本家を見るより先にポンキッキーズで月の顔にビビり、スマッシングパンプキンズの世界観に圧倒されてきた世代です
カットを割らない舞台劇風。映画やSFとしての先進性も勿論だが、当時の人の想像力がそのまま画>>続きを読む
春夏秋冬をカットの変化で手際良く示すオープニング(夏→秋で犬デカくなり過ぎ)。人の心のすれ違いをアクションとして示し続ける。キートンを追い掛ける花嫁候補の数も、坂の上から転がってくる岩の量もサービス精>>続きを読む
ジョー(ジョン・ヴォイド)は陽気なテキサス男として振る舞う。小さい頃から祖母に愛され、恋人にセックスを褒められた彼は高齢女性に対する性的な自信を持っている。だが、その裏には男にレイプされた過去のトラウ>>続きを読む
上流階級のバツイチお嬢様トレイシー(キャサリン・ヘプバーン)が再婚する事になり、婚約者のジョージ(ジョン・ハワード)、元夫のデクスター(ケーリー・グラント)、特集記事の取材に来たコナー(ジェームズ・ス>>続きを読む
社会規範から外れて戦い続けるアンチヒーロー、イーサン(ジョン・ウェイン)のキャラクターは「タクシードライバー」など後世の作品に多大な影響を与えたとされる。個人的には「アイリッシュマン」のラストも今作オ>>続きを読む
ジョン・フォード後期の傑作。
西部が独立を失い、米国の一部になっていく過程を描いた人間ドラマ。決闘の緊張感も流石の一言だが、今作では叙情溢れる荒野や馬の疾走感、激しい銃撃戦はほとんど味わえない。この>>続きを読む
タイトルクレジットと音楽の合わせ方から決まっている。霊柩車に銃撃を仕掛ける警察、という不思議なカーアクションで始まり、禁酒法という時代設定を台詞抜きで難無く示す。ノワール調の序盤のネタ振りが丁寧に作ら>>続きを読む
前半のSFノワールは、映像はちょこちょこカッコいいが話は単調。後半の西部劇は楽しかった。
シネフィル的なオマージュは山ほどあるのだろうが、メインはシェーン×ターミネーターか。銃の射程の違いや机を盾に>>続きを読む
ドル箱3部作の2作目。目線と間と音でストーリーを語るレオーネの手法が、ちゃんとしたオリジナル脚本と潤沢な資金の元で結実した傑作。
先に仕掛けるモンコ(クリント・イーストウッド)とその半歩先を読んであ>>続きを読む
助演男優(女優?)賞は馬。
女詐欺師ジーン(バーバラ・スタンウィック)に騙されるチャーリー(ヘンリー・フォンダ)のプロポーズシーン、バックにはいかにもクラシックな音楽も流れているが、馬はお構い無しに2>>続きを読む
ディズニーランドのジャングルクルーズの原型となった作品。タイトルの印象とは全く異なる、川下りアドベンチャー+ラブコメの娯楽作だ。
アフリカで宣教師をしていた英国人のローズ(キャサリン・ヘプバーン)。>>続きを読む
「私は人じゃない、スターなの」
大林宣彦監督はかつて「映画は科学技術が生んだ芸術であり、表現は発明だ」と語った事がある。新技術が生まれる度に映画表現も進化し、それに適応出来ない役者は廃れていく。>>続きを読む
サンセット大通りと同じ年に撮られた舞台内幕もの。ハリウッドが自らの責任で映画界の闇を炙り出したサンセット大通りと比べると、ハリウッドがブロードウェイ(演劇界)を描いた今作はやや切れ味に劣る感じがしてし>>続きを読む
山中貞雄作。庶民、武士、商人、殿様、それぞれが自由や不自由を味わいながら同じ世界を生きている。講談、歌舞伎をベースとした人情話だが、無駄を削ぎ落としたストーリーテリングと美しい撮影が連発され、目が退屈>>続きを読む
馬の疾走感や空の広さ、アクションの緊張感は言うまでもないが、今作は街の魅力にも溢れている。街の発展と、そこに集う人のドラマを叙情たっぷりに描く「街の映画」と言って良いだろう。骨組みだけの教会が完成し、>>続きを読む
初見。ラストでリック(ハンフリー・ボガート)が暗い霧に消えるのが良い。幕が降りて数分後にはリックはナチスにとっ捕まって銃殺されているのかもしれない。製作時点で、戦争の行方は不透明。不穏な雲行きの中での>>続きを読む
人の死をきちんと悼む信仰が道徳の基盤になっているんだなと考えさせられる。
今作の舞台は第二次大戦中のフランス。戦争によって死が身近になり過ぎているため、子供が段階的に死を理解するプロセスが壊れている>>続きを読む
三姉妹とその使用人、女4人の人間模様を鮮烈なカラーリングで描いた室内劇の快作。
真面目で繊細な長女カーリンは望まずに母となる。癌で余命短い次女アグネスは母にコンプレックスを抱き、母になれない。自由奔>>続きを読む
ジャーナリズム×ネオリアリスモ
自宅待機中は過去の名作を中心に選んで観ているが、これまた本当に良い…。
