嘘と勘違いを両輪にしてブルジョワを腐しながら異常なテンポとリズム感で80分を爆速で駆け抜けていく。前半に畳みかけ過ぎて後半ちと息切れしていると思うがすかさずメロに持っていきなんとかゴールまで辿り着く。確かに後年の緻密さに比べてると稚拙な面がありつつも、これはこれでフレッシュさと言う部分ではなんの文句も無いし、スタート地点としてはかなり上々に歩みを始めたのではないか。皇太子のフッ軽がもはや前澤友作を超えている、いや単なるイメージなのだがこりゃ面白そうだと茶番に乗ってみせる態度が面白い。シュークリームを6個平らげる娘と酒を6杯あおる青年、落ち着くべきところに強引に落とすラストであるがこの簡潔さは嫌いじゃない。

シネマヴェーラ渋谷にて鑑賞🎥
本作は「デトレフ・ジールク監督名義のモノクロ作品」だったが、これは本当に面白くて爆笑ものの娯楽作。
久しぶりに、映画館でたくさん笑った😄笑

パン職人だった男が、いまではパスタ工場の主になった成り上がり者の男。彼の妻と娘が中心になってホームパーティを開いていて、娘は歌を歌っている。ここまでは「ふ～ん」という始まり方だが、いまや著名なパスタ工場なので、皇太子から「アフリカに行くので、旅行に適したパスタの注文」が入った途端、妻はホームパーティの客に「皇太子からの御用達」と言ってすぐに宣伝する🤣笑
そして、皇太子と娘を……と考える父親と母親は、いろんな策を練る。ただ、彼らの娘にはもともと気心の知れた男がいたのだが、「うちは御用達の家になったんだから、あんなレベルが劣る相手はダメ」と男を無視し始める。この“御用達”で一気にタカビー（高飛車）になる夫妻は笑える😂w

ただ、これが４月１日だったので、「エイプリル・フールだから、あのタカビー夫妻を騙してやろう！」と思い付いた男２人。その１人が皇太子になりすまして電話をかけたりする。このあたり、「エイプリル・フールって、昔からあったんだ。ドイツでも…」と思う。

そして、エイプリル・フールで嘘に振り回される人々、騙した側のエピソードが楽しい ^⁠_⁠^

更に、皇太子が工場主の娘ではない若い女性を好きになるが、巷の噂に惑わされるその女性も、ある意味で被害者かも知れない。

こうした展開の中で、途中途中で面白過ぎる場面が次々と出て来るので爆笑ものだが、未見の人のためにネタバレ（エピソード紹介）は割愛。

本作は、デトレフ・ジールク監督として作ったドイツ映画で、1935年のダグラス・サーク監督初期作だが、洗練さなどは置いといて、こんなに面白いギャグ映画を作っていたとは…😁笑

ドリフターズの面々は、この映画を観ていたのではないか？……などと思ってしまう楽しくて仕方ないデトレフ・ジールク監督作であった。
今後、本作が上映される機会があれば、「また観たいコメディ映画」である🙌

傑作‼️✨✨✨😄😄😄

• #ダグラス・サーク_Jimmy

サーク初の長編。パスタ工場で財を成した社長の家に、エイプリルフールの嘘がきっかけで皇太子が訪問することになる。

成金の薄っぺらさを暴くところにサーク的なものが見える気もするが、基本はハリウッドのようなオーソドックスな室内劇。メインとなる皇太子と社長秘書の恋愛模様に魅力を感じなかった。

一方、周りで一喜一憂し続ける社長夫妻と娘、娘の結婚相手のスラップスティックはまあまあ面白い。頭では取り繕おうとしても、体が拒否反応を示し始めており、娘はカフェでシュークリームを豪快におかわりし、帰宅すると花瓶をぶん投げる。結婚相手は呼応するように酒を連続で注文して机を杖でバンバン叩き、社長もそれに混ざる。もう無理！の悲鳴がアクションとして共鳴し、結ばれる。記念すべき？ファーストショットは楽譜のアップだった。