背骨さんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

背骨

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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます


観ている間中ずっと心を激しく揺さぶられ、観終わった後もずっとザワザワとヒリヒリが止まらない、間違いなく今年最高レベルの超絶傑作。

現実と白昼夢が交錯するように描かれる「日常」と「非日常(理想)」間
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ダークナイト(2008年製作の映画)

4.8


混乱の使者ジョーカーに“圧倒的恐怖の前でも「モラル」を保てるか”を試される市民たち…

人を人たらしめる理性とは人間の本質か?単なる飾りか?

バットマンとジョーカーは表裏一体
この世に存在する善と
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マッドマックス 怒りのデス・ロード(2015年製作の映画)

4.9


そこら辺の亜流など足元にも及ばない崇高さ。ここにはジョージ・ミラーの人生哲学全てが盛り込まれている。

この荒れ果てた世界にはどこまで行ってもユートピアなど存在しない。

自分の尊厳・権利・居場所・
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運命じゃない人(2004年製作の映画)

4.1


最高に面白い伏線回収劇!サスペンスハートフルコメディとでも言うべきか?

彼女に出ていかれた男
男の友人の探偵
婚約者に追い出された女
ヤクザの金を持ち逃げした女
それを追うヤクザ

彼らが繰り広げ
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ソーシャル・ネットワーク(2010年製作の映画)

4.3


Facebook創設者マーク・ザッカーバーグ。その成功の裏にある人間ドラマ。

「オタクだからモテないと思ってるでしょ、言っておくけどそれは大間違い。性格がサイテーだからよ」

劇中のマーク・ザッカ
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ウインド・リバー(2017年製作の映画)

4.3


アメリカ先住民が追いやられた地「ウインド・リバー」で起こる事件。
その奥に透けて見えるアメリカの闇。

ひとりの少女の遺体発見を発端とした事件は、“閉塞した土地の狂気”が巻き起こした事件であると同時
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少女邂逅(2017年製作の映画)

4.7

もう死にたいと思っていた時に現れた
「君には生きる価値がある」って言ってくれた親友。でも自分は彼女の事、何も知らなかった…。

この夏、最もエモい青春映画。

全ての人に刺さる映画とは思えない。
ただ
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バトル・オブ・ザ・セクシーズ(2017年製作の映画)

4.5

男と女の優位性を争う代理戦争に祭り上げられた世紀の茶番は、ふたりにとっては自らの尊厳とアイデンティティーを取り戻すための闘いでもあった。

その一戦には多くの人の思惑が絡み、ビリー・ジーン・キングとボ
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カメラを止めるな!(2017年製作の映画)

4.6

最高!面白かった!
今年一番楽しい映画だった!

生放送ワンカットゾンビ映画の表と裏。

映るもの全てから目を離してはいけない。
ワンカットで描いたあの映画の違和感…
え?あの正体はコレか笑?!

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アジョシ(2010年製作の映画)

4.3

「オッサンが少女を救う」「ナメてた相手が実は殺人マシーン」の系譜にある割とテンプレなストーリーを「コレが見たかった!」と叫びたくなるような気の利いたシナリオと演出で仕上げる事で最高レベルにカッコいいア>>続きを読む

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)

4.2

嫌な事があったら苦笑いしながら逃げて…人と深く関わると煩わしい事が多いから、百万円貯まるとその土地を離れ、さまざまな土地を転々とする鈴子。

これはそんな鈴子が傷つきながら人と関わる勇気を手に入れる青
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百円の恋(2014年製作の映画)

4.2

実家の弁当屋の二階に居座るパラサイトニートの一子。

親や姉と上手くいかなくなって家を出てからも、ボクサー廃業した男に捨てられて、バイト先の店長に蔑まれて、ジムの会長にバカにされて…ロクな事が起きない
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万引き家族(2018年製作の映画)

4.6

是枝裕和監督が今まで描いてきた、人と人との繋がり、家族という集合体、そしてそれを補完すべき社会システムというものの集大成であり、近年世界中で問題視され、描かれてきた映画の中でもひとつの到達点と言っても>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

4.1

レディバードの恋と友情と過酷な受験戦争を戦う超ハイテンポで濃密な高校三年生としての1年間。

彼女は両親がつけてくれた名前が気に入らなくて、自分で勝手に「レディバード」って名乗っちゃう、ちょっと痛い子
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リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

4.2

あのダラダラと流れる時間のなんと愛おしいことか。

この時間はいつまでも続かない…でも別に深い意味なんて考えない。好きな事やる。無駄遣いする。損得考えない。…だからこそ貴重で尊い。

何かに熱く打ち込
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害虫(2002年製作の映画)

4.2

自分の元を去っていった小学生時代の教師への想いを胸に、夢も希望もない日常を生きるサチ子。

誰にも心を許さずに、ゆきずりの関係でしか他者と関わらない姿は、心に開いた穴をその場しのぎで埋めているよう。
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恋は雨上がりのように(2018年製作の映画)

4.2

愛しのファミレス店長に会うためにトラック〜公道を疾走し、ヒーローポーズを決める5億点のオープニングから、雨が上がりパッと視界が晴れるような素敵なラストまで、小松菜奈の圧倒的天使感に守護られているような>>続きを読む

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)

