ノラネコの呑んで観るシネマさんの映画レビュー・感想・評価 - 65ページ目

ノラネコの呑んで観るシネマ

ノラネコの呑んで観るシネマ

帝一の國(2017年製作の映画)

4.4

こりゃあ面白い。
政界直結の超エリート高の生徒会長選挙を巡るコメディなんだけど、日本型政治のカリカチュアとして凄く分かりやすい。
どういう人物が好まれて、どういう行動が票を決定付けるのか。
ぶっちゃけ
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フリー・ファイヤー(2016年製作の映画)

3.6

銃の取り引きに集まったギャングたちが、ひょんな事から銃撃戦に。
「レザボア」パターンの、タランティーノフォロワーの一つ。
だが一応は裏切りの陰謀が設定されているが、タランティーノほど作劇重視ではなく、
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無限の住人(2017年製作の映画)

3.0

第二の「十三人の刺客」を期待してたんだが・・・。
とある事件で不死の体になってしまったキムタクが、両親を殺された少女の用心棒になるという「レオン」的基本設定は悪くないが、話が雑過ぎる。
敵が剣術流派の
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ワイルド・スピード ICE BREAK(2017年製作の映画)

4.5

監督がまた変わった最終三部作の一本目。
もうすっかりシリーズのカラーは出来上がってるので、手堅い作りで十分楽しい。
今回はドムがファミリーを裏切るんだけど、訳ありなのは分かってるから、テーマ的には今ま
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イップ・マン 継承(2015年製作の映画)

4.6

ハリウッド映画も良いけど、ドニー・イェンが一番輝くのはやっぱりこのシリーズ。
第三作はキャラも話も色んな意味で丸くなったのだが、そこがいい。
シリーズ最高傑作だと思う。
その強さは誰のためにあるのか、
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PARKS パークス(2016年製作の映画)

2.9

井之頭公園100周年記念映画だそうだ。
50年前に撮られた写真と、オープンリールテープに残された未完の歌から、橋本愛、染谷将太、永野芽郁の3人の若者たちが60年代の恋人たちの歌を完成させようとする。
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スウィート17モンスター(2016年製作の映画)

4.3

これは愛すべき映画。
自分大嫌い、リア充大嫌い、超ネガティブ思考の女子高生の、相当にイタい青春の日々。
しかも彼女の唯一の親友が、イケメンでポジティブゆえに大嫌いな兄と付き合い始めてしまい、疎外感から
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3月のライオン 後編(2017年製作の映画)

4.5

しみじみ良い映画だった。
前編で盛り上げた"将棋と家族"の葛藤に、神木くんだけでなく、登場人物の一人ひとりが答えを見出してゆく話。
美味しいキャラだった二階堂があんまり生きてなかったり、ややダイジェス
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バーニング・オーシャン(2016年製作の映画)

4.1

ピーター・バーグとマーク・ウォールバーグのコンビによる、実録レクイエムシリーズ(?)第二弾。
今回の題材は2010年に起こり、メキシコ湾の汚染を引き起こした石油掘削施設の爆発事故。
映画の作りとしては
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美女と野獣(2017年製作の映画)

5.0

パーフェクトだ!
ディズニー手描きアニメの最高峰を、単に実写化しただけではない。
オリジナルのドラマを補完し、その先を見せてくれるのだ。
なぜベルはあの村に住んでいるのか。
なぜ野獣は冷酷な青年に育っ
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ReLIFE(2017年製作の映画)

3.3

人生行き詰まった27歳社会人が、ある種のSF的社会実験として、もう一度17歳の高校三年生をやり直す。
「ラ・ラ・ランド」の"ifの人生"への切望と、「君の名は。」の記憶を巡る思慕の念を合体させた様なお
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クレヨンしんちゃん 襲来!!宇宙人シリリ(2017年製作の映画)

4.2

面白かった。
10年代のシリーズベストだ。
ハリウッド映画にありがちな、地球に落ちて来た宇宙人と子供たちの冒険譚を「クレしん」世界でやった作品。
例によってしんちゃんは狂言回しで、物語的な主人公は落ち
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パージ:大統領令(2016年製作の映画)

3.9

一年に一度凡ゆる犯罪が解禁されるパージの夜を描く第三弾は、前作の主人公レオが続投。
反パージ派の女性大統領候補が当選しそうになり、政権側がパージに紛れて彼女を暗殺しようとする。
護衛官となったレオが、
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名探偵コナン から紅の恋歌(2017年製作の映画)

4.2

面白い!
前作の「純黒の悪夢」は、敵も味方もプロフェッショナルで、シリーズ屈指の快作にしてアクション巨編だったが、今回はいつもの謎解きに回帰。
京都と大阪を舞台に百人一首にまつわる事件が展開するのだけ
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グレートウォール(2016年製作の映画)

3.6

まさかの怪獣映画w
レジェンダリーは怪獣専業になるのだろうか(^^;?
万里の長城は北方の蛮族に備えた物じゃなく、60年に一度現れる怪獣軍団"饕餮"対策用。
敵は真社会性を持つかなりの知恵もので、
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T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

4.6

前作は「人生を選べ」と言いつつも、ドラッグの幻想に絡め取られ、疾走しながら何処へも行けない4人の若者達の話だった。
20年後、おっさんになった彼らは、未だに足踏みしたまま。
金を奪って、唯一旅立ったは
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ひるなかの流星(2016年製作の映画)

3.7

おじさん目線では、少女漫画系ラブストーリーの中でギリギリ許容できるリアリティ。
転校生の田舎美少女を巡って、イケメン教師と同級生が三角関係に。
とりあえず永野芽郁は可愛くて、男二人が惚れちゃうのは分か
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ハードコア(2015年製作の映画)

