けんたろうさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

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もう薬なんて飲まなけりゃいいおはなし。


”バレットタイム”を始めとするメタ的な演出や、時間の流れのズレが起こす過去との繋がりが面白い。歪つな人格描写も、過去三作の正統なる続編の観があって此れ又非常
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ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

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おっぱいに目が釣られるおはなし。


憧れの街と其の時代。素敵な光に誘われ這入れば、其処は正に夢の空間。あれれ。こりゃあ若しかして、ミッドナイト・イン・パリかしらん。なんだか語感も少しく似てらっしゃる
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モスラ(1961年製作の映画)

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出てくる外人という外人、全員胡散臭いおはなし。


モスラ。ダムを破壊する彼(彼女か?)は、果たして近代化の犠牲にされし村々の代弁者なんであろうか。とかくダムだけではない。日本近代化の象徴とも云える東
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マトリックス レボリューションズ(2003年製作の映画)

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スミスがいよいよ笑わせにきているおはなし。


果たして前作の内容を失念していたからなのか、それとも単に私のオツムが弱いからなのか、まあなんにせよ、ぜんぜん解らない!
当然面白いのだけれども、只、ぜん
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

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分裂するおはなし。


うわぁ、シネマジャック&ベティ!趣のある素敵な映画館だ!
研究室のバイトで横浜に来たので、折角ならばと思い訪うたのだけれども、いやぁ、此れはやっぱり来て損なし。情緒が在る。
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影武者(1980年製作の映画)

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馬にも女にも乘れぬおはなし。


偉大な人格の蹟と、其處に殘る巨大な喪失感。隅から隅まで迫力に滿ちた燃え盛る戰場の圖。逃れられぬ影の心情を見事に表す不思議な夢描寫。腑の底から威風漂ふ高揚の音樂。
見る
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燃えよ剣(2021年製作の映画)

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「時代を追うな。夢を追え。」
元々幕末が好きだった手前、本作、発表時から観たい映画ではあった。が、思わず吐血しそうになるほど全身の血流が倍速する此のキャッチコピーを目にした瞬間、すべてが変わってしまっ
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日本橋(1956年製作の映画)

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もののけ、ひとのけ、おんなのけ。


オープニングからして身の毛がよだつ。ゾクゾクゾクゾク。市川崑の無類なるセンスには、相変わらず脱帽である。
無論序盤には留まらぬ。人の心が陰翳の中に露るゝ市川映画。
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(1954年製作の映画)

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舞い降りた天使のおはなし。


「Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.」
– Charlie Chap
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あいが、そいで、こい(2018年製作の映画)

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青く広がる心と股間と景色のおはなし。


美しく儚き青春の断片。不器用な男子諸君、最高の友情。思い通りにはゆかぬ、切ない恋情。器用な人間など一人も居ない。男子も女子も、皆それぞれに未熟であるからこそ良
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楽園の瑕(きず)(1994年製作の映画)

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腐ったトニー・レオンが弄くり返されるおはなし。


難解ながらも、リアルといふ幻想を打ち破つた見事な映像美。アクションもロマンスも美しく、 CGなどが遠く及ばない魅惑的な映像抒情詩。
オープニングから
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甘い生活(1959年製作の映画)

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パーティの表と裏。


賑やかで喧しい愉快な動と、一転、暗闇のなか耳元に直接囁かれるような静のギャップが凄い。それらは決して打ち消し合うのではなく、寧ろ互いに強め合うているため、これが一本の映画とはと
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処刑の部屋(1956年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

とんだクソ野郎のおはなし。


自らをレイプした男に惚れてしまった顕子さんと、自らがレイプした女に愛想が尽きた克己という二人の人物にひどく胸糞悪さを覚える。また激情に駆られてナイフで刺してしまう女の悲
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上海特急(1932年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

なかなか真っ直ぐには進めぬ特急のおはなし。


とにかく怒りんぼうの癇癪持ちやら、人を見下さないと気が済まない気取った婆さんやらと、乗客という乗客がみな個性豊かで面白い。だから物語もそういう彼らの列車
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凱旋門(1948年製作の映画)

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全員可哀想なおはなし。


言葉には、自分が思う何倍もの責任が伴う。とても軽率に使うべきものではない。
イングリッド・バークマン(漸く拝見することができた。嬉しい限り!)演ずるジョアンという女性は、な
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天国にちがいない(2019年製作の映画)

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中東の和平というだけで笑えるという台詞に笑えるおはなし。


奇々怪々なる人々と、それを世界の傍観者としてたゞ見つめるだけの主人公。飽くまでも当事者たらないその姿勢にはじめは違和感を覚えたのだが、それ
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未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

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イカれたストーカーのおはなし。


なんだか優秀な人間が、華やかな夢と希望のない現実とに苛まれイカれていく過程を呆然と観ている感覚だ。

とにかく印象的だったのは、前半と後半とで主人公の様相が全く異な
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罪と罰(1983年製作の映画)

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恋と銃と呵責のおはなし。


マッティ・ペロンパーがとにかく最高。最高の友人。主人公の選択を静かに認める姿が、なにか沁みる。

そうしてどこか厭世観、或いは諦念の伺える主人公。
「道理を殺したかった」
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

