Jumblesoulさんの映画レビュー・感想・評価 - 26ページ目

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女囚701号 さそり(1972年製作の映画)

4.5

梶芽衣子ありきの大傑作。当時まだ25歳の若手女優にこれほどの演技をさせ、それを完璧にこなした梶さんも凄いし、日本人特有の『怨み』の感情をこれほどシュールに表現した邦画もないだろう。そして復讐シーンでの>>続きを読む

江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間(1969年製作の映画)

3.0

奇才石井輝男監督による世紀の珍作、というイメージがあったが意外にまともな作品だった。
江戸川乱歩はエッセイや評論を除く全ての作品を読了済。戦後に人気があった長編活劇や少年探偵ものよりも、戦前の短編の方
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ビッグ・マグナム黒岩先生(1985年製作の映画)

2.5

吉本興業を主に、当時のお笑い&バラエティ番組の売れっ子総出演のマカロニ・ウエスタン風学園コメディ。
主演は外見がデビュー時のエルヴィス・コステロと瓜二つの、伝説の漫才師横山やすし。何故か相方の西川きよ
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十代 恵子の場合(1979年製作の映画)

3.5

1979年だけで本作を含む傑作3本の主演作が公開された、森下愛子の東映出演作。彼女の女優のピーク時で、既に実年齢20歳を超えているのにセーラー服が良く似合う。
ある女子高生をドキュメンタリー・タッチで
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十八歳、海へ(1979年製作の映画)

3.0

原作は中上健次が20歳前後の頃に同人誌に投稿していた作品集から。シラケ世代なんていわれていた若者達の意識を反映したものになっているけど、やはり自殺や心中ネタは古臭い。
森下愛子は秀才の予備校生役。この
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マニアック(1980年製作の映画)

3.0

マザコンの殺人鬼が、行き当たりばったりで次々に殺しまくる話。
主演は『タクシー・ドライバー』や初期『ロッキー』シリーズに出ていたジョー・スピネル。原作、脚本に製作総指揮も担当しているので、彼の一世一代
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ザ・リチュアル いけにえの儀式(2017年製作の映画)

2.0

スウェーデンを舞台にした森ものホラー。カルト宗教要素も少しあり。
ホラー度としてはライト級。むしろ本編よりも、冒頭のコンビニ強盗殺人の方が現実味があって怖かった。
オジさん4人組が、わざわざ外国の山奥
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.0

アメリカ・ワイオミング州の先住民居留地、ウインドリバーを舞台にした殺人事件もの。
ミステリーとしてはあっさり犯人や真実が判明してしまうので弱いが、実話に忠実とすればこんなものだろう。作品で一番描きたか
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ラッキー(2017年製作の映画)

4.5

本作の公開年に91歳で亡くなった名脇役ハリー・ディーン・スタントンの遺作。この作品、50代以上の、特に仕事を定年等で引退した人達にぜひ観て欲しい傑作である。20代の若い人達は良さがさっぱり分からないと>>続きを読む

フィフス・ウェイブ(2016年製作の映画)

2.5

原作は評判のSF小説らしいけど、海外ドラマ並のライト級SFなので何でベストセラーになったのかよく分からない。
侵略ものなのに、エイリアン本体が全く出てこないというのも珍しい。クリーチャーを作る予算が無
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ダーク・シャドウ(2012年製作の映画)

2.5

あまり好きじゃないティム・バートン監督作品にしては面白かったけど、記憶に残っているのは特別ゲストのアリス・クーパーのパフォーマンスくらい。

キック・アス(2010年製作の映画)

3.0

よく出来たおバカ・ヒーロー映画。
ガキんちょのヒットガールが大暴れするのが壮快で面白い。
子役のグレースが成長してから作ってしまった続編は凡作だったけど。

モールス(2010年製作の映画)

2.5

クロエ・グレース・モレッツ主演の、子供ヴァンパイア映画。
人間の男の子とのかなわぬ愛情(友情)という、定番のせつない物語。ラストの列車のシーンが爽やかで後味が良かった。

アイ・アム・マザー(2019年製作の映画)

2.5

人類滅亡その後ものSFネトフリ作品。
登場するのがシェルターで生まれ育てられた娘、闖入者の女とアンドロイドだけ。役名さえ無い徹底したシンプルさがユニーク。
全ての黒幕は娘の母親代わりだったアンドロイド
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フラクチャード(2019年製作の映画)

1.5

このレビューはネタバレを含みます

アクション専門俳優サム・ワーシントン主演の失踪ミステリー。
この題材、ミステリーとしてはハードルが高く成功した例は殆どない。結局、無理矢理感が残ったり、ズルいオチにしたりという作品が目立つ。
本作はズ
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パーフェクション(2018年製作の映画)

3.0

クラシック音楽ネタのサスペンス。途中からグロいシーンが増え、ラストはグチョグチュなスプラッターになる。
本作に出てくるあの人物や、おエラい芸術家先生といった人種は狂人と紙一重だと思っている。表に出てこ
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バージンブルース(1974年製作の映画)

3.0

藤田敏八監督、秋吉久美子主演の青春三部作三作目。
ヒロインが最後に狂女になってしまう前代未聞の一作目『赤ちょうちん』に比べると、随分ノーマルな作品になっている。
その一作目に出ていた秋吉、高岡健二、長
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月影の下で(2019年製作の映画)

3.5

SFサスペンスではあるが、荒唐無稽な演出を排除し現実感を大切にしたという点で良品といえるタイムトラベルもの。
馴染みのない俳優達がキャスティングされているせいか、海外連続ドラマ1シーズンの総集編を観て
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ハネムーン(2014年製作の映画)

