【クリスマス版アメリカン・グラフィティ】 『Topology of Sirens』『ハム・オン・ライ』などを制作する、今注目のアメリカインディーズ映画会社Omnes Films。「私たちのミッションは、現代の映画の空白を埋めることです」とサイトで宣言しているように、物語よりも空気感を重要視しているこの映画会社にとって2024年は躍進の年であった。『No Sleep Till』がヴェネツィア国際映画祭批評家週刊でスペシャル・メンションを受賞、ベネズエラ映画『Los Capítulos Perdidos』の発表、そして2本の作品がカンヌ監督週間へ出品された。そのうちの1本『Eephus』はフレデリック・ワイズマンを起用したことで話題となったが、軍団のリーダー格ともいえるタイラー・タオルミーナは『Christmas Eve in Miller’s Point』でスティーヴン・スピルバーグの息子ソーヤーとマーティン・スコセッシの娘フランチェスカを招いた。そんな『Christmas Eve in Miller’s Point』をカナダのMUBIで観たのだが、とある映画がチラつく一本であった。