午前10時の映画祭にて。
脚本の中心にローマのデートシーンを配したシンメトリックな構成。ニュースで報じられる公的な姿の対比として、最後に写真が出てくる。ハイヒールを嫌がっていたアン王女(オードリー・ヘ>>続きを読む
これだけ雨が降り続ける映画も珍しい。ややネタバレ。
卑近な東京を描くのにプロダクトプレイスメントを活用し、歪で正しくないお話を、大資本を投じて流しまくる。国民的大ヒットを飛ばした次をどうすべきか、考>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
【2022年2月16日追記】
渡邊大輔さんの「新映画論」を読んでだいぶ今作の理解がクリアになった。
2010年代は人と物の区別が曖昧になり、人が自然に溶け出していく(人新世)が謳われた時代。おもちゃ>>続きを読む
見る地獄。午前10時の映画祭にて4K版。満員だった。たぶん人生3回目くらいの鑑賞。
壊滅状態に陥る神田大尉(北大路欣也)の青森歩兵第五連隊と、その何倍もの距離(224キロ)の行軍を成功させる徳島大尉>>続きを読む
1975年公開のシリーズ15作目。昭和ゴジラ最後の作品にして、本多猪四郎監督最後の映画でもある。初期のようなシリアスなトーンを復活させようと、伊福部昭も再起用されている。中野昭慶の爆発も非常に景気が良>>続きを読む
1973年公開の13作目。前作「ガイガン」以上に低予算、短期間で撮られた粗の多い作品。予算切れとなった映画終盤、怪獣たちは木以外何にもない荒野でどつきあいを続ける。
炎に囲まれて後ずさりするゴジラと>>続きを読む
1972年公開の12作目。監督は福田純。
見事な造形の新怪獣ガイガンに、キングギドラにアンギラス。マッチアップは完璧だった。中島春雄の引退作でもある。だが、これはなかなか厳しい…。カッコいい要素しかな>>続きを読む
1969年公開のシリーズ10作目。「子供の夢をそのまま映画にしたような」を比喩じゃなく本当にやっている作品。
「ゴジラの息子」同様にミニラのやられっぷりが酷過ぎで、面白かった。ガバラの電撃で痙攣、顔>>続きを読む
1967年公開のシリーズ8作目。前作「南海の大決闘」に引き続き監督は福田純、音楽は佐藤勝。
軽快な音楽に乗せた南の島でのコメディという点はそのままに、怪獣映画というよりは近所の犬の縄張り争いを見ている>>続きを読む
ベルリンの壁が出来る前の1956年、東ドイツ東端のスターリンシュタット。ハンガリーの武装蜂起に向けて黙祷した受験間近の高校生が、反革命的とみなされて大人たちから尋問を受ける実話。
現題は「沈黙する教>>続きを読む
ポンジュノ少しずつ見ていこうと思う。今更ながら面白かった。
実在の未解決連続殺人事件を題材にしたミステリー。多少の改変があるとはいえ、ノンフィクションベースとは思えないほどお話として綺麗にまとまってい>>続きを読む
1999年公開の23作目。エメリッヒを馬鹿にする日本のゴジラオタクは、東宝が今作のような映画しか作れなくなっていた現実をもっと誠実に受け止めるべきだ。
エメリッヒ版へのファンの不満を背景に、VSデス>>続きを読む
あまりに有名な原作やオチなのにこれだけ面白いのは、撮影、音楽、編集…映画としての完成度が高いからに他ならない。丁寧な語り口と高品質なサスペンスに、生々しい死やブラックな笑いといった監督の嗜好も含まれた>>続きを読む
エミリーブラントがたまらんです。めっちゃ強くて、筋肉質で、パワードスーツに不釣り合いな大剣をブンブン振り回す。トムの言い訳も無視して容赦無く頭を撃ち抜く。自身も何度も死に顔を晒し、その度にトムが気持ち>>続きを読む
Amazonプライム・ビデオで見られるうちに全作見返そうと思います。
1966年公開の7作目。メタな目線も入ったコメディ色強めの一作。王道路線ではないが、意外と良く出来ている。
元々キングコングの>>続きを読む
劇場で4回鑑賞。心底ガッカリしたファイナルウォーズ以来、15年ぶりに「最新技術で作ったお祭り映画」という念願が叶った。平成ゴジラ世代への最高のご褒美であると同時に、こんな内向きな映画はもうこれ一本でい>>続きを読む
1965年公開の6作目。ヤケクソな勇ましさの溢れる怪獣大戦争マーチだけで基礎点は十分確保できている。伊福部音楽で一番好き。
シェーをするゴジラなど、軽いノリのお祭り映画ではあるが、後述するようにキン>>続きを読む
いつ見よういつ見ようと長年思い続けて、午前10時の映画祭にてようやく初鑑賞できた。
メインの4人はいずれも漫画のように色分けされた性格の持ち主だが、その性格を本当に貫けるのか試されるような場面が多く>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
