招待され試写にて鑑賞

無実の罪で投獄された男が隠し財宝の在処を知り、それを元手に復讐… いや、彼なりの正義の執行を行う物語

周到で相手の内面から破壊するような壮大な復讐劇は、長尺だが捌きが上手くテンポのよい展開で飽きさせることはない

見事なロケーション・美術・衣装も見所で、原作と違うらしい結末が原作ファンにとっても楽しみになるのでは…

#映画モンテクリスト伯

アレクサンドル・デュマによる傑作小説「モンテ・クリスト伯」の実写映画化。フランス映画祭2025オープニング作品。フランス映画

原作未読のため、改変の有無は未確認ですが、文庫全7巻の長編小説なので、その全体をまず理解するには、この作品を観るのが良いと感じる。
エデ役のアナマリア・バルトロメイとアンドレ役のジュリアン・ドゥ・サン・ジャンの若手俳優の演技が光る。他方で、ピエール・ニネがイケメン過ぎて、復讐に燃えるエドモン・ダンテスの後半の重厚さに欠ける印象。

こういう歴史大作は、年に1本は観たいところなので、とても満足の1本
2025年11月22日＠TOHOシネマズシャンテ

• #アレクサンドル・デュマ
• #セザール賞

【第50回セザール賞　美術賞、衣装デザイン賞受賞】
古典文学「巌窟王」を映画化した作品。フランスで大ヒットを記録、セザール賞では最多14部門にノミネート、美術賞と衣装デザイン賞を受賞した。

フランス映画祭オープニング作品として鑑賞。最近フランスでは古典文学の映画化がトレンドとなっているという。本作は原作のスケール感を失うことなく、しっかりとしたプロダクションに支えられた立派な超大作に仕上がっている。重厚で骨太なストーリーテリングも見事。

ピエール・ニネ、アナイス・ドゥームスティエ、ピエルフランチェスコ・ファビーノなど名優たちが巌窟王の世界を支えている。

美術賞や衣装デザイン賞受賞も納得の重厚な美術は素晴らしい。超大作の名に相応しいスケール感のある演出や撮影もよかった。正直文句のつけようがない出来で、3時間あるが誰が観ても楽しめる一作に仕上がっていると思う。

復讐と赦しをめぐるストーリーを骨太に語った演出は見事だし、アクション的山場もしっかり用意されている。緩急の付け方もよかった。まぁそもそもマスクで別人になりすますという荒唐無稽さは気にならなくもなかったが原作がそうだしね。

三人の悪役がそれぞれ金、名誉、地位という傲慢さを象徴しているという構図もいい。それぞれを破滅に追い込んでいくエドモンの復讐心と生じてくる葛藤を表現したピエール・ニネもよかった。

古典文学を正しく映画化した見本のような作品、日本公開も予定されているので広くオススメできる映画。3時間という長さは全く気にならない。誰でも楽しめる娯楽大作。

• #第50回セザール賞