遊さんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

大雷雨(1941年製作の映画)

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古い映画だからいつものごとく平然と女性を差別的に描いていてところどころ虫唾が走るけれども、マレーネ・ディートリヒの媚びを見せない美しさに救われて最後までなんとか楽しめた

戦前とかの映画を映画館で観る
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ミサイルの軌道と涙の軌道

終わらせてくれてありがとう
遠く離れても忘れられず愛し続けてしまう相手としてレアセドゥという存在これ以上なさすぎる
あの涙目とあの角度からの湿度の高い視線を浴びたら初対面で
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ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

今さら言うことも無いけど
映画館で観たから

分かっていてもWhere Is My Mind?が流れ始めると滾るものがある、それまでの2時間20分もずっと惹きつけられているのに、最後になってさらに釘付
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まわり道 4K レストア版(1975年製作の映画)

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「作家なのに人間が嫌い」
常に斜に構えた醒めた目で、俯瞰で世界を見ている(つもりの)人間が作家になろうとするのかもな  

目的地もない、起承転結もないだらっとしたロードムービーなのに「まわり道」なの
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WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース(2001年製作の映画)

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内田けんじが「自分には脚本の才能がある」ことを示すための限りなく低予算な自主映画 脚本の構成力さえあればどんなにチープでも映画はある程度の面白さまでいけることも証明してくれている

パピヨン(1973年製作の映画)

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脱獄ものとしては普通というか、「穴」と「抵抗」というこれ以上ソリッドになりっこない厳格な脱獄映画を観たあとだと全部ゆるく感じてしまうけど、主演のふたりの存在感とラストの音楽はどうしても心に残る

あま
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アキレスと亀(2008年製作の映画)

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明らかに樋口可南子と北野武パート入ってからが本番
監督・ばんざい!から続けて観ると、これまでのキタノ映画と違う新しいものをひとつこうして完成させていることへの感動もある

芸術映画三部作というのは、「
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カンバセーション…盗聴…(1973年製作の映画)

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盗聴を題材にして、脚本の時点で唯一性の高いものとして仕上がってるのに 映像も音響も劇伴も個性的でレベル高くて、総合点がめちゃくちゃ高い作品

ようこそ映画音響の世界へでなんかもう全てを作り出したアリ
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女と男の観覧車(2017年製作の映画)

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今月の映画鑑賞計画を昨日みっちり立てたのに急にウディアレンが観たくなってもう崩れた

ブルージャスミンのケイトブランシェットの演技はこれが"圧巻"か...と思わせる気迫があったけど、この作品のケイトウ
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母なる証明(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

途中で寝ちゃって3回に分けて観たの相当悔やまれる...最初から緊張感を持続したままあのラストダンスに圧倒されるべきだった 映画を観るときは身体と精神のコンディションを整えなければいけない 何度目かの反>>続きを読む

シン・シティ(2005年製作の映画)

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幻かと思うくらい美しい女性たちがホイホイ出てくる ジャケットにもなってるジェシカアルバのダンス 神々しかった
アニメと実写のあいだ、やや実写寄り 2.7次元くらいの特徴的な陰影の強い虚構性が高い映像
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アンダーグラウンド 完全版(1995年製作の映画)

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ものすごく哀しくて、ありえないほど明るい

5時間半あって、本番は3時間近く経った頃から
でも最初からいっさいたゆみ無くボルテージ「100」の映像が紡がれ続けるからカロリーオーバーで満腹中枢バカになっ
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恋愛睡眠のすすめ(2006年製作の映画)

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観始めてしばらくはイメージカットの洪水に対して ハイハイこれがミシェルゴンドリーさんの世界観ね...と少し冷めたまなざしを向けていたが、一秒間タイムマシンあたりからまんまと術中にハマってのめり込んでた>>続きを読む

素晴らしき休日(2007年製作の映画)

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3分の掌編 カンヌの企画でつくられた36人の監督によるオムニバスの一編

たった3分の中でキッズリターンを惜しげもなく利用してる(ラストシーンだけ流すとか)ってだけでちょっとおもろい
自分の作品が、
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監督・ばんざい!(2007年製作の映画)

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ヴェネツィアで2回も賞獲っただけでありえんすごさなのに、さらに自分の作品の名前を冠した賞ができるって何?と思ってたが、百聞は一見にしかず、
創作に対してメタメタなこの作品に映画人たちが特別な愛情を抱き
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突撃(1957年製作の映画)

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奇抜さやユニークさがあるわけではないけど、伝えたいことを伝えるために必要なショットのみを正確に厳格に積み上げているような、映画をつくる上でたくさん学びを得られそうな作品 ひとつのショットも気を抜いて見>>続きを読む

TAKESHIS’(2005年製作の映画)

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めちゃくちゃ面白い 8 1/2と同じレベルにあると思う

支離滅裂 / 急に踊り出す / 意味もなくおっぱいが出る / 前に出てきたシーンや台詞が急にオーバーラップする etc 意味ありげで難解で意図
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

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ずっと息をつかせないエンタメを成立させながら人間社会の限界とか矛盾みたいなエグ深いテーマを中心に吹き込んでる、パラサイトに至る前から娯楽性と作品性を高次元で両立させる手腕はすでに完成をみていたんだな.>>続きを読む

