江戸八百八町が夜の闇に包まれると屋根裏でガサゴソとする奴が現れる。大富豪から富をいただき貧しい庶民にばら撒く義賊、ご存じ鼠小僧次郎吉。夫に先立たれ、小さな我が子と辛い日々を送る町人お鈴。そんなお鈴を利用して鼠小僧の正体を暴こうとする梵字安五郎と長五郎。罪を憎んで人を憎まず、経験と勘で補物名人と謳われる岡っ引き勘右衛門。江戸の街を舞台に繰り広げられる哀愁を誘う人間ドラマ。映画監督山中貞雄はそんな夢をみている……。
永禄3年、奥州出羽の最上伏影城の城主結城光春は家老の謀略によって非業の最期をとげた。数年後、伏影城下で辻斬りが人々を恐怖に陥れていた。それこそは父の恨みを晴らそうとする光春の一子、重太郎の…
>>続きを読む時は昭和17年。関西の実家に、「ガチャボイ」とあだ名される、虫が大好きな少年がいた。その少年・手塚治は、親に連れていってもらった中国の漫画映画『西遊記・鉄扇公主の巻』の面白さに胸をときめか…
>>続きを読む大正7年。初めての女優主演映画といわれる帰山教正監督「生の輝き」の以前に、実は月島桜が主演した「永遠の謎」という映画があった。しかし、この「永遠の謎」は、警視庁の映画検閲によって妨害され、…
>>続きを読む戦後、まだテレビが生放送だった頃、ドラマも生放送で行われ、録音技術や機器が発達していない為に吹き替えも生収録だった。そうした中、現場ではNGを出さない舞台俳優が多く起用され、森山周一郎もそ…
>>続きを読む一流の活動弁士を夢見る青年・俊太郎は、小さな町の映画館「靑木館」に流れつく。隣町のライバル映画館に客も、人材も取られて閑古鳥の鳴く靑木館に残ったのは、「人使いの荒い館主夫婦」、「傲慢で自信…
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