あーやさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

あーや

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人生案内(1931年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画大国ソビエト初のトーキー映画です。連日ソビエト映画を観続け、6本目ともなると少しキリル文字のアルファベットが読めてくるようになります。н→N、р→Rとか。どうでも良いのですけどね。
初のトーキー映
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自由はパラダイス(1989年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

チラシには”ソビエト版「大人は判ってくれない」と異名を持つ”と書かれていたのですが、本作の大人達は組織の人間を除いて主人公に対して好意的な人が多かったです。
「自由はパラダイス」の頭文字”СЗP”のタ
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長い見送り(1971年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

キラ・ムラートワという女性監督の作品でした。物語の軸となるのは、シングルマザーと思春期の一人息子のうまくいかない親子関係。実は本作はソ連で公開当初に作品自体が問題視され、公開されなかった作品です。たし>>続きを読む

(1981年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

大きな道と森へと続く小道が交わる丁字路。風の音と鳥の鳴き声が聞こえる美しい田舎町を白馬に乗った男の子がかけてゆく。そんなシーンから一転。おばちゃんの早口でけたたましい怒声が突然響く。そのおばちゃんこそ>>続きを読む

白い鳩(1986年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

1930年代から近代のソビエト映画を35ミリフィルムで立て続けに観ていました。ソビエト映画を一言で表すと「人間賛歌と映像美」。タルコフスキー以外はすべて初見の監督作品です。どの作品も映画大国ソビエトの>>続きを読む

セールスマン(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

残酷な映画でした。
アスガー・ファルハディ監督の「セールスマン」です。
国語教師であるエマッドと彼の妻のラナ(タラネ・アリシュスティ!物凄い美人さんです)は小さな劇団で役者もしている。今は目前に迫った
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

んんー。すごい。こんなSF作品もあるとは。驚きました。
「Arrival(邦題:メッセージ)」です。異言語を貪るように学ぶことが好きな人にはぴったりの映画です。 映画というよりも2時間まるまる言語学の
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夜明け告げるルーのうた(2017年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

湯浅さんのいつもの毒は控えめなのに、画はいつも通り猛スピードで疾走している!2Dなのにスクリーンで観ているのに、どこまでも奥行きのある街と海を観客もルーたちに引っ張られて思いっきり駆け抜けた気分でした>>続きを読む

抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-(1956年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます


「抵抗 -ある死刑囚の手記より-」
「スリ」と同様、本作も短い前書きから始まりますね。背景の音楽はモーツァルトの美しい旋律。この人の映画の始め方が好きです。
死刑囚と言っても、主人公は諜報活動の疑惑
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スリ(掏摸)(1959年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ある青年が自らの抱える孤独と葛藤しながら最後には愛に救われる様子を描いた「スリ」。
徹頭徹尾、無駄なセリフ・蛇足な説明・誇張された音楽を全てそぎ落とした72分間でした。序盤の前書きをごっそりそのまま引
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

アメリカの作品でここまで静かな作品もあるのですね。
地理が全くダメな私は観始めてから暫くは「マンチェスターってどこやっけ?この寂しい雰囲気やとイギリスかな」なんて思っていましたが、 舞台はイギリスのマ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

5.0

もう半端なく面白かった!!!そして今回も涙腺ダムは大決壊しました。前作を映画館で観そびれ(2014年史上最大の後悔)、父親が買ってきたブルーレイで観た直後からずーーーー・・っと新作が待ち遠しかったので>>続きを読む

野獣の青春(1963年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

セピア色の人混みに濃いエメラルドグリーンの文字。オープニングから「この映画絶対おもしろい!」と確信しました。今年2月に亡くなった鈴木清順監督の「野獣の青春」です。
清順監督の追悼特集では公開される作品
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人生タクシー(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

5月19日はイラン大統領選です。保守強硬派の候補が一本化されましたね。んー。イランの未来や如何に・・。

イラン政府から映画製作と海外渡航を禁止されているイラン人の映画監督、ジャーファル・パナヒ監督の
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カフェ・ソサエティ(2016年製作の映画)

4.8

30年代の古き良きアメリカ映画の数々、優雅でしっとりと聞かせるジャズ、ややこしい恋愛模様、どうしようもない登場人物たちに思わずうっとりとしてしまう。映画鑑賞後には夢から覚めたように映画館を後にする私た>>続きを読む

独裁者と小さな孫(2014年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

モフセン・マフマルバフ監督の「独裁者と小さな孫」を観ました。

舞台は、架空の小さな独裁国家。ある大規模な反乱がきっかけで体制崩壊したため、全国民から追われる身となった大統領が亡命するために国内を逃げ
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運動靴と赤い金魚(1997年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

やはりイラン映画は凄い。
まだ私のイラン映画熱は冷めていませんよっ。「運動靴と赤い金魚」です。

破れた赤い靴を太い針と糸でおじさんが修理をしているシーンから始まります。その修理したての妹の運動靴をお
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愛の果てへの旅(2004年製作の映画)

