シミステツさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

生きる LIVING(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

お役所仕事。官僚主義。死んだ組織。
ウィリアムズは良き紳士という感じ。あだ名はゾンビ。推薦状を書くために部下とカフェに行っただけなのに若い女といたと悪い噂になったり。
ウィリアムズめっちゃサボってるし
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カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

刑務所での強制労働を逃れるために狂人を演じ精神病院に入ったマクマーフィー。ろうあのネイティブ・アメリカン(「インディアン」と言っている)をイジりながらも、バスケを教えたり裏腹にどこか愛がある。精神病院>>続きを読む

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

3.7

第一次世界大戦の西部戦線。パウル・ボイマーはドイツ帝国陸軍に愛国心とロマンを持って入隊するもすぐさま突き付けられる現実。そこには英雄も希望もなく、ただ戦争の悲惨さ虚無さが徹底的に描かれている。人間は駒>>続きを読む

雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

乳がんの母を持ち、学校の成績が悪くて塾に通わされる瞬。ヤクザの父を持つ隆造、宗教2世のトカゲ、母子家庭でヤンキー姉を持ち東大を目指す正太郎…。塾で出会った映画監督の夢を持つ西野。転校生の幸介。それぞれ>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

3.7

失業をしてしまった夫婦。給仕長の仕事はなく、皿洗いで応募するにもお金が必要だったり。
レストランの経営という夢に向かい、店も繁盛し店外で煙草を吸うシーン、完璧だ。

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(1994年製作の映画)

3.4

カウボーイハットからリーゼント突き出てるのおもしろい。プールの上渡れるのすごい。聖なる子牛の話、処女生殖光線とは…。

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.6

労働者階級の葛藤を描くアキ・カウリスマキの真骨頂。わずかな稼ぎで親を養いながら、自己実現もしたいわけで。親には殴られて男にも裏切られるとくる。
「これっぽっちも愛してない」という言葉はキツイ。イリスの
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コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.6

ロンドンの水道局で働くアンリ。突然の解雇、自殺を図るも死ねず、自らの殺害を殺し屋に依頼。人生の美しさを殺し屋に諭されるも表情ひとつ変えず。その後パブで花売りのマーガレットに一目惚れし、生きる意味を手に>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.6

レニングラード・カウボーイズ。長めのリーゼントにサングラス、とんがりブーツの怪しい奴ら。人気のないツンドラの地で活動する彼らがアメリカへ旅立ち人気バンドへと成長していく。

移動手段がトラクターだった
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.7

炭鉱で働くカスリネンは失業後に自殺した父のキャデラックに乗り旅をする。旅の幕開けまもなくあっけなく全財産を盗まれ途方に暮れる。残ったのはイカついキャデラックのみ。
キャデラックに浮浪者たちを乗せてくシ
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世界の涯ての鼓動(2017年製作の映画)

3.1

情熱的な恋に落ちた生物数学者のダニーとMI-6の諜報員のジェームズ。グリーンランドの深海調査、南ソマリアでの爆弾テロ阻止、それぞれ極限の場でもがく2人の愛の物語。

アランフエスの麗しき日々(2016年製作の映画)

3.0

パリの小高い丘の一軒家。緑豊かな庭のテラスでテーブルを囲み男女2人がセックスや様々なことをテーマに語らう。

男との初夜は?夜じゃなかった、男じゃなかったというのいい。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

4.2

クッパがやって来てペンギンの出撃するところ布袋寅泰の『BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY』が流れるのも壮大なフリと滑稽さ。

マリオとルイージはニューヨークの配管工という
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アメリカ、家族のいる風景(2005年製作の映画)

3.5

往年の西部劇スターのハワードは突然撮影現場から逃げ出し、30年あまり会っていなかった母親の元を訪れる。昔、母のもとに自分の子どもをみごもったと連絡があったという昔の恋人を探しに行く。

薬物依存や逮捕
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ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(1999年製作の映画)

3.4

キューバ音楽、味があってどこか悲哀でそれでいて力が漲っていてかっこいい。

時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!(1993年製作の映画)

3.5

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建物から落ちてしまった少女を助けるために人間になってしまったカシエル。

人間になっていくために何かを模倣していこうとしたカシエルにマリオンが言った言葉がかっこいい。
「世間の人が知ってるのは世界があ
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

3.7

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天使ダミエルが人間界でサーカスで空中ブランコ乗りのマリオンに心惹かれてしまう話。
マリオンの着替えシーンでモノクロからカラーに変わる瞬間素敵。ダミエルが下界に下り、色を確認するところもいいし、カラーに
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東京画(1985年製作の映画)

4.2

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小津安二郎へのリスペクト。

電車、桜の風景、広告、パチンコ。ゴルフ好きな日本人。食品サンプルの制作風景。ヴェンダースみがあるものの、80年代・東京の風俗を知る良い史料でもある。
あるがままの人々を切
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ことの次第(1981年製作の映画)