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育てた草で人を殺すおはなし。


初任務に緊張と興奮をするパロマ(アナ・デ・アルマス)がとにかく可愛い。予告編のときから既にその色気ある姿には惚れていたが、いざ本編を観てみたら、その背伸びしている感じ
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赤ひげ(1965年製作の映画)

5.0

冬に観たいおはなし。


長い!
…いや時間だけじゃない。内容も二夜連続テレビドラマのそれだ。とにかく充実の三時間強。まるで美味しい物をたらふく食ったあとの満足感がある。

ぶっきらぼうがゆえの可笑し
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

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汗や涙やおしっこを飲むおはなし。


「全世界待望」「未だかつてないシネマ・エクスペリエンス」「新時代のプリンス・オブ・ハリウッド」
大仰な表現が目につくも、全く誇大に感ぜられない異様な予告に、いやに
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

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是非ともマッチには、人の心も温めていただきたいおはなし。


シュールでありながらも、人の心を十二分に捉えた画、映像。悲哀も憤怒も緊張も憧憬も幸福も、そのすべてがそこに詰まっている。

社会の底辺層に
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

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息子だけは未だに目がいってるおはなし。


とんでもなく豪華で才能溢れたキャストやスタッフ。彼らを集められたことを嬉々として話すホドロフスキーじいちゃんが堪らない。
そのキャストやスタッフの豪華さには
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砂の惑星(1984年製作の映画)

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レディ・ジェシカの美貌が、たゞ一つ希望なおはなし。


発露する言葉や感情が唐突すぎて、失笑を禁じえない。また速すぎる展開と超特急で進む物語が為に、折角の雄大な舞台や設定が小さく感じてしまう。
虫や宇
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

5.0

この世界のなによりも輝いている宝物のおはなし。


改めて観ると、とんでもなくドラマチックでスケールの大きな物語。
今日日、地球全体や宇宙を舞台に描かれるアクション映画が数多あるなかで(また私自身それ
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ルパンは今も燃えているか?(2018年製作の映画)

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不二子ちゃんのエロエロな姿態を眺めるためだけの映画。


ルパンは勿論かっこいいけれど、なんだか表現があざとい。頼むから、もすこし燃えてくれ。

DIVOC-12(2021年製作の映画)

5.0

上田監督の短編を観るためだけに千幾百円を出しても、なんら損ではないおはなし。


「睡眠俱楽部のすすめ」
煩雑な世界への静かで優しい回帰。伝えたいことはいまいち判らなかったけれど、とかく落ち着いた映像
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

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家族の為に生きる人たちのおはなし。


「魂が、泣く」という仰々しいキャッチコピーから嫌な予感はしていたのだが、まぁあの瀬々敬久だしということで鑑賞。
然し、とても面白かった感動したと言える代物ではな
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レミニセンス(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

とにかくレベッカ・ファーガソンが美しいおはなし。


人は過去のなかに生きることができない。たとえ忘れられない過去があったとしても、そこに戻ることはできない。だから今を生きるしかないのだ。
しかし本作
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隠し砦の三悪人(1958年製作の映画)

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馬鹿なのも、たまには悪くないおはなし。


まぬけなコンビが、コメディリリーフとしていゝ塩梅に苛立ちと笑いとを誘う。なにかにつけて喧嘩ばかりの腐れ縁な仲だったからこそ、最後の掛け合いにはニヤリとしてし
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

リングが多すぎるおはなし。


余計なものが多すぎると感じた。(リングのことじゃない。)友達の女に至っては、本当につまらない。
母ちゃんの強さも、回想が増えるごとにクサくなってくる。神秘なものがどんど
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座頭市物語(1962年製作の映画)

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おたねちゃんの行く末を思うと、なんだか悲しくなるおはなし。


男と男の友情。ヤクザな身ゆえの悲しみ。市(勝新太郎)の表情がすべてを物語っていた。

終いぎわに彼が吐き捨てた台詞に、溜飲が下がる。

映画 太陽の子(2021年製作の映画)

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有村架純に風呂焚いてもらえるのが只々羨ましいおはなし。


赴く者の死に向かう恐怖と、残された者の生かされる苦痛が胸を締め付ける。
そうしたなかで、画に緊張と緩和を与え異彩を放つ田中裕子。彼女が演じる
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オールド(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

主人公家族以外、みんな悲惨なおはなし。


予告通りの衝撃的な展開。観たかったものをそのまま魅せてくれた、という印象。スリルたっぷりで面白かった。

たゞ主人公夫婦に訪れる結末はとても意外なものだった
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劇場版 アーヤと魔女(2020年製作の映画)

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お母さんの声に違和感があるおはなし。


戦闘とチェイスのオープニングから予想されるものとは大違いの、強かな少女によるハートフルファミリーコメディだった。魔法戦争モノの予感がしたがそうしたものは一切出
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そして人生はつづく(1992年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

どこまでも続いてゆくおはなし。


『友達のうちはどこ?』に出てきた土地や建物に再び出会えるのが楽しい。かつての登場人物を追う、ドキュメンタリー風ロードムービーとでも称せようか。飽くまでフィクションな
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