The game you couldn't put down. The story you couldn't make up.
ジョン・S・ベアード監督、タロン・エガートン主演によるイギリス、アメリカ製作の実話をベースとしたドラマ。 ソ連で誕生したパズルゲーム「テトリス」を世に広めようとしたテレビゲーム会社のセールスマン等の姿を描く。 Apple TV+無料配信期間中に観た二本目はこちら。 主人公となるBPS(Bullet-Proof Software)の創設者かつセールスマンのヘンク・B・ロジャースをエガートン、テトリスの開発者であるアレクセイ・パジトノフをニキータ・エフレーモフ、アンドロメダ社のセールスマンであるロバート・スタインをトビー・ジョーンズが演じているほか、アンソニー・ボイル、ベン・マイルズ、リック・ユーン等が登場。 物語は、1988年、パズルゲーム「テトリス」の存在を知ったロジャースがヒットすると確信、世界に広めるためソフト化しようとソ連にわたり、パジトノフと東奔西走する姿が中心となるが、テトリスと言えば、もはや誰もが知る所謂落ちものパズルゲームの元祖。 今でこそ、知名度抜群なテトリスなのだが、そもそも冷静状態にあったソ連の国営企業であるELORGが著作権を所持、そこからアーケード用や家庭用等のライセンスを得るべく、様々な会社が狙い、なおかつ国益をどうするか二転三転するソ連側の思惑もありと、一筋縄ではいかなかったことが手に取るようにわかる内容となっている。 記憶を辿れば、私がテトリスに最初に触れたのはファミリーコンピュータ版。 当時、ハドソンやカプコン、タイトー、ナムコにコナミといった会社がソフトの多くを発売する中、任天堂でもなく、BPSなる初めて耳にするようなメーカーから発売されたのはビックリであったのと同時に、何故か十字キーの下でブロック回転、Aボタンで落下という謎の操作方法だったのが印象的だったところ。 また、任天堂や、そのアメリカ法人であるニンテンドー・オブ・アメリカ、またロジャースの妻が日本人であることから、山村憲之介、トーゴ・イガワに長渕剛と志穂美悦子を両親に持つ文音といったキャストが登場しているのも見逃せないポイント。 契約にまつわる交渉ごとをヒリヒリするようなサスペンスタッチで描き出し、終盤に至っては、『Holding Out For A Hero』をBGMとしたまさかのモスクワでのカーチェイスからの、ベン・アフレック監督『アルゴ』を彷彿とさせるような脱出劇ありとエンタメ感も抜群であったとともに、ゴルバチョフ書記長まで絡む出来事であったことに驚かざるを得ない一作。