多様性が強く謳われる時代、在日韓国人の話でテーマとしては重そうでありながら、映画の作りとしては、ポップな感じもあり面白く見れた。日常を描く映画は山ほどある中、演技なのか、会話が本当に日常の様子のようで微笑ましくもあった。もうプライベートを覗いているかの様でもあったくらいwキャラも良いせいか、とても心地よい雰囲気なんだよね。ただ、当事者としては深刻な問題なんだろうけど。とにかく良かったね

在日外国人がテーマの作品。在日であることをそこまで気にしていない主人公のハルミだったが、姉の結婚を機に、その結婚を母親に反対され、さらには幼い頃つらい経験をしてきた姉の話を聞くにつれ、在日であることの辛さを徐々に理解していく。
世界中で人の流れが絶えず動いている昨今、今隣にいる人が自分と同じ国籍だとは限らない。そんな世の中で、自分とは異なる文化的背景を持つ他者との関わり方を考えるきっかけとなる作品だったと思う。

在日三世の姉妹とその家族の、日々の感情の機微を描く。監督・共同脚本は在日コリアンの 朴正一。

本作もまた、インディーズ映画レイトショーの良き出会い。

まず、俳優たちの自然な演技に驚かされる。殊に、大学生の妹ハルミとその友人たちのやりとりがとてもヴィヴィッドでナチュラル。しっかりとした脚本はありながらも、ある程度自由に演じてもらった結果というが、それにしても見事。

もう一つの白眉は、在日コリアンの民族意識の描写。具体的には、「外人」という言葉や、「恋愛」「結婚」に対する複雑な思い。
親 (二世) と子 (三世) とはもちろん、結婚を控える姉と大学生の妹の間にも存在する微妙な感覚の差。同時に、世代によらず共通して存在する感情。それらを、さりげない日常の中に織り交ぜて見せる脚本が素晴らしい。

終映後にティーチインあり。
タイトル (雨花蓮歌 うくわれんが) は造語で、意図せぬ誤字もあり、特に意味はない (本当か？)。
在日コリアンの当事者キャスティングではない。それは、皆在日であることを隠しているから。だから、募集しても集まらない。昨今の情勢を考えると無理からぬこと、と語る監督。

日系ブラジル人を扱った朴監督の前作『ムイト・プラゼール』も観てみようと思う。