『不思議の国のアリス』はどこか怖いのに絶対やめられない本だった。シュヴァンクマイエル流アリスは子供の頃抱いたアリスのイメージとかなりリンクする。奔放で奇想天外で不条理で。ちょっとやりすぎてるけど笑
あ>>続きを読む
実在したひとりのユダヤ系ポーランド人ピアニストの視点を通し、ナチスによるユダヤ狩りの惨状が抑揚を抑えたトーンで描かれる。2時間半の尺を全くダレずにみせる力量は流石ですね。
収容所行きの人混みの中、キ>>続きを読む
ごうごうと音を立てて流れる水の映像に始まり終わる。ずっと夢をみていたかのような時間。無垢で美しく時に残酷な少女たちを閉じ込める森の中の寄宿学校。いつでもとても短いセンテンスで、とても小さな囁くような声>>続きを読む
試写会にて。
トルコ系ドイツ人でありその出自を作品に反映させてきたファティ・アキン監督らしい、見応えある素晴らしい作品だった。
人種差別テロでカティヤは夫と子供を失う。3部構成中第2部はほぼ緊迫した>>続きを読む
もちろんルーブルの話でありパリの話なのだけれど、思考はロシアに始まりロシアに終わる。有名な展示品をそろっと見せられるだけでテンションは上がる。流石はルーブル*:.。.*
ナチスドイツによるパリ爆撃に>>続きを読む
90分間ワンカットでロシアの歴史を絡ませながらエルミタージュ館内を幻想と共に巡るという、途方もない作品。夢か現か幻か。からくり仕掛けのおもちゃ箱みたいな楽しさがある。舞踏会のシーンなんて一体総勢何人い>>続きを読む
素晴らしかった。
アレクサンドラがチェチェンの駐屯地にいる孫を訪ね数日間過ごしまた帰る、それだけの話。けれど彼女のイノセンスと優しさが胸に深く届き、さまざまな感情が去来する。
この作品が素晴らしいの>>続きを読む
青すぎる。でもとても好き。
『マイ・プライベート・アイダホ』よりもっとプリミティブで自己完結的。スタイリッシュという言葉はこの繊細な世界を遠ざけてしまうようで躊躇するけれど、やはりバリバリにスタイリッ>>続きを読む
‘‘1889年、〇〇と〇〇はデンマークの森で心中した’’というテロップが最初に流れる。
少女漫画の世界、ベタな心中もの…?バカバカしかったらやめようと観始めたら(ごめんなさい)、程なくしてその圧倒的な>>続きを読む
男と女は所詮分かり合えない。それは恋愛映画に於いて永遠のテーマだろうけれど、ことトリュフォーに関しては確信犯的な匂いがする。「男ってこんなに単純でバカなんだよ、そこのところわかってね」という開き直った>>続きを読む
オプーは結婚する。これほど満ち足りた彼の表情は3作通して初めてで、妻の可愛い我儘をニコニコしながらきいている彼は幸せそのもの。産まれた時から彼を見つめてきた観客としては感無量である^ - ^
大地の>>続きを読む
一家はガンジス河岸・ベナレスの村に流れ着き居を構える。輪廻や自然の力に支配される絶対的な宿命を感じさせた前作。本作ではオプーの成長と親子の確執により焦点が当てられ、彼は自分で運命を切り開こうともがく。>>続きを読む
面白かった最高大好き‼︎‼︎‼︎
最初から最後まで画面に釘付け。期待を裏切られなかったもう〜最高でした
初舞台に向けて稽古を重ねる6人の男女を74分ワンカットで追うザ・青春ものです。全編ワンカットで>>続きを読む
土埃が舞う。熱気が人を蝕む。濁った色のフィルターを通した粗いフィルム映像。しきりに喉が渇き身体中の水分が奪われていく感覚。一貫性のない音楽や字幕なしの会話が絶え間なく聴こえそれはもはやノイズとしか感じ>>続きを読む
昨年のポーランド映画祭でかかっていたんですがそのうち一般公開されるかな〜と思ってたらいきなり配信されてた☉_☉
社会主義政権下のポーランドで『愛の技法』という本の出版に向け奮闘した女医の実話ベース作品>>続きを読む
欲望が渦巻く坩堝、架空の街イェンタウン。人いきれの雑多な匂いが漂ってきそうなざらざらした触感の作品。
際立つキャラクターとそれを演じる俳優のちから、そして圧倒的な音楽のちからを感じる。CHARAの歌>>続きを読む
ジュテーム Je t'aime はフランス映画においておそらく最も頻繁に耳にするフレーズであり一度は使ってみたい仏語であり外国人には殆ど実用性のない仏語である。ジャンヌ・モローの超クローズアップで始ま>>続きを読む
第一次大戦中の赤線地帯・少女売春というテーマを扱っていながら陰鬱な印象がない。それは、売春婦たちが我が身の運のなさを嘆きながらも皆生き生きと陽気であり、売春宿で生れ育った少女バイオレットも己の運命を何>>続きを読む