過剰な演出も目に付くが、真面目で孤独な男が思い詰める話は好きなので、大いに楽しめた。
ポールシュレイダー自身も語っているようだが、ベルイマンの「冬の光」そっくりなストーリーだった。身内の死をきっかけ>>続きを読む
いやー、今更ながらよく出来た作品。もっと評価されるべき。
「若おかみは小学生!」の高坂希太郎監督作品。風立ちぬや耳をすませばの作画監督など、長年ジブリに関わってきたベテラン。自身も自転車好きであると>>続きを読む
初見。1968年公開の9作目。キングギドラフルボッコ映画として有名な今作。怪獣ランドの制御が効かなくなり、世界中で怪獣が大暴れする。ゴジラがニューヨークを襲っていたのは意外だった。
9作目にして、い>>続きを読む
「大ゴジラまつり」開催中の新文芸坐にて、怪獣総進撃と二本立て鑑賞。平日昼間だが結構混んでいた。
2作目から約7年空いた、1962年公開のシリーズ3作目。東宝の創立30周年記念作でもある。
改めて、>>続きを読む
平成ガメラシリーズの金子修介監督による25作目。
太平洋戦争で死んだ人の魂がゴジラに宿って日本を襲い、「大和」の聖獣であるバラゴン、モスラ、ギドラが日本の国土や自然を守ろうと戦う。
オカルト風味と硬>>続きを読む
公開初日。思ってたより重い!けど面白かった。
田舎の大学生が1200万ドルの本を盗もうとする実話。人生に変化が起きると期待した奴、友達付き合いから手伝った奴、割と本気だった奴、金目当てだった奴。日常>>続きを読む
サタデーナイトライブから生まれたユニット、ブルースブラザーズが、生まれ育った孤児院を守るため、金を稼ごうとライブを画策する。いきなり“神”としてジェームスブラウンが出て来て、その後もキャブ・キャロウェ>>続きを読む
チェットベイカーの伝記映画(と言って良いのかわからないほど自由に改変しているが、嘘が当たり前な彼のキャラを考えたら許容範囲か)。ヘロイン中毒、トランペットが吹けないどん底から再起を図る苦悩が描かれる。>>続きを読む
色んな人の潜在意識が一つのカオスになっていく。想像力が爆発するかのように、カットごとに一変する画面に圧倒される。赤と灰色の対比が効いた色彩感覚や、夢と現実の区別を全く付けようとしない尖ったアニメ的表現>>続きを読む
キネカ大森にて「パプリカ」との二本立てを鑑賞。監督のホームページには今作製作の経緯や絵コンテも残されており、監督がどんな事を意識してアニメを作っていたのかがよく分かる。改めて、素晴らしい才能と(オタク>>続きを読む
ロックンローラーのアヤトラ(最高指導者)ヒューマンガス様が素敵すぎる。銃が詰まって撃てないマックスと、愛銃を丁寧に扱って(箱の中には家族の写真?)狙い撃つヒューマンガス様の対比が良い。マックスの襲来に>>続きを読む
テンポ良くご近所バトルを描いたコメディドラマ。荒川の土手には平屋が並び、庶民は噂話と他人の目を気にしながらものんびりと暮らしている。カラフルな配色(特に赤が印象的)や雲一つない青空が、どこか現実離れし>>続きを読む
良かった。何でもCGで作れてしまう時代になって久しいが、YouTubeやスマホが日常的になった事で、こういう安い映像ほど逆にリアルに感じるように観客の感性は変化して来た。2010年代らしいファウンドフ>>続きを読む
1993年公開の20作目。監督はVSモスラに続き大河原孝夫。
平成ゴジラシリーズには決まって1つや2つは物凄くダサいシーンが入っているものだが、今作は実に手堅い。スターウォーズごっこ(VSキングギド>>続きを読む
何度か寝落ちしながら鑑賞。郷愁とは単なるホームシックではなく、2度と戻らない少年期への憧れ。一度外国に出たが、祖国に戻るか悩み続ける主人公アンドレイ。祖国の妻と重なるイタリアの宗教画に描かれた聖母。イ>>続きを読む
セルビア東部で暮らすロマの親子3世代のお話。
閉塞的な社会で適当に生きるマトゥコ(バイラム・セヴェルジャン)と、小悪党ダダン(スルジャン・トロヴィッチ)のコンビ。マトゥコだって、一人でカードやってい>>続きを読む
真面目な牧師が、信仰を失う街の状況と、妻無しでは信仰を貫けない自分自身への嫌悪感に苛まれて苦しむお話。「神の不在」3部作の真ん中。
白い雪に包まれたスウェーデンの風景と謎の白い光に、原爆と死の灰をち>>続きを読む
強烈なライティング。明暗のコントラストと長回しが、生と死が入り乱れた戦乱の世の、現実と非現実の境界を曖昧にしていく。源十郎(森雅之)が若狭(京マチ子)の屋敷に初めて行った時の、等間隔で蝋燭が灯る不気味>>続きを読む