2.5

寄生型エイリアン(?)に襲われた、新婚夫婦の災難を描いたSFホラー。
寄生されるのは女性のみ。モンスターみたいになるわけではなく、記憶がどんどん薄れていく程度なのがホラーとしては弱い。
低予算(たぶん
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ディストピア パンドラの少女(2016年製作の映画)

3.0

思考力のある半ゾンビの少女が主人公の近未来もの。
米軍基地の最初の20分が実に退屈でこれは外したかなと思ったら、ゾンビの大群に追い出されてから物語が加速して面白くなる。
数を数える謎の冒頭が、終盤の伏
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ラトルスネーク(2019年製作の映画)

3.0

アメリカの田舎道を娘と呑気にドライブしていた母親がとんだ災難に、というよくある話。だが、それからタイムリミット型オカルト・ホラーともいうべき少し変わった展開に。
終盤のテキサスの昔の西部劇で良く見るロ
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もっとしなやかに もっとしたたかに(1979年製作の映画)

4.0

妖精か小悪魔かといった人間離れした可愛さの森下愛子はもちろん、キャスト陣が魅力的な70年代末邦画の傑作。
森下に並ぶ主演で、いつの間にか消えてしまった名女優高沢順子がいい。少し病んだキャラは演技を超え
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ザ・シークレットマン(2017年製作の映画)

3.0

ドンパチ・アクションやSFファンタジーだけではなく、ガチな社会派サスペンスもやれまっせと言いたげな、リーアム・ニーソン主演作品。ネタはウォーターゲート事件。
名作『大統領の陰謀』で謎の情報提供者が出て
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6アンダーグラウンド(2019年製作の映画)

1.0

派手なドンパチにどこかで観たか読んだような薄っぺらな話は、さすがマイケル・ベイ監督クオリティ。
世紀の美女メラニー・ロランがせっかく出ているのに、この扱いは酷い。
これでもかのアクションを長々とやるせ
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シェフ 三ツ星フードトラック始めました(2014年製作の映画)

4.0

実に楽しく面白い作品だった。
主人公がよくいるプライドが高いシェフじゃなく、興奮すると汚い言葉は連発するし、味覚が命なのにタバコをスパスパッてキャラがいい。
中盤からはマイアミからロスまでのロードムー
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どですかでん(1970年製作の映画)

4.0

昨年は没後50年を過ぎ、電書が安価で入手できた事もあり山本周五郎の作品を良く読んだ。
人情時代小説が多い作家だが現代小説である『青べか物語』も好き。その流れで『季節のない街』を読んでいたら、連作短編の
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地上最大のショウ(1952年製作の映画)

3.0

セシル・B・デミル監督のサーカスを題材にした大作。
サーカスといえば子供の頃に木下大サーカスを二度見た事があるが、本作のサーカス団は1400人の団員&スタッフに無数の動物達という、あの10倍以上の規模
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

4.0

こんな30代の夫婦はアメリカに沢山いるだろうと思われる、離婚調停もの。話は凡庸だが、素晴らしい脚本と3人の俳優の好演で中盤過ぎからグイグイ引き込まれる傑作である。
監督と脚本はノア・バームバック。大好
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デイブレイカー(2009年製作の映画)

2.5

イーサン・ホークとウィレム・デフォー共演のヴァンパイアもの。
この手のものはヴァンパイアが少数派というパターンが圧倒的に多いが、本作は人間が絶滅寸前状態という珍しい設定。ちなみに時代は2019年4月と
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ANON アノン(2018年製作の映画)

1.5

超管理社会を舞台にした近未来もの。
ユニークな設定だが、正直つまらない。いかにもな数字や図形が被った映像も邪魔に感じる。
デジタル時代なのに殺人は旧式の拳銃っていうのもねぇ。どうせならレーザー光線でピ
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血まみれスケバンチェーンソーRED 後編 ギーコの覚醒(2019年製作の映画)

3.0

後編はプリズンものになりそうな雰囲気だったけど、あまり前編と変わらない展開。死んだと思ったネロがあっさり復活したりと、やや期待はずれの出来。
こうなると、やはり時間を少し削って短縮し、まとめて一本にす
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血まみれスケバンチェーンソーRED 前編 ネロの復讐(2019年製作の映画)

3.5

GEOで準新作になったところを、プレミア・フライデーに110円でレンタル。
3年前の内田理央版が面白かったこともあり、この続編は期待通りの快作!難有りだった脚本も、今回はスッキリとまとめられて良くなっ
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あゝひめゆりの塔(1968年製作の映画)

4.0

大戦で一般人を巻き込んだ悲劇である、ホロコーストと広島に並ぶ沖縄戦線の実録もの。
この題材は何度か映画化されていて、これまでは今井正監督の82年のセルフ・リメイクのカラー作品を鑑賞済み。そちらは引率の
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キリング・フィールド(1984年製作の映画)

4.5

公開当時は地元で上映されなかったのでレンタルVHSで鑑賞したと記憶しているが、それ以来の再鑑賞。
後半のプランの戦地脱出劇の印象ばかり残っていたが、前半の内戦の様子があまりにもリアルで唖然とする。エキ
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ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命(2017年製作の映画)

3.0

ホロコースト実録もの。ユダヤ人ではなく、占領されたワルシャワのポーランド人夫妻が主人公。
動物園が舞台なのは序盤までで、残りはユダヤ人を匿っている事がバレないかのハラハラドキドキがメイン。
主な登場人
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月に囚われた男(2009年製作の映画)

2.5

デヴィッド・ボウイ息子ゾウイの映画監督デビュー作SFという事で、メイジャー・トムでも出てくるかと思ったら違った。
全体としては味のある雰囲気なのは認めるけど、アマチュアが膨大な資金で一本作りました的な
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