虎に翼の55の情報・感想・評価

エピソード55
第11週「女子と小人は養い難し?」(第55話)
拍手:50回
あらすじ
家事審判所と少年審判所の合併に関して、依然として説得を続ける寅子(伊藤沙莉)だが、うまく行かない。そこで、弟・直明(三山凌輝)に賭けてみることにする。
コメント47件
M

M

このコメントはネタバレを含みます

人間 生きてこそだ。 国や法 人間が定めたもんは あっという間に ひっくり返る‥。 ひっくり返るもんのために 死んじゃあならんのだ。 法律っちゅうもんはな 縛られて死ぬためにあるんじゃない。 人が幸せになるためにあるんだよ。 幸せになることを諦めた時点で 矛盾が生じる。 彼がどんなに立派だろうが 法を司る我々は 彼の死を非難して 怒り続けねばならん。 その戒めにこの絵を飾るんだ。 昭和24年1月1日 家庭裁判所が生まれた 初めての朝 子供たちの幸せのために‥。
タキ

タキ

●第11週「女子と小人は養い難し?」 〈花岡が一切闇買いをせず栄養失調で亡くなったというニュースは司法省のみならず日本中に衝撃を与えた。花岡の載る新聞を見つめるのは復員してきた轟だった。そして飲んだくれて道端で寝ている轟を蹴る人物…よねもまた空襲をかいくぐり生きていた。2人は一緒に弁護士事務所を開こうと決める。一方寅子は気落ちする毎日。桂場に「もうめそめそするな。我々があいつのためにすることは泣くことじゃない。」と言われてしまう。〉 新憲法第14条を両手をあげて喜ぶ風でもないよねの姿にハッとさせられる。やはりそれは「戦争なんかのおかげじゃなく、自分たちの手で手に入れたかった。」もの。戦争を正当化してはならないのだ。轟の花岡への想いもまた我々の思い込みにハッとさせられる設定だった。言葉にしてしまうと「惚れていた」となるのかもしれないけれど、轟の「わからない。」というのが1番彼の心情を表す言葉として適当なのは理解できる。白黒つけなくてもいい感情をそのまま抱えていていいんだとあの白黒つけたい気持ちに満ち満ちていたよねからこんな言葉が聞けるとは。花岡の座っていたベンチに向かって座る轟がすごくよかった。スピンオフでよねと轟のリーガルドラマがあれば見る。寅子が昼食をとるベンチ横にずっといる傷痍軍人の白衣募金に初めてお金を渡すシーンがある。なにかやらなければという焦りなのだろうか。 〈昭和23年10月。花岡が亡くなって1年。寅子は家庭裁判所設立準備室に異動になった。成功した暁には今度こそ裁判官にしてほしいと桂場に頼み込みOKをもらう。法曹会館屋上の仮設小屋に準備室は用意され、そこには室長の多岐川、室長補佐の汐見、明律の同級生、小橋と稲垣がいた。多岐川は花岡をバカタレ判事と罵り、少年審判所と家事審判所を合併させる話し合いの調停をするでもなく、やる気がない様子に戸惑う寅子だった。〉花岡の妻奈津子の個展開催の新聞記事にビックリした。我々が思う奈津子像もまた思い込みだった。小橋、言い方はアレだけど花岡の悪口を止めるためだったんだと思う。稲垣はすっかりホモソノリからは脱却したようだけど何があったのか。滝に打たれる滝藤賢一のインパクトがとにかくスゴイ。モデルとなった宇田川潤四郎はなにかあると本当に滝に打たれに行っていたそうで、なんとまさかの実話だった。 〈家庭裁判所設立への話し合いは平行線を辿る。多岐川は諦めているのかと明律同窓3人組は途方に暮れる。そんな多岐川に寅子はどうしても家事審判所と少年審判所を合併するのに予算面や少年法ができたことで行政機関の審判所がいらなくなることは理解できても芯から納得できないと意見するとライアンの元に連れて行かれアメリカの家庭裁判所がどのような場所か話を聞けと置いて行かれる。多岐川のアツい想いは直明がやっている少年たちへのボランティア活動の話からも聞かれ、寅子が見てきた多岐川と周りから聞く多岐川のギャップに混乱する寅子だった。多岐川は裏で所長たちと話し合いという名の飲み会を続けていた。