隊長のクラウスは、部下を守るために、敵がいるであろう場所に空爆命令を出した。しかし、国際人道法上、敵を明確に視認しないうえでの爆撃は禁じられている。加えて、空爆の結果、11人の民間人の命が奪わ>>続きを読む
【感想】
過去に囚われた男が、それを克服していく話。以前のできごとが何度も蘇ってきて辛い時がある。過去に縛られ、そこから逃れることができない。蟻地獄のように、甘美な記憶が、我々を苦悩という穴に>>続きを読む
【感想】
デンマークの綺麗な砂浜と地雷や少年兵の死、という対比が鮮やかであった。自然の母胎、つまり生の根源である「海」と、人工的に造られ、死へと導く「地雷」の存在。本作は、対称的な両者が混在す>>続きを読む
【感想】
理想の未来を選択するか、それとも今までの日常を引き受けるか。究極の問いではあるが、ツリーは後者を、つまり母親が死んだ世界観ではなく、元の世界観、すなわちライアンと恋人になっている方を>>続きを読む
【感想】
感情だけで物事は変わらねえ、って思った。私は犬を飼っていたことがあり、無惨に食用として屠殺されたいる様子は心が痛い。だが、小学校高学年の頃、犬の鎖を解いたことがある。それは、「ここで>>続きを読む
【感想】
昨今のテレビ番組を見てると、違和感を感じてしまう。それは、県ごとの差異を強調し、対立を煽っている点である。メディア上の演出ではあるものの、その面白みはよく分からない。藩に分かれていた>>続きを読む
【感想】
誰でも一度は何かに憧れることがある。彼らはBEATLESに憧れ、大いに影響を受けた。青春の1ページを音楽と恋愛に割き、余白に友情や悪戯や学校生活を書き込んだ。
音楽×恋愛×学>>続きを読む
【700本目】
愛への反動形成、つまり愛を求めるも、それに見放される、もどかしさや苛立ちから「愛がなんだ!」と叫ぶ。しかし、逆説的なことに、愛への執着を放棄することで、愛への経路が用意される>>続きを読む
【感想】
「本当の自分」というのがキーなのだと思う。Eveの「ドラマツルギー」とリンクする。「影の世界の人達」は「寂しいとか愛とかわかんない」し、「この小さな劇場から出らんない。気づいたら最後>>続きを読む
【感想】
本作は「スタンフォード監獄実験」を下敷きに制作されている。人間の行為は性格ではなく、環境によって規定されることを明らかにするために行われた。本作でも、看守は多大な権力を与えらている。>>続きを読む
【感想】
圧倒的恐怖。ホテルという閉鎖的な空間にテロリストが侵入する。無差別に殺人を繰り返し、命乞いも聞き入れない。首謀者はデカン・ムジャーヒディーン(デカンの聖戦士)とされているが、現在も>>続きを読む
【感想】
一髪触発の状況の中で、ケネディが英断をしていく様に魅せられた。少しでも対応を間違えば、第三次世界大戦が勃発してしまう。緊迫した状況の下、焦燥感や不安感に押し潰されずに、戦争を回避する>>続きを読む
【感想】
権威と権力を目一杯に描写した良作。軍服に宿っている権威を利用し、これでもかと権力を行使する。権力とは、すなわち「相手の抵抗を排してまでも、自己の意思の貫徹すること」である。軽微なもの>>続きを読む
【感想】
恋愛至上主義社会に一石を投じた作品である。どうも近代化を遂げた国は、つまり西洋にかぶれた諸国は「恋愛至上主義」の価値観が支配的である。キリスト教の聖書、つまりアダムとイブに始まり、婚>>続きを読む
すべてをかなぐり捨ててグズになりたい時がある。つまり、脱日常、非日常への憧憬。身も心も落とし、坂口安吾のように「人間は生き、人間は堕ちる」と言いたい。プライド、アイデンティティ、全てを脱いで丸>>続きを読む
【感想】
マクリーン家の約80年間にわたる物語を見せられた。決して、アグレッシブなものではなく、むしろ悠々と時が進んでいく。80年と聞くと長いようであるが、マクリーン家の起源から数えると大した>>続きを読む
【要約】
小さな新聞社グローブが、神父の児童虐待を発見し記事にする。問題なのは、数人だけが関与していたのではなく、数百人も関わっていたこと。また、司教区や教師、弁護士など様々な人が知っていたの>>続きを読む
