📚小説原作。同名映画(1982)のリメイクとの事。🐓記憶を失った医師🧔🏻‍♂️のヒューマン／ロマンスドラマ。冒頭から🔊音響とプロダクションデザインの良さが光りまつ。🎼劇伴も🇵🇱お国柄らしさ(フォークロアな感じ)があって良き👍🏻✨🎞️尺に対し内容が濃すぎて👱🏻‍♀️登場人物の深掘りが足りないままどんどん進行する印象ヽ(´Д`;ヽ≡/;´Д`)/💦✨６話ぐらいのドラマでじっくり観たかったなあ…良いお話でつ

【🇵🇱カメリメージ(🐸金蛙賞)、ポーランド映画賞(音響賞•衣装デザイン賞•プロダクションデザイン賞•劇伴賞•男優賞)など各賞８部門ノミネート】

◼️原題: Znachor (医者・治療師)

• #1920年代
• #1930年代
• #歴史
• #ヒューマン
• #ロマンス
• #父と娘
• #記憶喪失
• #リメイク

ポーランド映画はなにか気に掛かってしまう。
引力のように観始めたけど直ぐに惹き込まれた、凄く好みだった。


有能な外科医ラファウ・ヴィチューラは医者の鑑のような人間で、貧しい人々にも手を差し伸べ、惜しげなく時間と労力を捧げていた。しかし、妻が愛娘マリシアを連れ愛人の元へ去ってしまう。
悲しみに打ちひしがれ、妻の居場所を探している時、強盗に遭い、その時の怪我で記憶喪失となってしまう。
　
その15年後に時が流れる。名前も忘れてしまったラフィアはアントニ・コシバとして何かを求めながら放浪の旅をしていたが、その何かさえ分からない虚しい男になっていた。
ある村で夫に先立たれ製粉所をしているゾフィアと出会い惚れられる。アントニはなぜか医療技術は覚えているので、その場所で病人を無償で診ながら暮らしていた。

大学進学を希望しているマリシアは両親を亡くし、あるパブで仕事をしながら学費を貯めることにする。店に寄った伯爵の息子がその美貌に一目惚れし、2人は身分違いの恋を誓うが、バイク事故で離れ離れになってしまう。
頭に大怪我を負ったマリシアに何か引き寄せられるようなものを感じるアントニ。有り合わせで開頭手術を行なって命拾いする。
2人が親子なんて夢にも思わずに...

波瀾万丈な人生を送る男と、母親を亡くし実の父親を覚えていない孤独な女が巡り巡って出会うまで。

全体的に衣装が良かった。
マリシアのワンピースがどれも可愛いし、昔の白衣や布の手術用マスク等、徹底した小物の扱いも気配りを感じた。

全キャストがポーランド人で構成され、しっかりとした演技は舞台で培われた実力や、監督や演劇芸術の教授をしている俳優もいて、どの俳優も自然な演技が本当に素晴らしい。


主人公のレシェク・リホタは、哀愁感ある知的な表情で深みがあって素敵でした。
ワルシャワの国立演劇アカデミーを卒業後、ポズナンのポーランド劇場で舞台俳優としての活動している。

娘役のマリア・コヴァルスカは今作で長編デビュー。美しくスタイルも良いし、今後の活躍に期待したいです。

世界大戦の狭間のポーランド。
高名な脳外科医であるラファル・ヴィチュールは、妻と幼い娘と共に穏やかに暮らしている。
ヴィチュールはマスコミ嫌いで、貧しい人を救うのに奮闘して正義感が強い。
地味ながらも順調に思えた彼のキャリアだったが。とある出来事を切っ掛けに、運命の歯車が狂いはじめる。

監督は、ミハウ・ガズダ。
脚本は、マルチン・バチンスキ。マリウシュ・クチェフスキ。
2023年にNetflixで公開されたドラマ映画です。

【主な登場人物】🧸🪡
［ヴィチュール］主人公。
［エレオノーラ］伯爵夫人。
［スタニスワフ］伯爵。
［ゾフィア］女主人。
［ドブラニエツキ］主任。
［パウリツキ］眼鏡の医者。
［マリシア］孤児。
［ミハウ］森の労働者。
［ユゼフ］伯爵の執事。
［レシェク］伯爵の息子。