間違って飲んだ酒で酔い潰れた汐見を多岐川とともに自宅に送り届けた寅子はそこで香子と呼ばれている香淑(ヒャンスク)に出会う。〉ノミニケーションの場に女性が参加しにくいことは現代でも同じだが、寅子には娘を見てくれて家事をやってくれるマンパワーが備わっていて、やはりかなり恵まれているなと思う。そこに日本にいることが危険と判断して志半ばで故国朝鮮に帰っていった友、ヒャンちゃんの登場。寅子と会ってなんだか気まずそうな様子、訳あり感が顔面から滲み出ている。多岐川と汐見はどういう関係なのかも気になる。 〈多岐川にソッコー追い出される寅子。どうしてヒャンちゃんが崔香淑であることを隠そうとするのか解せない寅子だが、はるから「そうしなければいけなかったんでしょう」と諭される。次の日、香淑の願いもあり汐見から朝鮮での出来事を聞くことになる。故国を去り汐見と結婚したことで汐見香子と名乗ると決めたヒャンちゃん。なにか私にできることはないかと問う寅子に何も言わない汐見。多岐川は「んなもんあるか!」と一喝する。これは香子ちゃんの選んだ道であり、寅子ひとりの力で偏見をなくすことは不可能。それより愛の裁判所をつくることに尽力せよと言うのだ。桂場から花岡の妻、奈津子が寅子に会いたいと言っていると引き合わされる。いつかいただいたチョコレートで家族が笑顔になれたというお礼を言いに来たのだった。〉かつて自分がされてもっとも嫌だった憐れみからくる善意の押し付けを香淑と奈津子にやってしまう寅子。普通の人は寅子みたいにすぐに言い返せないもので、汐見と奈津子にやんわり拒否されてるのに結局気付くことができないのも突っ走り系の寅子らしい。寅子が奈津子に「ごめんなさい」と言ったのはかなりヒヤッとした。家族が言ってもダメだったのに他の人からだと妬いちゃうわという奈津子の大人の対応に軍配が上がる。彼女がとても聡明な女性でだからこそ花岡は彼女と結婚したのだとわかる。桂場は自分のできること(奈津子の絵を購入する)をやっている。寅子はいつも「私」が強い。他者に何をすべきか気付きはもっと先のようだ。 〈正論は純度が高いほど威力を発揮すると桂場に言われ寅子は直明に頼み「東京少年少女保護連盟」の仲間を連れて準備室に来てもらう。両審判所とも家庭と子供たちのために働きたいという想いは一緒だと語る直明の言葉に名称や管轄にこだわっていた我が身を振り返り大人たちは手を取り合う。家庭裁判所設立まであとひと月。寅子たちはなんとか体裁を整えようと奔走する。東京家庭裁判所の審判廷と調停室は地裁の一角を借りられたが肝心の家裁職員の事務所や相談所の場所が決まらない。なんとかレストランの宴会場を借りることができ大晦日に引越し、多岐川は奈津子の描いたチョコレートの絵を正面に掛けるのだった。汐見からなぜ多岐川が子どもたちと向き合い続けるのかその訳を聞く明律同窓3人組。そして1月1日の朝、東京家庭裁判所が発足した。〉 ある場所から「逃げた」という一点で多岐川と寅子は似ている。寅子は自分の正論の純度の低さの原因もわかっていないので多岐川の境地には遠く及ばないけれど、「幸せ」の追求については貪欲なので家裁の人に向いてるのかもしれない。花岡の死について、多岐川がバカタレ判事と罵ったその心は以下の言葉に集約される。「人間、生きてこそだ。国や法、人間が定めたものはあっという間にひっくり返る。ひっくり返るもののために死んじゃあいかんのだ。法律っちゅうもんはな、縛られて死ぬためにあるんじゃない。人が、幸せになるためにあるんだよ。幸せになることを諦めた時点で矛盾が生じる。彼がどんなに立派だろうが、法を司る我々は、彼の死を非難して怒り続けねばならん。」悪法を作るのも人間、改正するのもまた人間。現代における法改正についても深く考えさせられた。
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HOM