3.4

どこを取ってもストーリーに乗ってこない感じがヴェンダースらしい。ずっと漂っている感じ。

今どき白黒なんか作るやつがいるかという台詞がありつつ白黒映画なのが面白い。

「物語は物語の中にしか存在しない
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.0

ごみ収集車の運転手・ニカンデルとスーパーのレジ係・イロナの恋物語。イロナに好意を抱いたニカンデルは初デートでビンゴ会場に連れて行って大失敗したり、仕事を突如クビになったイロナは腹いせにスーパーの金庫を>>続きを読む

アメリカの友人(1977年製作の映画)

3.4

素人の殺し屋サスペンス。ロビー・ミューラーの撮影、色使いが特徴的で『ナイト・オン・ザ・プラネット』的。

「ベイビーユーキャンドライブマイカー」

さすらい(1975年製作の映画)

3.5

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大型ワゴンに乗り映写機を修理して旅するブルーノと離婚したばかりのロベルトの物語。

フォルクスワーゲンのビートルで爆走を続けそのままの勢いで川に水没するロベルト。いきなりの奇人感満載。まさかの出会い。
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まわり道(1974年製作の映画)

3.4

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「作家になろうと思ったらゆううつと不安感は失わないほうがいいの」

作家を志すヴィルヘルムは自分探しの旅に出る。大道芸人のラエルテス、女優のテレーゼと旅を共にする。

「孤独は実在じゃない それは外か
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都会のアリス(1973年製作の映画)

4.7

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「撮影することは耐え難いものを撃つこと」

各地をカメラで撮影してまわるフィリップは目で見たイメージを旅行記の原稿に昇華できずにいた。そんな中、ストでドイツ便が欠航。道中アリスとその母と一緒になること
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グロリア(1980年製作の映画)

4.6

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組織に狙われた一家の息子・フィルを預かり逃亡劇を繰り広げるグロリア。『レオン』に影響を与えたであろう原型のような、いい意味でカサヴェテスっぽくないアクション映画。

「夢を見てると思うのよ」

殺した
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

3.7

舞台女優のは熱狂的な自身のファンが目の前で事故死したのを目撃して心を病んでいく。

開始10分でファンが死ぬ展開が早い。
「君は女じゃない。女優だ」

虚構と現実の境目。『こわれゆく女』然り病んだ女性
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

3.4

ストリップクラブのオーナー・コズモが借金を払い終えハメを外し、ポーカー賭博でマフィアの罠に嵌められる映画。エロい目で見過ぎだろ。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

3.6

神経質で過剰なもてなしをしがちな妻・メイベル。家族を愛するがあまり精神を病み入院してしまう。気が狂ってきた妻に「愛してる!」と強く抱きしめる夫の姿もなんとも言えない気持ちになる。妻が入院中子どもの世話>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

4年間失踪し記憶を失った男トラヴィスとその弟ウォルト。トラヴィスはテキサス州パリの荒野に持つ土地へ向かおうとしていた。パリって言われるとフランスだよねという。長年会っていないためトラヴィスの息子・ハン>>続きを読む

愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

英題は『Take Care of Your Scarf, Tatiana』
フィンランドを舞台にしたアキ・カウリスマキ監督のロードムービー。コーヒーが切れているだけで母親を納戸に監禁して金を奪ってコー
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フェイシズ(1968年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

壊れゆく夫婦の36時間を映し出す。リチャードとマリアはある日言い争いを起こし、夫は高級娼婦と、妻も青年・チェットと一夜を過ごす。くだらないことで馬鹿みたいにめちゃくちゃ笑うし、それぞれの表情にクローズ>>続きを読む

アメリカの影(1959年製作の映画)

3.8

黒人の血を引くレリアは肌の色が白人のような外見。白人男性のトニーに身体を許すもレリアが黒人の血を引いていることを知りショックを受け、長男のヒューは二人を引き離す。
歌手として人気の出ないヒュー、自らの
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イメージの本(2018年製作の映画)

3.4

「物言わぬ田舎娘にこそ用心すべきだろう」

五本指、五感、世界五大陸。人間の真の条件とは手を使うこと。

「映像は到来するだろう」

ぶつ切りの編集に意味ありげなメッセージの数々、言葉遊び、革命。まさ
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さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

3.4

「想像力を欠くすべての人は現実へと逃避する 考えないということが思考に悪影響を及ぼすかどうかは分からない」

遺伝子組み換え食品、宣伝広告、ナノテクノロジー…政治的なメッセージも豊富。

ゴダールの探偵(1985年製作の映画)

3.4

ビデオカメラで窓の外を撮影する男2人。ボクサーと若い女性たち。マフィアから借金の返済を迫られるボクシングのプロモーター。探偵というタイトルではあるが、人間模様が中心の作り。ビリヤードのカットが印象的。>>続きを読む