて見習い期間だけ雇ってやりたいとマカベーアを邪険に出来ない。

付き合っている男性オリンピコに酷い言葉を浴びせられても理解出来ているのか、怒らない。オリンピコは最悪。

最底辺の貧困層に育ちながらこんな自分の境遇が悲惨だと自覚せず、ささやかな幸せを求める姿はあまりに純粋で胸を打つ。マカベーアの純粋さと愛おしさに観ていて心が揺れ動く中、終わり方があまりに衝撃的で胸が締め付けられた。

ブラジル映画史に輝く本作を鑑賞出来て嬉しかった。
桃龍
3.5
チラシの写真では、ムダ毛の処理すらしていない。
しかし入場者特典は、フリフリのドレスを着てナスターシャ・キンスキーかのような、キラキラ加工のポストカード。
作品ではその間が描かれ、4K化した関係者の愛を感じる。
と言ってもシンデレラ・ストーリーではなく、自分が不幸であることに気づかなかった、幸福な不思議ちゃんの話とでも言えばいいか。

見ながら、80年代のブラジル映画ってこんなレベル?とか思う。チキンを食べながらタライにおしっこするとか、意図不明なシーンもある。
パンフレットに寄稿されているラテンアメリカ映画研究者の新谷和輝さんの解説つきの回で良かった。新谷さんも「なにを感じていいか分からない。なぜ自分は映画を見るんだろうとまで考えた」という。
原作から独特らしいので、読んでみたい。
主人公のマカベーアは教養がなく、周りからもどこか馬鹿にされ見下されている可哀想な存在として描かれていた。

作中、上司から誤字の多さや書類のシミ汚れを指摘されるシーン。「まあ誤字くらいあるよね」「コーヒーでも跳ねて染みになったのかな、打ち直し面倒だな…」なんて思いながら観ていたら、まさかの「ホットドッグを食べながら仕事をして付いた指の油汚れ」という事実に思わず笑ってしまった。

また、もう一人の主人公とも言える男性オリンピコの存在感も強烈。「自分に対する理想の評価」と「実際の現実」とのギャップに苦悩する姿や、「分からない」と言えないプライドの高さ、名前に対する無神経な発言など、不器用で身勝手な人間性が浮き彫りになっていた。

特に2人の会話のやり取りが印象的だった。

「コーヒーを奢ってやろう」
「ありがとう。ミルクも追加で」
「ミルク代は自分で払ってね」

どこまでも噛み合わないふたりの滑稽さと、生々しい生活の匂いが愛おしい作品だった。

私には少し難しい作品でしたが、原作『星の時』の翻訳を手がけた福嶋伸洋さんと河出文庫版『星の時』の解説を執筆した水上文さんのトークイベント付きだったので、お二方の深い解説や感想を聞くことができ、作品の解像度が一気に上がったのでよかった。

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