ベッドルーム発グラミー賞行き、10年代最大のイリュージョン、ビリー・アイリッシュを堪能する140分。
まず、このドキュメンタリーにはスタジオが一切出て来ない。彼女と兄のフィニアスは二人が生まれ育った>>続きを読む
これまで観てきた将棋映画はどれも魅力的だったからこそ、本作は残念だった。
実在する棋士瀬川晶司の伝記映画、それ以上でも以下でもない内容といった印象。
何と言っても将棋映画の見せ場である対局のシーンが弱>>続きを読む
毎度満足度の高い深田監督の2019年作。
映画館で観ることが出来ず、家で観てしまったのがよくなかった。
観終わって気づいたことだが、深田監督映画の不気味さを際立たせている重要な要素の一つが、突然不意打>>続きを読む
例えばデヴィッド・リンチやタル・ベーラ監督の映画を初めて観た時の感覚を思い出した。緩急はなく、映画の始まりから終わりまで一切緩むことのない緊張感。映画を観終わってもこの映画について迷いなく確かに言える>>続きを読む
舞台は新興住宅地。子供達を中心に描かれる小さな(子供達にとっては大きな)日常の1コマ。
映画終盤になって初めてタイトルの意味が強く胸に迫ってくる。これこそ小津作品の醍醐味の一つ!
カラーになっても、>>続きを読む
ハイライトはもちろん瑞々しく可憐な山口百恵による「飛び越えて来い!」
原作を読んで抱いていたイメージが損なわれることもなければ、逆に補われるようなものもないほどに、原作の描写が忠実に再現された舞台や>>続きを読む
猫アレルギーで猫に近づくことのできない自分には、目から鱗。猫ってこんなに表情豊かで、賢くて、たくましくて、面白いんだなぁ。
でも猫だけでなく、毎日猫のためにエサを手作りしたり、ミルクを1匹1匹丁寧に飲>>続きを読む
登場人物がみんな魅力的なのだけど、お母さんが微笑みながら言う「本当は毎日怒ってるわよ」がいつまでも心に残っている。
1935〜2012 ウディ・アレンのすべて。
ウディアレンの映画は好きだけどその数の膨大さ故に時系列を全くわかっていない自分にとって、コメディアンとしてのスタートから、ブレイクスルーとなったアニーホー>>続きを読む
メイキングでたけし本人が語るように、彼の表現の要は暴力ではない。
暴力を描き暴力以外を浮き上がらせた、初期たけし映画の傑作。
暴力の底でいつまでもくすぶる悲哀、喪失の中で生きづらく生き続ける人々。
彼>>続きを読む
肩の力の抜けたアホくさいタイトルと、相反するようにシリアスな嘆きや警鐘を含んだ内容。
宮崎駿のいかめしさとは全く違うそのアプローチの仕方は、両氏の顔にそのまま現れていて面白い。
目の見えない少年レオの初恋。
そのハンディキャップ故に味わう悲しみよりも、むしろ目が見えぬが故に純粋さが磨かれていく二人の心の機微が描かれていて、観ていて心が洗われるようだった。
初恋のBGMとしての>>続きを読む
デヴィッドバーンの人生の終着地点と現代アメリカの交わるところに誕生したアメリカン・ユートピア。
当時トランプ政権下で狂っていくアメリカにおいて本作はどのように受け止められたのだろう。本作撮影後に「Bl>>続きを読む
テレビで「ロボコン」ことロボットコンテストがやっていると、つい見てしまう。
10代半ばの彼らがすべての情熱を注いで作り上げたロボットの多種多様な姿や、それらが繰り広げる試合の息を飲む展開の面白さもさる>>続きを読む
姪っ子に本気で恋する警官、結婚してる男にばかり惹かれてしまう女、苦悩もせず小説を書き上げて今は俳優を目指す男、好きな男に2番目宣言をされてもそれでも付き合う女。
ズレてる、ズレてる、登場人物どいつもこ>>続きを読む
ボブ・ディラン1964年イギリスツアーの記録映画。
演奏シーンよりもホテルや楽屋での会話がひたすら続く、音楽ドキュメンタリーとして尖りまくってる本作。ディランを聴き始めた10代の頃に本作を初めて観たと>>続きを読む
何か悪いことがしたくなるようなテーマ曲と、人殺しや盗みなんかよりも地味が故に最も悪質なのではないかと思えてくる「脱税」という罪の元で笑い踊る権藤の姿が、異常なインパクトを放つ怪作。
ドラマとしての痛快>>続きを読む
16歳、レディオヘッドのTシャツの上にシャツを重ねて着ていた自分を見て「ちっ、バンドTシャツで重ね着かよ」と、自分よりも遥かに音楽を聴いている友人に言われたことを僕は一生忘れない。
菅田将暉演じる「む>>続きを読む
身も蓋もない様なこのタイトルは、次第に輪郭を表し、私たちを驚かせる。