1日2食もままならず一年に2着の衣服も買えない、そんな貧困のどん底にある一家の暮らしを淡々と描きながら、暗澹な雰囲気は不思議とあまり感じられない。どこか大陸的な大らかさがあるのだ。貧苦も死も引っくるめ>>続きを読む
アンテクは4日前に死んで幽霊となっている。未亡人のウラは喪失感を味わいながらも、自分は本当に夫を愛していただろうか?と疑問が湧き苦悩する。
本作のいちばんのターニングポイントはウラが催眠療法を受けて>>続きを読む
大勢の中でなぜか1人だけ視界に入ってきてしまう事がある。無意識に見てしまうことは人を好きになる始まり。目で追ううちに言葉を交わしたい、接触したいと思うようになる。そしてその欲求は決して最初から即物的な>>続きを読む
大昔に観て記憶が薄れていたけれど、そうだ、これはこんなにも切ない映画だった…この度再視聴したらその美しさと戦争の愚かさに茫然となった。
第二次大戦中のフランスの寄宿舎学校。悪戯やいじめはあっても古い>>続きを読む
『オテサーネク 妄想の子供』で衝撃を受けてふらふらになっている私に追い討ちをかけるように勧めて下さった方に(笑)感謝します。面白かった。すごいパワフル、かなり変態(-_-)
最初の『フード』は全く駄目>>続きを読む
劇場公開時、わけがわからず何とか理解しようとずっと緊張感を持って観てたのですごく疲れた。この度再視聴。やっぱり謎の部分が多くて掴み所がない(^_^;)奇作・怪作と言っていいでしょう〜
群像劇ではあるけ>>続きを読む
愚かで浅はかなマリー。ナチ占領下の汚れた空気に染まるように堕落していく。堕落し金を得るほどに綺麗になり輝いていく。違法の堕胎処置を淡々とこなす冷淡な顔と、贅沢や快楽を貪るように享受する人間くささを、繊>>続きを読む
色仕掛けで獲物を落とし金を巻き上げる詐欺師にイザベル・ユペール。文句なしにはまってます。生き生きして楽しんで演じてる感じ。あのいぢわるそうな表情がよい。
見どころのひとつは彼女のファッション。カジノ>>続きを読む
原題 『ショコラをありがとう』
ミステリとしては腑に落ちない部分があるもののリストのピアノ曲『葬送』が不穏な空気を盛り立てて雰囲気はバッチリ。そして心の奥底のドロドロした感情を笑顔の仮面で蓋をして(>>続きを読む
1950年代のNY、グリニッジ・ビレッジで役者を目指していたポール・マザースキー監督の自伝的作品。文句なしに大好き!仲間とふざけて踊りながら道路を横断したり、アパートで馬鹿騒ぎしたり、雨の中恋人の肩を>>続きを読む
瀟洒な邸宅の外観からカメラが寄っていき階段を上りいくつかの部屋の様子を捉え最後に死体?の一部をクローズアップ。このオープニングから掴みは抜群でワクワクする。
ブルジョワ一族の愛憎劇。チャーミングなナ>>続きを読む
藤山直美と岸部一徳が夫婦役、これは面白そうとずっと気になっていた作品。藤山直美さんて、いかにも大阪のおばちゃん然してるけど天然な可愛らしさがある。他にも役者揃いで特に斎藤工がいい味出してました。セクシ>>続きを読む
双子って他人と相容れないものがあるのだろうと常々感じる。テオ(ルイ・ガレル)とイザベル(エヴァ・グリーン)もとくべつ親密だ。居心地のよい巣の中に籠りふたりだけの世界で子どものように延々と遊んでいる。そ>>続きを読む
果てしない絶望の底からわずかに手繰り寄せる希望、少年時代への郷愁、字幕の抜け落ちたささやき声と心臓の鼓動音の緊迫感。それらが綯い交ぜになり近未来のつめたく空虚な世界を打ち立てる。ギリギリまで削ぎ落とさ>>続きを読む
レズビアンカップル+2人の試験管ベイビーという4人家族。それまでまずまず上手くやってきた家族に、精子提供者が介入するとどうなるか…
食卓を5人で囲むシーンが作中2回あるんだけど、日本ではなかなかお目に>>続きを読む
直球でストライク。一見ベタな青春ものだけれどこの輝きは本物だ。年齢とともに積もってしまった埃をきれいに払ってもらったような気分。
光に煌めく水しぶき。水たまりに映る制服姿のふたり。青い空、夕暮れの空>>続きを読む
インドの子持ちマダムがこっそり英会話を特訓して自信をつけていく、その姿は頼もしくて爽快。「今に見てろ、見返してやるぅ〜」って感じですね^_^人妻でありながら想いを寄せられるちょっとしたときめきも素敵。>>続きを読む
面白い!3作目にしてようやくシャブロルと仲良くなれた。
住込み家政婦として雇われたソフィー(サンドリーヌ・ボネール)は無口ではあるが家事は完璧、しかし次第にその不審な行動が露呈されていき…という、じ>>続きを読む