シュローダーさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.8

Filmarks試写にて。とにかくクソ面白い映画でした。最近はハリウッドに牙を抜かれ、ヌルさが目立つ映画を撮っていたガイリッチーが遂に「ロック、ストック&トゥースモーキングバレルズ」「スナッチ」の頃の>>続きを読む

アラジン(2019年製作の映画)

2.0

アニメ版に特別な思い入れもない僕の様な人間としては、観るのがとても苦痛だった。CGIで再現されたアニメ版のシチュエーションが長々と反復されるだけで新鮮味は薄く、申し訳程度の「今風」にチューンされたフェ>>続きを読む

キング・アーサー(2016年製作の映画)

3.8

まぁ、つまらなくはないが、これならザックスナイダーが撮った方が良かったんじゃないかと思わされてしまう程度の出来ではあった。スラム街でカンフーの達人に鍛え上げられたアーサー王がスラムのチンピラから王にな>>続きを読む

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

4.8

堪らなく好き。テン年代のスパイアクション映画としては、派手さやバカバカしさに振り切らず、あくまでも地に足ついた語り口。ガイリッチーはそこにあぐらをかかず、濃密な関係性萌えをこれでもかと見せるバディムー>>続きを読む

シャーロック・ホームズ シャドウ ゲーム(2011年製作の映画)

4.8

ガイリッチー映画の中でも、扱いが地味だなと思っているが、個人的には彼のフィルモグラフィーの中でも屈指の傑作であると思っている。前作から引き続きバディムービーとしての面白さは勿論、アクションシーンのクオ>>続きを読む

シャーロック・ホームズ(2009年製作の映画)

4.3

言わずと知れた世界的推理小説をガイリッチーで監督して大丈夫なのか?と、観る前は割とナメた態度で居たが、襟を正さなければなりませんでした。大変面白い娯楽映画のお手本の様な作品でした。1890年代の産業革>>続きを読む

ロックンローラ(2008年製作の映画)

4.5

ガイリッチー映画の中でも、ユルさの度合いは最高レベル。ジェラルドバトラー イドリスエルバ トムハーディ マークストロングら男たちの豪華共演によるアンサンブルを存分に楽しむための映画である。特に素晴らし>>続きを読む

リボルバー(2005年製作の映画)

2.0

ガイリッチーは精神科医のカウンセリングを受けた方が良いんじゃ…と思わざるを得ない程、ほとんどビョーキな映画である。とにかく話が訳が分からない上に面白くない。示唆的でパラノイアックな描写をするのは良いが>>続きを読む

スウェプト・アウェイ(2002年製作の映画)

1.0

人生ワーストレベルに面白くない映画。ただひたすらに今のご時世では完全アウトなポリコレ違反の描写のオンパレードな男女の物語を延々と見せられても、ひたすらに不愉快。何故ガイリッチーは当時の嫁であるマドンナ>>続きを読む

スナッチ(2000年製作の映画)

4.8

前作で磨き上げたスタイルを更に拡大させ、万人が認める傑作を作り上げたガイリッチーは流石としか言いようがない。まず冒頭のカマしからして最高。ダイヤ強盗に入るベニチオデルトロの姿を監視カメラを挟んだワンカ>>続きを読む

ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ(1998年製作の映画)

4.8

ガイリッチーの才気はデビュー作から常に全開。彼の映画の十八番のスタイルは、スタイリッシュでお洒落な映像とイカしたサントラのコンボをキメながら、さながら「風が吹けば桶屋がブッ殺される」様な血生臭い物語が>>続きを読む

くれなずめ(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

Fan's voice試写にて鑑賞。間違いなく松居大悟でなければ作れない異様な映画である。松居大悟の映画の特徴としては、コメディ的な部分とシリアスなドラマの境目が全くないシームレスなストーリーテリング>>続きを読む

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

過去既に何十本も作られてきたタイムループ物というジャンルにまた新しい傑作が生まれた。この映画は一見ノリで撮っているかの様に見えるが、実際はとても丁寧に作られている。まず、「恋はデジャ・ヴ」などでも描か>>続きを読む

ウォーリアー(2011年製作の映画)

5.0

オールタイムベストを揺るがすレベルで大好きな映画に久々に出会ってしまった。この映画を構成する「作用と反作用」の集積に惚れ込んでしまった。ストーリー自体は非常にシンプル。かつてアル中の父親の元でレスリン>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.5

既に各国の映画祭で最高賞を取りまくっている映画であり、尚且つ「ザ・ライダー」のクロエジャオ監督の新作なので全く不安なく劇場に行った。心が浄化される有難い劇場体験だった。前作「ザ・ライダー」の発展進化系>>続きを読む

ザ・ライダー(2017年製作の映画)

4.5

非常に好み。とにかく地味な映画だが、語らない事が何よりも雄弁となる「映画」本来の原初的魅力を余す事なく体感出来る傑作だった。まず映画を観ながら思うのは、撮影の美しさが凄いという事。マジックアワーによっ>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

4.5

ババアとガキのダブルパンチで殴って泣かせてくるという非常に卑怯な映画なのであるが、それにまんまと泣かされてしまったのだから僕の負けですね。この映画、出てくる登場人物は殆ど韓国系アメリカ人。"なのに"と>>続きを読む

センコロール コネクト(2019年製作の映画)

