酒と大麻と男と女、周囲を陽キャに囲まれた陰キャの生存競争及び私の毎日がつまらないのはお前らがつまらないからで世界そのものがつまらないからだ論からの脱却、これ思春期だからいいもののもう少し歳取ったらネトウヨ化するタイプ。陰キャは陰キャで私は人生を楽しんではいけないのだって言う謎の自己呪縛があるし、陽キャに対して嫉妬心を抱くことそれ自体を楽しんでいる節がある（俺の場合）。世界を悲劇的に捉えその悲劇の中心には常に自分がいるのだと言う間違えた自己顕示欲の活用法、彼女の場合言葉の暴力に晒されてはいるが自分で思っている程周りは気に留めてもいない。自分の立ち位置をどうにか保つ為に他人の落ち度を見つけては叩き落とし、そうやっている内に同じ地平には誰もいない孤独が完成する、優しい家族に囲まれていて本当に良かった。多少『パラダイス 希望』みがあるが、この監督はきっとザイドルより性格が良い。いじめ、発達障害、同性愛と詰め込んではいるが、なんとも晴々しいラストショット。ちょっと『まどろみのニコール』っぽくもあるし、岡さんはやっぱり太腿フェチなのだと思う。

コンプレックスを愛そうとまでは言わず、まずはありのままの自分を受け入れてみよう。との眼差しが何とも心地良い。
嘘の手紙、価値観が相容れない友達への拒絶、ルービックキューブマンへの仕打ちなどが、全て主人公自身のコンプレックスに起因しており、それら全てがうまくストーリーに寄与してるあたりは面白いと思った。
しかしながら、後半シリアス→ファニーときてそのままの流れで着地すると思いきや、もう一度シリアスに揺り戻したりするあたりと、分割画面や画にデカデカとタイポしちゃう演出が個人的にはどうもはまらなかった。
にしても岡さんのプロミスの話は笑えまへんな。どこかお金出そうよ。。


サムフリークスvol.8

2020劇場鑑賞54本目

• #2020劇場鑑賞miyagi

「エイス・グレード」や「レディ・バード」にも重なる、イケてない自分の将来への不安と一点（恋愛）突破物語ぽっちゃりバージョン。
こういうパターンでは絶対妹をバカにしがちな兄が超優しくて嬉しい。あの投げキッス私も欲しい。忍者ごっこで笑ったあとの引越しが寂しすぎる。
3人揃いぶみのラストはどこかタランティーノを思わせる爽快感。

それにしてもこの手のお話は大体母親が頼りない。暗に母親の絶対的な愛情無しでは子どもの自己肯定を育てるのは不可能だと言いたいのか、そんなことはない！と言いたいのか…

• #サム・フリークスvol8