【概要から感想へ】🚂🏃🏻
ガズダ監督は、1972年生まれ。ポーランド出身の男性。
テレビが主戦場で、おそらく監督デビュー作。

原作は、1938年の小説『Znachor』(もぐりの医者)
作者は、タデウシュ・ドウェンガ＝モストヴィッチ。
1898年に誕生－1939年に永眠。ロシア帝国出身の男性。
裕福な弁護士の息子。
1917年のロシア革命後に、家族の祖国であるポーランドに戻っている。

新聞社でジャーナリストとして働き、1928年から執筆に専念。
第二次世界大戦のはじまりである、ナチス・ドイツのポーランド侵攻の際に、指揮官として防衛に参加。そこで戦死している。

1937年、1981年につづいて、42年ぶり、3回目の映画化。
これは昨年のものですが、今年は強力新人の打倒に加え、歴史からの“突破”もあり、リメイク作品や監督復帰作も多い。

👨🏻‍⚕️〈序盤〉🐎🎹
医療ドラマ。
日本でもお馴染みのジャンルであり、世界共通の内容なので無理なく入ってくる。
雰囲気は、ポーランド版『ブラック・ジャック』と言った感じ。
お屋敷で暮らして、ピノコもいる。

奈落の底に落ちる。
さすが世界大戦の経験者だけあり、悲劇の規模も現代人からすると桁外れ。
野島伸司が好きな人だったら気に入るかも。
……あれ、この物語って『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』にそっくりな気が。
(堀井君……)
大人向けに味付けしてあるので、結婚して子供がいる人であれば、より楽しめるだろう。

👨🏻‍⚕️〈中盤〉🌒🏍️
捨て犬放浪記。
すべてを失い、忘却の彼方でさまようが、
それでも、生きる意味は動物の本能が覚えている。
たとえその先が崖だとしても。

不幸の噛み合いがもたらすドラマに圧倒される。
これは泣くなっていう方が無理。
視聴者だけは真実を知る特等席に座っている。

これも2時間20分でえぐい長さ。
映画が2本入っているかのように、ヴィチュールと、孤児マリシアの2ラインが同時進行する。
2つとも「恋愛もの」で統一されているのだが、いかんせん頭の切り替えが追い付かない。
ストレスがかかる分、運命のいたずらで、2人の物語が交わる瞬間はえげつない。

👨🏻‍⚕️〈終盤〉🧑🏻‍🦽👨🏻‍⚖️
赤い糸。
人とひとが不思議な縁で結ばれて、大切な人も畜生も一緒に戻ってくる。
だれも運命からは逃れられない。

すれ違い。
1950年代、古い方の『君の名は』に代表されるような、いまは無き懐かしい形式。
不条理のもたらすもどかしさといったらない。
昔はこんな話ばかりだった。

裁判劇。
またこれか、と更なる苦行を想像させるが、気のせい。
多幸感をもたらす感動が押し寄せて、長い苦行から解放されるエンディングへ。

【映画を振り返って】💒👰🏻
朝ドラ級の濃い人生。
配信ものを忘れさせる映像の美しさにうっとり。
古典に合わせたオーソドックスな人物造形で、古き良き映画の世界へ誘ってくれる。

イベントの数が少なく、時間がとてつもなくゆっくり流れる。
忙しい現代で、この感覚を表現できる監督の個性に驚き。

👛1981年度盤と比較して。
・手術シーンの直接描写いっさいなしのマイルド仕様。音と表情。事前準備から想像して。
・2023年度盤だと、主人公が善良なので、「目から出た錆び」のはずの悲惨な体験との解離が起きている。
・ユダヤ人コミュが地域に溶け込んでいる。
・主人公にも恋愛を追加。登場人物をそのままに、上手く消化されている。
・ロマンス大幅増量。全体に色気が行き届いて艶っぽい。

原作者のインタビューが見つからなかったので何とも言えないが、
おそらく大戦中の負傷兵を治療する軍医との関わりから生まれた作品だと思われ。
新聞社で働いていた頃の経験が直接的に活きる場面も。

今回、全体をロマンスに仕上げたのは英断。
それでいて、医療ものとしてのエピソードも追加する充実ぶり。
崩壊することなく1枚の絵の中に収めてみせた、監督の実力は中々のもの。

ドイツ軍に電撃作戦で攻撃される前夜。一時の平和を享受するポーランドに触れるなんて機会も珍しく。
Netflixオリジナルが世界中に枝葉を広げている功績と言えるだろう。

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