4.5

ずっと観たかったアニメだったが、この度立川シネマシティにてリバイバル。意気揚々と観に行った訳であるが、その期待を裏切らぬ面白さ。とても大好きです。内容を大雑把に要約するならば、正しくゼロ年代の匂いを芳>>続きを読む

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.5

あまり前情報を入れずに観たのだが、ここまで上質なスクリューボールラブコメディが観られるとは思いもしなかった。とにかく主演2人が素晴らしい。「普通」になろうと努力する成田凌の純粋無垢なコミュ障ぶりと、そ>>続きを読む

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.5

Fan's voice試写にて。人生というリングに立つ全ての「万年青コーナー」の人間たちに捧げる、苦くも美しい人生讃歌を味わった。吉田恵輔は常に観客である我々を生半可な気持ちにはさせないハードコアな映>>続きを読む

ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

5.0

2016年からの日本映画バブル期を代表する背筋の凍る大傑作にして、漫画実写化映画史に残るハードコアな映画である。僕は本当に大好きな映画ですね。序盤はほんわかとしたラブコメ展開を見せる。ムロツヨシ演じる>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.8

東京という都市の中で描かれる「異世界」の姿。そこの中心に生きる人、その外側に生きる人。どちらも抱える悩みは同じ。「実は最初から予定調和で詰んでいる人生」への絶望。その上に降りかかる社会的慣習、社会的性>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

本当の本当にエヴァが終わった。この事実だけで一つの歴史の転換点に立ち会えた興奮と、全てが過ぎ去ってしまった寂しさの間で引き裂かれそうになってしまう。本当ならば言葉にするのも躊躇われるような作品であるの>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.8

公開初日に1回。IMAX調整バージョンであるver3.333で1回観た。公開当時はまだ小学生だったので訳がわからなかったが、映画を観慣れた現在改めて観ると、めちゃめちゃ面白かった。画面に映るすべての要>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.3

タイトル通り、旧来のエヴァの「破壊」が描かれる今作。僕の1番の推しキャラたるマリがあざとく登場してクソ可愛いのは言わずもがな、TV版とはまた違うフェチズムとカタルシスに溢れる戦闘シーンの快感は勿論凄い>>続きを読む

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序(2007年製作の映画)

4.0

ここまではテレビ版を超綺麗な作画でリメイクしたという以外に特筆する部分はそこまでない。だからまあ…普通。ヤシマ作戦は確かにアガるけど、リアタイで観てないから思い入れもそこまでないし…

式日-SHIKI-JITSU-(2000年製作の映画)

4.5

前作「ラブ&ポップ」にはまだ辛うじて存在した「物語性」すら希薄になり、アート映画的な方向へと舵を切ったこの映画。そして同時に庵野秀明の脳内を噛み締める映画体験を味わうことが出来る。岩井俊二演じる明らか>>続きを読む

ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

5.0

シンエヴァの予習のために観たら予想以上にぶっ飛ばされた。まず驚いたのは、庵野秀明という作家のアクが全くそのままに画面に現れている所だ。内省的で掴み所のないモノローグは勿論、カレカノのエンドロールの映像>>続きを読む

カポネ(2020年製作の映画)

5.0

上半期ベストには必ず食い込むレベルで大好きなタイプの映画に出会った。僕という人間は「狂人の一人称で描かれるパラノイアックな内面世界」を描いた映画が本当に大好きな人間である。なので、梅毒の後遺症によって>>続きを読む

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

4.5

クソ楽しくてクソ面白いクソ最高な映画だった。頭の中の小学5年生がウキウキしそうなプロットを、本気で映像化してみせる製作陣の本気ぶりがビシビシと伝わってきて大変好ましい。人の命が虫ケラよりも軽い人死にの>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.8

最近色々と現実で人間関係が壊れたりした事が続いていたので、この映画はとても染みた。それは何故かと言えば、やはり主人公である三上という男の姿に、劇中の仲野太賀同様、興味を惹かれる他なかったからだ。母親に>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.5

4Kリマスター版のブルーレイを随分前に買っていたのに観てなかったので今更再見。めちゃめちゃ綺麗になってた事以外は、観直しても印象はそこまで変わらなかった。黒沢清の映画の中では、個人的には抜群に好きとい>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

Fan's voice試写にて鑑賞。いやはやビックリした。思ってた映画と全然違う映画だったからだ。僕はこの映画を「ファイトクラブ」や「アダルト♂スクール」の様な、「ホモソーシャルな関係性の共同体の終わ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

僕が日本映画に求めるものが全て詰まった傑作である。とにかくこの映画は坂本裕二による脚本が芸術的である。2人の男女が出会ってから付き合って別れるまでの5年間という、リチャードリンクレイターが撮りそうなあ>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

個人的には暫定今年ワーストの作品。そもそも僕は藤井道人の作る映画が全く合わない。「デイアンドナイト」はそもそも根底となるテーマが薄っぺらい上にオチが不愉快。「新聞記者」はグラグラ揺れる撮影に酔って視聴>>続きを読む

パンとバスと2度目のハツコイ(2017年製作の映画)

4.8

この映画が僕の琴線に触れた理由は「矛盾に挑む人の話」だからだ。この映画に於ける矛盾とは「孤独が好きな人が片想いに身を焦がす」ということ。「ずっと好きでいる自信も、好きでいてもらえる自信もない」と語る深>>続きを読む