HOM

子供たちを幸せにするということは、未来に種を撒くということ💡
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NTK

NTK

直明のピュアなキラキラビーム! つまり愛よね
sea

sea

立場によって正義が変わる瞬間が個人的に刺さるから最後の多岐川の言葉普通に泣いた😢花岡の正義と多岐川の正義全部正しいよ
朋乃

朋乃

このコメントはネタバレを含みます

カメラワークが不思議な違和感を残す回だった。隅々まで各部署のプロフェッショナルを感じる、、、一つの事象に対して全ての役が何を思い、何を誓い、どう行動するかという意思を映してくれている。その人間味が素晴らしく刺さる。 石田ゆり子、虎ちゃん、ゆみが3人で抱きしめ合いながら眠る正月のはじまりのひかりが美しい。この作品、毎日が史上最高傑作なんよな。
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Atsu

Atsu

法律は人を幸せにするためにあるもの
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bon

bon

直明くんのキラキラお目々が、純度激高正論が、家庭裁判所設置を一気に推し進める。
R

R

2024/7/17 テレビにて鑑賞
ぴ

「法律っちゅうもんはなぁ、縛られて死ぬもんじゃない。人が幸せになるためにあるんだよ。」
きりん

きりん

多岐川の夢はほんと素敵で叶って嬉しいけれど、はるさんと花江ちゃんを動員するの⁈大晦日の夜に⁈手当はあるの⁈とやりがい搾取も気になるのであった。 花岡を想起させる絵画も複雑ではある。。。
ごはん

ごはん

直明のキラキラお目目
さとみ

さとみ

直明のキラキラおめめがこんなふうに効果を発揮するとは。大晦日を家族総出で準備にあたる。 花江ちゃんと子どもたちはおうちに帰したり、はしないの?とか細かいことを気にしつつ笑 でもはるさんと寅子と優未ちゃんの3世代が重なり合って朝を迎える光の中のシーン、これが必要だったんだよね、って思った笑 あと、多岐川さんが部下たちと看板を見ることも。 チョコレートの絵 実際どんな絵だったかはわからないけど、本当に絵を家庭裁判所が何枚か購入してたというのがすごいことよね。
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Yuichi

Yuichi

このコメントはネタバレを含みます

正論の純度をあげる。見栄と詭弁が混ざっていては、切れ味が弱くなる。いい言葉だ。 今週、最後のたきがわの怒り。 このドラマは常に怒りを描く。爆発するようなものもあれば、沸々としたもの,詩情を含むもの。さまざまである。 どんな形であれ怒りが重要な要素、もしかしたら、現代社会に抜けている要素なのかもしれない。 たきがわは、花岡に対しての怒りを露わにし、演説でも,その怒りを持つことを同胞に訴えた。それは、花岡を許すなではない。花岡の死を許すなということだ。 花岡の死は、法に殉ずるような死は、簡単に美談になる。美談が生まれれば、その死は肯定され、花岡を殺した法や権力に利用されてしまう。 自分たちが殺したにも関わらず、分厚い面の皮から、このような犠牲を出さないために法改正が必要だなどと、言い出しかねない。 だからこそ、我々はこの死を美談にしては行けない。花岡の死を、花岡を殺した法律を、そして、そうやって人の死を弄ぶ権力を、許しては行けない。 そうたきがわは訴えていた。 怒り続けよう、と。
しゅん

しゅん

130カット。 伊藤沙莉の帰りを待っていた石田ゆり子と森田望智の背中の並びが異様。 湯の上がるやかんのアップ。 コントで困難を突き崩し、年末ギリギリの総動員で感情を緩める。 光の挿す、母子の寝姿。
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ポーチドエッグ

ポーチドエッグ

キラキラ作戦、上手くいくも自分で仕掛けておいて腑に落ちない寅子笑 そしてチョコレートの絵。怒り続けるために飾るんだ。 多岐川さんと子供達のワンシーン、回想として最小限なのに最大限なの素晴らしい。 昭和24年元日、家庭裁判所が誕生した日。
spoon

spoon

このコメントはネタバレを含みます

キラ目✨直明効果でスムーズに合併 チョコレート効果の絵🖼️を飾って肝に銘じる。 ひっくり返るもののために死んじゃぁダメなんだ。 幸せになることを諦めた時点で矛盾が生じる。 家庭裁判所が生まれた初めての朝
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おちゃ