舞台はフランス植民地支配下のアルジェリア。抵抗続けるアルジェリア民族解放戦線と、弾圧するフラン>>続きを読む
ハリウッドの幻想と現実、成功と衰退。サイレント映画からの時代の変化。
サイレント映画の巨匠シュトロハイムが執事のマックス役を務め、女優ノーマを演じるグロリア・スワンソンを実際に見出したセシル・B・デ>>続きを読む
風船を自力で苦労して掴み取るオープニングから素晴らしい。淡い色のパリの街に、人工的な艶のある風船がふわふわ浮いているのがとにかく映える。青い風船が初登場した瞬間の驚きと喜び。
路面電車や教会、学校か>>続きを読む
これは不思議な映画だ…。「羊の皮を被った狼」、連続殺人鬼ハリー(ロバート・ミッチャム)から逃げる兄妹を主役としたダークファンタジー。
基本的には善なる信仰が悪を倒すストレートな話なのだが、随所に善の>>続きを読む
グラサン、真っ黒のジャケットに青いジーンズ。マリオン・コブレッティというネーミング。凶悪犯を撃ち殺し、批判するマスコミを一喝する。カッコいい愛車で帰宅、違法駐車する移民の車にゴツンとぶつけ、文句を言う>>続きを読む
満足度高し。実質80分の映画だが、私がランボーに求める要素をほぼ満たしてくれている。これさえあればランボー、という私なりの条件を上げてレビューしたい。
▽ベトナム帰還兵の狂気と悲哀
ベトナム感はだい>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
エリア・カザンの「波止場」の対と言える内容。西部劇のクラシックとも称されるが、西部劇の「正義」が最後まで称賛されない、相当な異色作だ。
ゲーリー・クーパー演じる保安官は5年に及んだ小さな町での任期の>>続きを読む
オープニングの港の映像から、男の落下に至る流れの美しさが目を引く。善悪の境界線としての波止場で、それぞれが自分の利益のために駆け引きを繰り返す。
赤狩りでハリウッド関係者を売ったエリア・カザンの自己>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ディレクターズカット版を観賞。やはりラストが秀逸。
海底に沈む恐怖と絶望をしつこいほど描いているから、自然とこちらも「画面上部への上昇」=救いという前提で集中してしまう(ジブリ映画のような)。しかし>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
この映画で思い出したのは、「白人はロックンロールを黒人から盗んだ」というタイプの議論だ。「白人ファンクは軟弱」とか「ブルーノマーズは文化の盗用」とか。
それらは「黒人文化を白人が再現した方が世の中的>>続きを読む
溝口の最高傑作だと思う。役者の夫・菊之助とそれを支える妻・お徳が、徹底した白と黒、光と闇の対比で描かれ、相互補完し合う関係はエンディングで極地に達する。文字通り「奈落」に落ちるお徳の祈りのシーンと、一>>続きを読む
大林監督のデビュー作。田舎の家を訪れた少女たちが、怪物と化した家に食べられる。アイドル×ホラーの元祖。
怪奇映画への愛、家に行ってからの特殊効果、アイデア満載のビックリ箱状態も楽しいが、完全な非日常>>続きを読む
「この空の花」でデジタル撮影に移行して以来、画面に情報や違和感をひたすら詰め込む表現に磨きを掛けてきた大林監督。
この空の花ではジャーナリズムの発露としての事実の乱れ打ちがあまりに強烈で、ドキュメン>>続きを読む
ノスタルジーに中指たてて ファンタジーを始めただけさ
「長岡映画」を自称する今作。それは長岡の歴史を掘り返すことであり、今の長岡の人を描くことであり、未来への希望を語る事でもある。
事実を調べるジ>>続きを読む
黒いヒトラーと呼ばれ、40万人とも言われる虐殺を行ったウガンダの独裁者アミンの伝記映画。比較的真面目に作られているが、邦題から分かる通り日本ではモンド映画としてプロモーションされた。5分おきに拷問や処>>続きを読む
ドニー兄貴、春の新生活・香港編。
前作からアクションの趣が変わり、よりパワーアップしている。色んな物を変幻自在に武器に変える魚市場の戦いも面白かったし、ワイヤーアクションを使った円卓上の肉弾戦も見応>>続きを読む
時代の代弁者
面白かった。目の前の仕事から一つ一つやっていこうと思った。
チケットを売り切った後「客を入れるだけの島の大きさがない」事に気付く衝撃。インフルエンサーが一回のインスタ投稿で無料宿泊権>>続きを読む
岐阜県に養老天命反転地というアートな公園がある。迷路、歪んだ家、デコボコの地面、大半の展示物が斜めの角度で設置されている。
作り手の荒川修作は、幼い頃から死や肉体が永遠に消える事を恐れ、「死なないこ>>続きを読む