
友⼈とエビフライパーティーをしている静岡スミコはふと思う。⾃分の感覚がいつの間にかひどく曖昧なものになっている。何が猛烈に好きで何が耐え難く嫌いか、何を⾯⽩く思っていて何を喋りたいのか、そのどれをもちっとも感じられないまま⼈⽣を過ごしてしまっていると。それからのスミコは⾃分と会話しながら⽇々を過ごす。実家にいる猫のおこげが彼⼥にとってとても⼤事である。馴染めない空間に馴染もうと挑んだ後は、美味しいチョコを⾷べる必要がある。⽩いスキニーを履いてパンツが透けている⼈が気になる。⼆⽇酔いで昨⽇のことを思い出すはずが、思い出す必要のないところまで思い出してしまう。くしゃみをすると⿐⽔が出ることを意味わからないなと思う。⼤学を卒業して⼊社した会社を4ヶ⽉でやめたスミコ。新⽣活の中で、⾃分がたしかに思っていることをたしかに思っているな と思いながらすごそうとしている。
凪(ナギ)は大阪で契約社員として働いている。 はじめての有給休暇前日に1年間付き合ってきた彼氏に振られる。 怪談したり、ライブ行ったり、ゲートボールしたり、昔好きだった人に再会したり、大喧…
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>>続きを読む熊本地震をきっかけに出会った同じマンションに住んでいた書店員の灯、精神科医師の鹿乃子、アパレルショップ店員の仁は意気投合し、やがて共同生活をすることになる。年齢も職業も境遇も違う3人だが、…
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>>続きを読むふと「ああ、あの夜本当に楽しかったな」と思いだせる夜があるだけで人は生きていける。大人になりきれない男2人のどうしようもない毎日の話。
サンフランシスコの24時間ダイナーでカップルが政治の話をしているとき、シギリアの若い僧侶は寺院の床を箒ではいている。マルセイユの漁師がまだ日ものぼらない朝霧の中、相棒と船で沖に出ているとき…
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