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『越後奥三面―山に生かされた日々』デジタルリマスター版

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『越後奥三面―山に生かされた日々』デジタルリマスター版の作品紹介

『越後奥三面―山に生かされた日々』デジタルリマスター版のあらすじ

昭和の終わりまで、新潟県の最奥に奇跡のように残されていた山村<奥三面(おくみおもて)>人々は山に生かされ、山を支えにして暮らしてきた。ダムに沈む村の最後の姿が、40年の時を経てよみがえる。 ケモノの狩り、川魚の漁、山菜やキノコの採集、田畑の耕作..... ここには山に生かされた日本人のくらしのすべてがあったー

『越後奥三面―山に生かされた日々』デジタルリマスター版の監督

姫田忠義

原題
製作年
2023年
製作国
日本
上映時間
145分
ジャンル
ドキュメンタリー

『『越後奥三面―山に生かされた日々』デジタルリマスター版』に投稿された感想・評価

3.3
時間の都合つけて行った割には教育的すぎて合わず…。ナレーションも即興というか脱力タイムズの滝沢カレン並(録りなおしてほしい)。

一住人としての視座を獲得していた小川紳介と比べるとガワを切り取ってるだけで、都会から撮影機材を持ち込み「記録」として文明側の傍観決め込むような姿勢では、熊狩りへの同行を断られるのは至極当然かと。

積雪や緑地も完全に被写体の力なんだが、歴史の終焉を感じさせる終盤は強度がぐっと上がる。特にサスペンスフルな丸木舟製作、伝統的な猟師衣装を纏った男たちのショットは白眉。いずれも凄まじい傾斜面から撮られている。
ミ
4.8
間違いなく記録映画の金字塔。
もはや撮影することができない人類の遺産ともいえる映像の数々を目にした。

新潟県の北部、朝日連峰の懐深くに位置する奥三面。人々は山にとりつき、山の恵みを受けて暮らしつづけてきた。冬から春、夏、秋、そしてまた冬へと季節は巡る。
4年にも及ぶ撮影は奥三面のありのままを記録する。何十年もの時間と空間を越えてスクリーンに映し出される、確かに存在した山の暮らし。その喪失と記録が現代に問いかける。

独自の発展と文明による搾取。縄文時代から続くとされる奥三面では江戸時代頃から何百年もの間、文明から遠く離れた生活をしていた。狩猟や山菜獲りといった自給自足の日々に加え独自に形作られた年中行事や神々への祈りなど、奥三面にしかないであろう文化がひっそりと存在していた。
時代が現代へと変わると文明の介入は避けられないものとなる。交通が整備されたことによる外部とのつながりの強化を表すかのような、プラスチック容器に包まれた宴会食事のテイクアウトが異質な存在として画面に映り込む。
ダム建設による閉村、それは一つの文化が消えてしまった瞬間でもある。奥三面の文化的価値は文明によって失われてしまった。

本作は他のドキュメンタリー作品で見かける説明的なテロップや方言訛りの為の字幕は存在せずナレーションも簡単なものであり、奥三面のありのままをフィルムに残すという強い意思が伝わってくる。また、ダム建設による閉村という事件はあくまで作品作りの背景として描かれる。奥三面が直面する現実の安易な物語化を避け、遥か昔から続く山の生活の在り方をただひたすらに記録するという映像作家としてあるべき姿勢に心から感動した。

発展と消滅の歴史から見えてくる記録という行為の価値。壁画や文字、絵画、写真、そして映像、記録はさまざまな形となって未来に問いかける。何を思いどう受け止めるのかと。
3.5
【生活の記録】
映画呑み部で話題となっていた『越後奥三面 山に生かされた日々』が再上映でポレポレ東中野に来ていたので早起きして足を運んでみた。ダム建設が盛んだった時代、日本では『ふるさと』『トラック野郎・一番星北へ帰る』のような映画が作られていたが、本作はダムに沈みゆく山村の生活をアーカイブした作品である。今であればスマホで撮影しSNSで拡散され、ネットの海に沈むような話だが、スマホのない時代ゆえに未知なる生活を緻密に覗き込む、ある種「観る文化人類学書」といった趣のある作品であった。

映画は年末近くの山村を捉えるところから始まる。大雪に埋まる村を掘り進みながら道を切り開いていく。村の全景を捉え、ミクロレベルでの生活に眼差しを向けていく。にんにくをすり込んだ団子を、いたるところに置く。村人たちが集まり宴を交わす。そして、人々は年を越す。1年の半分近くが雪で覆われている村。春から夏にかけては繁忙期であり、数年先を見越して食料を生産していく。ゼンマイ、栗、ヒエなどを時間と労力のかかる作業を経て加工していく。子どもたちも学校がなければ手伝うこととなる。インターネットなどない山村なので、ゆったりと時間が流れる。その時間は過酷であるが、人と人との繋がりがその過酷さを乗り越えていくのである。

映画は自然体の生活を捉える中で思わず「あっ!」と声が漏れる危険も余すことなく捉えていく。一本の木から船を作り、川へと運んでいく過程で、雪にズボッとハマり落ちていく人を捉えていくのだ。フリードキン『恐怖の報酬』さながらの怖さがそこにはあった。

こういうアーカイブ映画がデジタルリマスターされ、時を超えた現代に伝えられていく。こうした活動の重要性を噛みしめた一本であった。

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