3.8

全編主観映像で展開するアクション映画。
視点の固定によって、観客自身が主人公に同化するアイディアは面白い。
記憶を失ったサイボーグが、エスパーの悪漢と戦うのだけど、最後まで観ても結局どんな話なのかよく
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バーフバリ 伝説誕生(2015年製作の映画)

4.4

まさかの続きものだった。
めっちゃ面白いけど、絶妙に良いところで終わってたよ(; ̄ェ ̄)
ヘラクレスみたいな、怪力無双の古代インドの英雄譚。
タイトルロールのバーフバリは二人いて、一人はお家騒動で赤ん
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

4.5

5歳から25年間迷子になったインド人青年が、グーグルアースで家を見つけ出したという話は報道されたのを覚えている。
とは言ってもパソコンで地図をひたすら見つめても、あまりドラマチックな画にはならないので
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夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.5

久々の湯浅政明、独創の快作。
京大周辺を舞台に、"黒髪の乙女"と彼女に片思いする"先輩"の一晩の恋の顛末が描かれる。
非常に文学的な作品で、魅力を文書で表すのが難しい。
現象だけ言えば、酒飲んで、古本
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

3.7

こう来たか。
とりあえず、犬とかも含めて強烈な押井守リスペクトは伝わってくる。
しかし、個々のシークエンスはアニメ版の要素をほぼ網羅しているのだけど、全体を通すと全くの別物になってしまっているんだな。
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レゴバットマン ザ・ムービー(2017年製作の映画)

4.7

素晴らしい。
「LEGOムービー」の続編にして、レゴの世界観の中だけで成立する見事な「バットマン」映画。
このシリーズが素敵なのは、レゴ遊びで自分の作った物やキャラクターから物語を空想する延長線上にあ
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暗黒女子(2017年製作の映画)

3.6

文学サークルを主催していた学園の女王が死に、残された5人の部員たちが、彼女の死をモチーフにした"小説"を書いて朗読会をする。
それぞれの小説に描かれる異なる真相が、オムニバス風に語られる。
要するに「
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はじまりへの旅(2016年製作の映画)

4.5

なかなかイイ。
過剰な物質主義を否定し、隔絶された森で自給自足の生活をおくるキャッシュ一家。
父と6人の子供たちは頭脳明晰、自然の中で鍛えた肉体はアスリート並み。
ところが都会の病院で療養中だった母が
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はらはらなのか。(2017年製作の映画)

3.3

子役の少女が、女優だった亡き母と同じ舞台を目指す。
主演の原菜乃華や主要キャストがもう一人の自分を演じるメタ構造。
突然ミュージカルになったり、冒頭から強烈な下北感と言うか、小劇団感。
ライトなアング
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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命(2016年製作の映画)

4.0

JFK暗殺から葬儀までの、ジャクリーン夫人の心の変化を、インタビューに答える枠組みで追った心理ドラマ。
世界一の権力者の夫人から、突如として未亡人に。
時は冷戦下、一般人と違って心を落ち着ける余裕もな
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.8

アカデミー作品賞を土壇場で掻っ攫っただけはある、見応えのたっぷりの骨太のヒューマンドラマ。
マイアミに住む気弱な1人の少年が、たった一つの愛を探して大人になるまでを描く。
いわば「6才のボク〜」ミーツ
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.6

故ヤスミン・アフマド監督の8年前の作品。
やっと観ることが出来た。
学園のタレントコンテスト"タレンタイム"の開催が迫る中、出場する生徒たち、その中の1人の送迎を任された聴覚障がい者の生徒、そして彼ら
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娘よ(2014年製作の映画)

4.2

敵対する一族のロリコンジジイに、まだ幼い娘が嫁がされることを知って、母が逃亡を決断。
もし捕まれば、所謂名誉殺人によって確実に殺される。
これはまさに、パキスタン版「怒りのデス・ロード」だ。
マックス
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サラエヴォの銃声(2016年製作の映画)

4.2

第一次大戦の引き金となったオーストリア皇太子夫妻暗殺から100周年の日、事件が起こったサラエヴォにあるホテル・ヨーロッパを舞台とした群像劇。
演説の練習をするVIP、ホテルの資金繰りに悩む支配人、スト
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人生タクシー(2015年製作の映画)

4.5

パナヒ流モキュメンタリー。
作者本人がタクシードライバーに扮し、乗り込んでくる様々な客たちを通して現代イラン社会を風刺する。
冒頭の自称路上強盗と教師の死刑論争から、非常に綿密に構成されている。
リア
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サクラダリセット 前篇(2017年製作の映画)

3.4

日本のどこかに超能力者特区的な市があって、そこで暮らす超能力高校生たちの話。
始まって暫くは世界観とキャラの持つ能力が分かりにくくて作品世界に入り難いが、だんだん理解出来てくるとまあまあ面白くなってく
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

4.8

コングvsカーツ大佐。
いや〜面白かった、これぞ怪獣映画!
全編見せ場の連続で、怪獣も沢山出てきてお腹一杯、飽きる暇がない。
特に長尺という訳でもないのに、結構な数の登場人物をさばき切り、人間ドラマも
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パッセンジャー(2016年製作の映画)

3.7

120年かかる宇宙旅行の最中に、1人だけ90年も早く目覚めちゃった!というアイディアは面白い。
無限の牢獄で、絶望的な孤独は胸に迫る。
ただ、物語のバランスが良くない。
ジェニファー・ローレンスが目覚
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わたしは、ダニエル・ブレイク(2016年製作の映画)

4.7

ケン・ローチらしい直球の社会派ドラマ。
病気で仕事が出来なくなったタイトルロールと、幼い2人の子供を抱えたシングルマザーが、社会保障のシステムから理不尽に疎外される。
「本当に必要な人には福祉の手は届
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