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『白い魔魚』に投稿された感想・評価

odyss
3.3
【昔の映画は美男美女が出ていた】

1956年(昭和31年)の映画。

岐阜にある老舗の紙問屋の娘・竜子 (有馬稲子) は東京の大学に通い、同級の演劇青年・種夫 (石浜朗) と愛し合っている。
ところが実家が倒産してしまう。
債権者の青木 (上原謙) は、妻を亡くしたばかりであったが、紙問屋を救う条件として、若い竜子に結婚を申し込む。
将来が見えない恋人と、実家を救う代わりに結婚をと迫る資産家の中年男とのあいだでヒロインは悩む。

何となくこの時代にはありがちなストーリーのような気もするが、ヒロイン有馬と若い恋人役・石浜の美貌がみどころ。石浜は、今の若い人は知らないだろうけど、この時代には美男俳優として映画やTVドラマによく登場していた。やっぱり映画は美男美女が出て来なきゃ・・・と最近の、美男でも美女でもない俳優が主演の邦画を見ていると、痛感してしまいます。
4.6
松竹は 千代に八千代に大メロの ラヴロマンスに 苔生えるまで

これは傑作だ!ここ最近観た映画の中で一番魅せられ、惹き込まれる作品だった。
年齢性別が異なる男女6人がそれぞれの立場で自らの人生観を貫き全うしようとしてもがいている。原作小説をも読みたくなるほど、人物一人一人が丁寧に描かれていた。1950年代の中村登監督は多くの傑作を世に送り出しているなぁ。
この頃の有馬稲子はなんとも可憐・清純なお嬢さん、高峰三枝子は色香あり麗しく、杉田弘子は常にヴァンプ・あばずれ役が似合う笑
アイスホッケーの試合も映り、嬉しい限り!女を渡り歩くプレイボーイ川喜多雄二も背が高くハンサムだ。
不思議に思ったのは、えらくセリフに「全然」が多いということ。直後に来る言葉を否定的にも肯定的にも強調するために、登場人物それぞれが「全然…」と何度も言っている。
新しい世の中を新しいスタイルで生きていると思っていても、それは外見の装飾だけで中身は依然として古い価値観に縛られている…といったそれぞれの葛藤。お金で買えないものがある、それは愛情と努力。学生であるヒロインは、誠実なボーイフレンドを選ぶことにより、生まれ育った老舗紙問屋を捨て、親戚と縁を切り、母と二人で東京で暮らしていこうという思い切った行動をとることに躊躇する。ここでの「責任は二人で持つんだ」というボーイフレンドの言葉は、「結婚」というものが一人のものではないと改めて気づかされ、ハッとさせられる。クライマックスへと向かう有馬稲子の走る姿、川辺で待つ石濱朗の川の流れを見つめる姿。「僕と将来を約束してくれたまえ」これぞ松竹大船調!
東京で大学に通う竜子(有馬稲子)は同じ大学で演劇をしている石浜朗といい仲
しかし岐阜の実家のお店が破産の危機!親戚や兄(須賀不二男)は策を練り、お金持ちの実業家上原謙に助力を頼む
しかしそのためには有馬稲子が身を捧げなけらばならない、、、身を犠牲にして家を助けるか、自分の気持ちに素直に生きるか、みたいな板挟みなドラマ

有馬稲子目的に鑑賞、、、なんですがハズレだと思う
この頃には珍しくカラー作品だし、高峰三枝子や上原謙といった大物が助演で盛り上げてはいるけど、ストーリーが終始つまらない

結局言いたいのは、、、今からの時代古い考えにとらわれず、女性であっても自分を出していこう!みたいなこと?

でもねぇー、ラストは相思相愛の彼と結ばれそうで、その点ではよろしいんだろうけど、、、家を破産にしてまでなかなかその選択は出来ないわー

劇中主人公の母のセリフで

結婚は生活の上に成り立つものなのよ
好きになることは優しいけれど、愛情を持ち続けるってことは難しいものなのよ

ってのがあって、やっぱり今も昔もこれだなーとは思います、生活していけなきゃただの夢、おままごとだもん
その点で、今回の主人公の選択がそうならなきゃいいけど、、、と