圧倒的な理不尽さを描いた作品。カフカも仲間意識を感じるだろう。アメリカからイラクに派遣された平凡な労働者が、米兵と勘違いされ、棺の中に入れられ生き埋めにされてしまう。
映画を通して犯人>>続きを読む
損得や功利ではなく、価値に生きた男フレディ。そのまま学校に通っていれば、首席での卒業も夢ではなかった。しかし、祖国の危機にいても立ってもいられず、帰国し、革命のために戦うことを決意する。
>>続きを読む
修士論文のために「理由なき尾行」を始めることになった。対象者の「二重生活」 を垣間見た備考者は様々なことを悟る。
理由なき尾行。それは、他者の人生の一部分を垣間見ることである。対象を追いかけ>>続きを読む
2人の主人公。どちらもゲイであり、ブロークバック・マウンテンで恋に落ちる。しかし、当時は性的マイノリティに対する偏見や差別が強かった。だから、お互いに一緒になることはなく、それぞれ女性と結婚をする>>続きを読む
オサマ・ビンラディンを追跡・殺害する話。CIA捜査官のマヤは、藁から針を探すように、ビンラディンの痕跡を収集していく。煙のような存在で、はっきりと彼の居所を掴むことはできなかった。目星をつけた屋敷>>続きを読む
生物兵器により、人類に菌が蔓延した話。生き残ったのは南極に派遣されていた、800人代の男と8人の女のみ。この状態でも悲劇的だが、さらに追い打ちをかける情報が入る。それは、南極を震源に大きな地震が生>>続きを読む
細菌の何が怖いって、それは可視化できないことなんだよね。本作は見える恐怖、すなわち怪物と見えない恐怖、つまりウィルスについて描写されている。
映画自体はモンスターハンター的な帰結になるのだけれ>>続きを読む
戦闘狂の主人公:トミーは安全地帯からの攻撃、つまりエアコンの効いた一室でドローンを操作して空爆を行うことに違和感を感じていた。スリルを求め、パイロットに抱いていたアイデンティティを捨てられなかった>>続きを読む
臓器移植。提供側と被提供側を描写した作品である。どちらも精神的な葛藤を経たうえで、臓器を提供すること、そして提供されることに承諾をしている。
どちらにも人生がある。突然、息子の死を宣告された提>>続きを読む
本作は、人種間の対立をバカじゃねえーの!と一石を投じることを目的としている映画であると感じた。注目すべきは描き方である。黒人に肩入れすることもなければ、白人に入れ込むのでもない。つまり、中立的に、>>続きを読む
本作は<伝わらないこと>を主題にした作品である。キーは「壁」という概念であろう。
1つ目の<伝わらないこと>はカイのセクシュアリティについてである。母親(ジュン)にしようと思っていたが、結局最>>続きを読む
人生ってやり直しがきくようできかないんだよね。結婚して数十年経った後に、「やっぱり他の人がいい」と思い立ってもなかなかそうはいかない。相手が結婚している可能性もあるし、その人と一緒になるには離婚し>>続きを読む
単純に言っちゃえば、北欧のコミューンに赴き、その文化や風習に触れる話。
本作は、俺らの倫理観に揺さぶりをかける映画。俺らの、と括ったが、厳密に言えば西洋式の倫理観のことを指す。紛れもな>>続きを読む
ルーシーが薬物の力で、脳の100%の力を使うことができるようになる話。人類は10%しか使用していないが、使用できる領域が増加するごとにできること、つまり能力が向上する。例えば、他人の思考にアクセス>>続きを読む
ここに出てくるゾンビは、俺には凝り固まった思想に取り憑かれた人のように感じた。例えば、特定の思想を盲信するウヨブタやパヨク、あるいはラディカルすぎるフェミニスにそっくりである。実は、彼らはめちゃく>>続きを読む
丁度、世界史で「第二次世界大戦」を学んでいたため視聴した。教科書では「○○の戦いで○万人が亡くなった」って一言で書いてあるけれど、それぞれ固有の生を歩んできた人達が亡くなっているんだよね。数値に還>>続きを読む