1.0

うーん。期待して観に行ったのですが駄目でした。。
長いエスカレーターを映すだけのオープニング、寡黙を貫くも内心は小心者のらしい主人公、青い目と漆黒の髪がセクシーなウエートレス、切り返しの早い映像、突然
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ウンベルトD(1952年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

1951年のイタリア映画なのですが、年金問題や高齢者の貧困など2017年の日本と重なる点が多い。イタリア映画の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカの名作「ウンベルトD」です。

主人公のウンベルト・D・フェラ
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「偽電気ブラン」「ラ・タ・タ・タム」「林檎」「達磨」「古本市」etc.と出てくるキーワードで森見さんの原作を読んだ当初の興奮がめきめきと蘇りました。しかし本作は読み応えのある独特な世界観の原作を忠実に>>続きを読む

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画館が暗くなりスクリーンに静かな学校の風景が映し出される中、ドビュッシーの「月の光」が響く。映画の世界へ優しく誘われるような心地良さに開始早々思わず涙がこぼれてしまいました。
今は亡きマレーシアの映
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モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由(2015年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

男女のリアルな恋愛模様を描いた映画作りでフランスの横に出る国はないでしょう。「MON ROI(私の王様)」です。マイウェン監督の映画は初めて観ました。

主人公のトニー(エマニュエル・ベルコ)がスキー
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

「ちょっと期待しすぎたかなぁ・・」というのが率直な感想です。
まず全体を通して人工的でビビットな色合いに目が完敗しました。これはここ最近専ら土と草の色に溢れたイラン映画ばかりを連続して観ており、そんな
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カンダハール(2001年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

パラシュートを付けた義足が青い空から降ってくる。落ちてくる義足を追って一目散に走ってくるのは、足を無くした人たち。創られた映像とは言え何とも異様な世界です。モフセン・マフマルバフ監督作品「カンダハール>>続きを読む

サイクリスト(1989年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

キアちゃんの「クローズアップ」でオマージュされていた映画、マフマルバフ監督の「サイクリスト」を観ました。イラン映画すごい。こんな映画があったなんて・・!
重病の奥さんの入院費を稼ぐために見世物として1
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

自分のことをモフセン・マフマルバフ監督(イランを代表する映画監督)だと偽り、そのまま嘘をつき通して本当に映画を作ろうとした男の事件を本人も含めた実際の人物で撮った作品。全て本物の人物たちが出演している>>続きを読む

シーリーン(2008年製作の映画)

4.5

「シーリーン」は日本初劇場公開とのこと。「ホスローとシーリーン」はイランの叙情詩でありメロドラマなのですが、内容は全く知らなかったので鑑賞前にWikipediaで予習してから観ました。
本作は面白い試
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オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ジグザグ道三部作の最後は「オリーブの林を抜けて」です。
この三部作は確かに繋がっているのですが、決して時系列が繋がっている訳ではありません。あくまでも「映画として」繋がっているのです。「友だちのうちは
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ジグザグ道3部作の2作目です。
1990年のイラン北西部で起こった大規模地震。「友だちのうちはどこ?」の舞台になった北西イランのコケル、ポシュテの辺りは被害の大きかった地域。その方面に向かって走ってゆ
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友だちのうちはどこ?(1987年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ジグザグ道三部作の1本目が本作です。後の2本は全て本作に起因しています。
主人公であるアハマッドくんの席の隣に座る男の子が怒られている。彼は先生に一度注意されたにも関わらずノートに宿題を書いてこなかっ
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トラベラー(1974年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

サッカーの試合を見にテヘランへ行きたい男の子が試行錯誤しながら友達からお金を巻き上げてゆく話なのですが、、、私、やってしまいました。前日の酒盛りが祟って中盤を殆ど大熟睡・・!
目が覚めたらもう終盤。
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パンと裏通り(1970年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

6歳くらいの男の子が主人公。家までの帰り道を通せんぼしている大きな犬が怖くて、なかなか路地を通れないシーンから始まります。あとから来た大人の後ろをついて行っても犬の前を通り過ぎる前に大人が角を曲がって>>続きを読む

ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「え?ベネディクト?意識高い系の人たちがやたら食ってる卵料理・・・ああ、カンバーバッチね。あの顔がアヴェンジャーズ入るの?DCコミックス寄りの顔のように見えるけど大丈夫かいな」なんて思っていましたが、>>続きを読む

タンジェリン(2015年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

新しい感覚で楽しめた映画でした!様々な性が入り乱れたカオスで危ない街、ロサンゼルスに行きたい。街の空気は臭そうやけど行ってみないとわかりませんね。

クリスマスイブの昼過ぎ。2人の女の子がカラフルなド
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四十二番街(1933年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

年末年始はウディ・アレンと彼の関連作品で年を越しました。「ハンナとその姉妹」&「ダックスープ」、「カイロの紫のバラ」&「トップハット」を父親と観たのです。(「ハンナとその姉妹」でキャリーフィッシャーを>>続きを読む

淵に立つ(2016年製作の映画)

4.5

浅野忠信はCHARAと離婚して以降スキャンダラスな色男だからすっかり忘れていましたが、実は気持ち悪い変な顔立ちだったことを思い出しました!「淵に立つ」です。
去年見逃していたのですが今年に入ってやっと
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