アバウト・シュミット(2002年製作の映画)

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独りよがりでプライドが高いおじ(い)さんが内に抱える孤独や不安や怒りを丁寧に描いてもらうことで、そういうおじ(い)さんが「気持ち悪くて不快」から「かわいそう」にはなるんだけど、「愛すべき」まではいかな>>続きを読む

花様年華(2000年製作の映画)

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情緒だけで映画を完成させている
果汁20%の清涼飲料水より無加工のストレートジュースの方が高品質とされるように 情緒100%で一本の映画になっていることの凄さ

全く同じ予行演習のギミックぜんぶ引っか
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ブック・オブ・ライフ(1998年製作の映画)

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ハルハートリーがお金はないけど仲間たちと頑張ってつくった自主映画という感じ
音楽も良いし、いつもの役者陣なのでハルのファンは観てもいいかなくらい
相変わらず発音ゼロの二階堂美穂もなんか良い

もともと
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ミルク(2008年製作の映画)

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同性愛も選択的夫婦別姓も誰かの結婚に他人が文句つける権利なんかないことも、議論とかするまでもないように思えるし、おれの周りにはおれと似たような考えの人しかいない、だからどうしてこんなに世界は変わらない>>続きを読む

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

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シュール極めたイロモノなのにソ連では公開当時スターウォーズよりも収入が高かったという触れ込み、最後まで観ると納得できる

お金がかかりそうなシーンは全部省略してても それも良さとして成立させちゃってる
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野獣の青春(1963年製作の映画)

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スティングのような入り組んだ飽きさせない脚本と魅力的なキャラクター達、おまけに「おもしろ伏線回収」までラストに用意されとって、それを鈴木清順がばちばちリズミカルな映像で跳ねるようにつないでく サイコー>>続きを読む

横道世之介(2013年製作の映画)

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邦画観たい欲を200%満たしてくれた
なんでもない人のなんでもないエピソードたちだけで160分、すごいなあ 「巧さ」が目につかないレベルでのスムーズで無駄のない脚本構成がこの魅力を支えてるんだと思う
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さよなら、人類(2014年製作の映画)

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シュールで難解と言われてたので身構えてたけど、かなり観やすかった もちろんぜんぶ理解したわけではない

ひとつひとつのシーンはお笑いとしてシンプルに面白い、カウリスマキが分かりやすく笑い取りに来てるみ
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

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脚本の展開も人物の出し入れもユーモアもシリアスも映像の撮り方もキャスティングも完璧にバチっと仕上がっている、しかも90分台、この上なく優秀な映画という感じがする

のだけど、なぜか少しだけしっくり来な
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ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)

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この映画がこの世にあるという事実だけで、ほんの少し精神の安らぎを保つ、支えになるような作品 ニーチェの馬もそう
仏教の教え、「救い」、形而上の難しくて理解しづらい概念たちを「難しいまま」「複雑で分かり
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ぼくら、20世紀の子供たち(1993年製作の映画)

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みんな言ってるけどキアロスタミを想起せざるを得ないドキュメンタリー

詩的すぎる会話のやりとりはどう考えても脚本渡されてると思えちゃうけど、その真偽を考えてどうするのよ、とも思わせてくれる
3部作をこ
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東京流れ者(1966年製作の映画)

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いろんな国のいろんな凄い映画がある中でなんで海外の監督が日本のヤクザ映画に着目するんだろと思ってたけど、分かってきたかも スケールは小さくてもむちゃくちゃな勢いがある

若い頃の渡哲也がちょいちょい劇
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恋する惑星(1994年製作の映画)

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カリフォルニアドリーミングが流れ出し、トニーレオンが現れた瞬間に目が醒める 恋のイデア 愛ではなく みんなクサくてポエティックでイタいのにそれを良いと思えてしまう この雑多な街の、適当な屋台の適当な食>>続きを読む

タイム・オブ・ザ・ウルフ(2003年製作の映画)

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詳しくないけど メタルギアみたいな雰囲気の映像だと思った

絶望の唐突な到来と意思疎通の不可能性を見せつけてくるのは相変わらずだけど、経済的にもなんら不自由ない現代人が街を歩いてたら突然地面に穴が開い
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Dolls ドールズ(2002年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

棒読み・無表情・シーンの大胆な省略にブレッソンみがあるなと思ってたら、最後むちゃくちゃ少女ムシェットだった 明らかに

「異常性」が際立つ愛を3つ描いているけれど、じゃあ通常の愛って何、とか、彼らだけ
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

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なぜ今まで観てこなかったのか!!!
日本にこんなグルーヴまみれだけで突き進む映画があったとは...無知だった
真理アンヌはほぼアンナ・カリーナ

タランティーノとパクチャヌクに影響を与え 北野武を論
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妹の恋人(1993年製作の映画)

4.5

論理とルールと常識に縛られないゆえに「頭のおかしい人」「精神病」と括られてしまう男女ふたりが通じ合って恋芽生える話 こんなの良くないわけがない!!
パンチドランク・ラブからアクを抜いてよりさわやかにし
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