終始揺さぶられっぱなしの2時間だった。
刑務所から出て今度こそ社会で真っ当に生きていこうと決意する三上。
取り巻く人々との「ズレ>>続きを読む
文句無しのマイベスト・ブリティッシュムービー。
オープニングもラストも最高な映画ってなかなかない。
ドラッグと生活保障だけでまわるうだつのあがらぬどん底生活を抜け出すためにロンドンの喧騒を抜け出し田>>続きを読む
ビートルズ時代物議を醸したジョン・レノンによる「俺たちはキリストより有名」発言。
平成の日本で育った自分にとって、この言葉は全く違和感なく、すんなり受け入れられる。
「想像してごらん」
「戦争は終わっ>>続きを読む
笑いと音楽の才能、天がこの二物を与えたのはチャップリンだけではなかった。
誰と誰がマルクス兄弟なのかも知らないくらい前情報一切なしで見たが、超絶技巧ともいえるほどのピアノやハープの演奏シーンで彼らが>>続きを読む
キアヌの歯科医がいい味出してる。
マイク・ミルズの映画ってどんなに深刻なテーマであっても、「それって端から見たら大したことじゃないんだぜ。気軽に行こうぜ」みたいな、西海岸的な軽さ明るさで包まれてて、良>>続きを読む
戦時中パリを逃れた映画人達によって制作されたというだけあって、鬼気迫るものを感ぜずにはいられない映画。
有無を言わさぬような、凄まじい力を持った映像の連続に圧倒される。
19世紀パリの空の下、綱渡り>>続きを読む
スウィング・ガールズでお馴染みビッグバンドの名曲、愉快な「Sing Sing Sing」が地獄のBGMとして使われるという、まだまだ尖ったニヒルなセンスで私たちを困惑と嫌悪と恍惚の渦へと誘ってくれる9>>続きを読む
The Bandのドキュメンタリーを観てからどうしてもまた観たくなり、二度目の鑑賞。
原題が「Any Day Now」であるこの映画と「I shall be released」はセットだ。切り離せない>>続きを読む
ニューヨークで「ふしぎの国のアリスカフェ」なるものを見つけ、意気揚々と店内に入り席についたところ、自分に気づいた店員がため息つきながらやって来て「ここ男子禁制なんだけど‥‥まぁいいや‥‥」みたいなこと>>続きを読む
また見付かつた、
何が、永遠が、
海と溶け合う太陽が。
<永遠/アルチュール・ランボー 小林秀雄訳>
DVD化されていない本作、念願叶いついにVHSで鑑賞。
あのディカプリオが詩人ランボーを演じてい>>続きを読む
入ろうか迷っているフレンチレストランにもしアメリのポスターが貼ってあるのが見えたならば、入店は控えた方がいいでしょう。
もしそれが地下鉄のザジのポスターならば、せめて大失敗からは免れることができるでし>>続きを読む
タイトル通り、ビートルズファンがビートルズへの思いを語るだけの超シンプルな映画。
起承転結も、問題提起も、何もない。ここにあるのはただただビートルズへの愛のみ。
著名人よりも一般人のコメントに凄まじ>>続きを読む
いかにも舞台然としたキャラクター造形。
怒る時は怒る。泣く時は泣く。
未完の原作に付け足したラストしかり、テレビ局が片手間で制作したドタバタ愛憎劇以上でも以下でもない。
ニューヨークを舞台に繰り広げられる恋人たちの出会い・蜜月・倦怠・別れ。これぞウディ・アレン。これぞ人生。
出会ったばかりのウディ・アレンとダイアン・キートンの心の声による駆け引きとか、幽体離脱とかアニ>>続きを読む
ハンドクラフトという文字を見ると「おっ!」と思う。
同時に値札を見ればまた「高っ!」と思う。
労力を惜しまずに手作りで時間をかけて制作することがどれだけ大変で費用のかかることか。それを知るためには、制>>続きを読む
夜中の散歩でいくつものアパートやマンションを通り過ぎる。
カーテン越しに見える蛍光灯やテレビの光、
干しっぱなしの洗濯物、世話の行き届いたプランターの植物、
それらを見て、見知らぬ彼らの生活を想像して>>続きを読む
クラスの冴えない男子、だけど何故だか妙に気になってしまう、的な不思議な存在感を放つポール・ダノ。
そんな彼がブライアン・ウィルソンを演じている時点で絶対良いに決まってる。
そんな予想通り、ポール・ダノ>>続きを読む
ウディ・アレンが作り出す(というか基本ウディ・アレン自身)何をやってもうまくいかない男を、ティモシー・シャラメが演ずる。全く想像できないなぁと思いつつ期待しながら観たが、やっぱりなんかしっくりこない。>>続きを読む