おちゃ

チョコレートエピ ここまで繋がってくるんだ🥲 誰よりも「命」について 深く考え 未来に目を向ける多岐川さん あらっ!? カッコよく見える(失礼w)
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あらなみ

あらなみ

このコメントはネタバレを含みます

法律を守って死ぬためではない。 俺たちは彼の死を怒り続けなければならない。 そういって一堂が花岡奈津子さんの絵をみる場面はボロボロ泣いたー!
kojikoji

kojikoji

久しぶりにアップします。しかし、観るのをやめたのではありません。 しっかり観ています。 予感で言っていた「傑作」は間違いなく傑作でした。 戦争、終戦、大事な人がたくさんなくなり、数々の人が去り、また新しい人にめぐりあい、人生とはこんなもんだと改めておもいました。 チョコレートの絵には泣きました。
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はな

はな

本当のバカタレは花岡じゃなくて法なんだよ
age58

age58

チョコの絵に泣いちゃった。私の尊敬する人が生き抜けといつも、いつも言っていた。法に厳守し、餓死を選ぶ信念も尊い。でも、生き抜く人も尊い。私は生き抜きたい。
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つむ

つむ

見栄や詭弁が一切ない直明たち若者の熱意がみんなをひとつに! 奈津子さんの絵に涙。 多岐川さんは思っていた通りの人だった。
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ジュうお

ジュうお

多岐川さんの本質がよくわかる回、各々にある戦後復興、助け合い…元旦に家庭裁判所完成!
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なっこ

なっこ

このコメントはネタバレを含みます

#51-55 中年なのでふと思うことがある、 何かに押し潰されるような死もあるのかもしれない、と。 自死の場合もそうだけど、よくね、お子さんがいたのに、なんて非難もあるけれど、この中年という年代は、最も屈強で社会から必要とされる年代でありながら精神的には死に最も近い年代であるように思う。 生きていく気力のようなものが、ある時ポキっと折れてしまうような、そんな年代。 花岡の死はなかなか飲み込めない。だからこそ簡単に咀嚼してよいようなことじゃない。緩慢な自死であったようにも思う。“生きてこそ”という言葉は心に響く。けれど、同年代だからか、どうも花岡の気持ちの方に私は引きづられる。 出て行くべき社会に向けてキラキラした瞳をもって期待していた年代の頃には感じなかった虚無感。油断すると真上からグッと押さえ付けるようにやってくるそれに、彼は潰されてしまったのではないだろうか。
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こっこ

こっこ

家庭裁判所になるまでの、産みの苦しみ。 それを直明たちのボランティア団体の言葉を、特に直明の言葉によって、解決し、いよいよ家庭裁判所誕生に! 事務所をどうするか等、大変だったんだなあ。 「生きてこそ」の想いを体現する、絵。 花岡未亡人によるもの。 それは、裏返せばここには居ない花岡がいるということ。 愛だねえ。 来週、どんなお話になるのかな?
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maria

maria

日めくりカレンダーに書いてある言葉がまたなんとも 小道具まで凝られてて見ているのが楽しい チョコレートの絵、何も知らなかったら微笑ましい絵に見えるけれど花岡さんとのことを知ってるからこそ意味のある絵に。生きてこその言葉凄く響いた 月曜日凄く個性のある人が出て来たなって思ったけど、色んなことを経たからこその信念を持つ良い人だって週の最後に分かるのズルすぎるよ、、、
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ぁぃぁぃ

ぁぃぁぃ

家庭裁判所設立!!
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やちえもん

やちえもん

「生きてこそ」の言葉が身に染みる。 「家庭裁判所」の「家庭」の意味、あんまり考えてなかったけど、強い思いを持って作られたのだとわかる週だった。
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ソリ

ソリ

多岐川さん 「人間 生きてこそだ。 国や法 人間が定めたもんはあっという間にひっくり返る…。 ひっくり返るもんのために死んじゃあならんのだ」 共亜事件〜戦争 が見応えあったからだいぶ中弛み〜
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