4.1

シナリオ・演出・撮影・編集と各パート緻密で隙のない作り込みで、それらがこれ以上ないくらいバランスよく組み上がった映画としての完成度には賞賛しか浮かばない。

さらに誘拐事件を中心にしつつも、それだけで
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.3

冒頭からずっと、なるべくして貧困に陥ったようにしか見えないヘイリーの無茶苦茶な言動と、ただギャンギャンうるさいムーニーに全く共感出来ずにウンザリしていた。

そんな彼女たちの生活がやっと落ち着くかと思
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.0

序盤から始まる「なんか変だ」が徐々にストーリー全体に蔓延し、いつの間にか出来上がる不条理な世界観。

とても信じる事も受け入れる事も出来ないものに少しずつ侵され洗脳されていく一家。

1番まともだと思
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.1

アウトレイジ終焉とともに北野映画とは対極をなす血湧き肉躍るアウトロー映画が誕生!

白石和彌監督得意とするセメントっぽさを感じさせる極上のブックは見事だった!
(つまりキレてるフリして実は用意周到に準
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15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

4.2

準備を積み重ねてきた勇者が運命に導かれるようにして移動した1等車両。

そしてあの一瞬、彼を突き動かしたものの中に彼の人生の全てがあった。

一瞬毎にしている判断の中にその人の思想や積み重ねてきた経験
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

ただひたすら真っ直ぐで純粋な愛の物語。

それはまるで大人の顔色をうかがう事のない子供が描いた絵のように何のてらいも無い。ギレルモ・デル・トロ、恐るべき永遠の少年。

映画愛、クリーチャーへの愛、マイ
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ムーンライト(2016年製作の映画)

4.0

マイアミの貧困地区で暮らすシャロン。

麻薬中毒でネグレクトの母親から相手にされず、周りの子供たちからもいじめられる日々…。
そして自分はゲイなのではないか?と悩んでもいる。

彼がいっときの安らぎを
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怒り(2016年製作の映画)

3.5

映画『悪人』と同じ原作者+監督だからかストーリーテリングに類似点を多く感じる。

八王子で起きた夫婦殺人事件。

3人の容疑者らしき人間の生活をそれぞれ追っていく、という導入からのストーリー展開は王道
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.5

その弱く儚い心を支えていくために、何かを信じぬには生きられない人間という不完全な生き物。

そのために創造された神・宗教・信仰。

それに救われ、時に都合よく解釈し、利用し、そして時には権力と密接に関
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雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

2.0

え?なに?…困った…全然わかんない。

彼はなにをやってるの?

いったいどうしたの?

カレンの行動もなにがなんだかさっぱりわからない。彼女はなにを考えてるんだろう。なにがしたいんだろう?

あの男
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予兆 散歩する侵略者 劇場版(2017年製作の映画)

4.2

『散歩する侵略者』本編以上にやりたい放題の黒沢清ワールド全開SFホラームービー。やりたい放題なのに独自の色に染め上げてちゃんと映画として成立させちゃうってところが、黒沢清の黒沢清たる所以。

言われて
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

4.2

1989年12月 モントリオール理工科大学構内で実際に起きた14人の女子学生が射殺されるという銃乱射事件。

その事件をモチーフにドゥニ・ヴィルヌーブ監督が銃撃事件の顛末と事件に関わった犯人、そして事
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南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.5

魚喃キリコの最高傑作にして、恋愛漫画の金字塔とまで呼ばれている『南瓜とマヨネーズ』

この原作のファンでもある自分は、映画化にあたり正直期待と不安があって、観に行く時もかなりハードル上げていったけど、
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メッセージ(2016年製作の映画)

4.0

サスペンス・ミステリーの要素をうまく取り入れたSF映画の体裁を取りつつ、実は「人が生きていく上での価値観を問う」映画だった。

ドゥニ・ヴィルヌーブ監督はこのSF映画を、限りなく詩的でエモーショナルに
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.2

一生消える事のない傷を負ったひとりの男の人生。

奇跡のような救いが起こるわけでもなく、われわれの世界と同じように彼は淡々と過ぎていく日常の中で、その記憶を抱いたまま生きていかなければならない。

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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.9

この映画の予告で共感度ゼロ、不快度100%をうたっているけど、ちょっとそれは言い過ぎな感じ。たしかに感じが良くない登場人物を揃えているけど、あの程度の人物像なら他の映画でもありえるレベルだし、なにより>>続きを読む

THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY リミット・オブ・スリーピング ビューティ(2017年製作の映画)

4.5

あらゆる面で監督の個性というものが前面に押し出されてくるので、賛否両論飛び交いやすい典型的なタイプの映画だと思うけど、自分にとっては“テーマ、世界観、編集、音楽”など極私的趣向のツボを刺激してくるよう>>続きを読む

先生! 、、、好きになってもいいですか?(2017年製作の映画)

4.0

広瀬すずに「好きになってもいい?」と聞かれたら、彼女が言い終わる前に「好きです!」とこちらから言ってしまって話が一気に次の段階に進んでしまうに違いないけど、キチンとした漫画の原作がある映画化なので、島>>続きを読む

ビジランテ(2017年製作の映画)

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公開前なのでスコアは無しで。観終わった直後の率直な感想は「こ、これ…本気で劇場公開する気ですか⁈」監督自身言われてる通りかなり攻めている内容、作りで公開後は間違いなく賛否両論あるでしょう。
地方都市で
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