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『ナポレオン:ディレクターズ・カット』に投稿された感想・評価

3.5
フランスの英雄であり皇帝ー
その程度の知識しかないが、映画を観た限りでは頭が良く戦争に長け、何よりもジョセフィーヌを生涯愛した男と理解した。やはりフランスにとっては英雄かもしれないが、これまた映画を観た限りでは、イギリスやロシアの方がしたたかと思うのは浅はかだろうか。
監督は「エイリアン」「グラディエーター」のリドリー・スコット。
主演は「ジョーカー」「ボーはおそれている」のホアキン・フェニックス。

[あらすじ]
フランス革命の混乱が続くフランスにて、1793年、反革命勢力とのトゥーロン攻囲戦にて、フランス革命政府に1人の英雄が現れる。
その名は、ナポレオン・ボナパルト(ホアキン・フェニックス)。
若き英雄は、砲兵の指揮能力を武器に戦果を重ね、権力を強めていく。
一方でナポレオンは、元貴族の未亡人ジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)に魅了され、その数奇な生涯を通じて、愛憎を募らせる…。

[情報]
生涯現役を貫く巨匠リドリー・スコット監督が、85歳にして監督を務めた歴史映画。

日本では2023年に158分のバージョンで劇場公開されたが、後にAppleTV+で205分のディレクターズカットが配信公開された。
このレビューは、ディレクターズカット版を前提としている。

リドリー・スコット監督は、膨大なフィルモグラフィにおいて、何度も歴史映画を撮っている。
デビュー作からして史劇であり、「グラディエーター」、「最後の決闘裁判」などなど、挙げるとキリがない。
リドリー・スコットは歴史映画のノウハウを熟知した専門のチームを有しており、スピーディーに、美麗な歴史映像を撮ることにかけては余人の及ぶところではない。

そのリドリー・スコット卿が今作で題材として選んだのは、知らない人のいないフランスの英雄ナポレオンである。
フランス革命期に一軍人から台頭し、ついにはフランス皇帝を称するまでに至った一代の英傑。
ヨーロッパのほとんどと、エジプトまで支配下に収めた、戦争の天才。
そして、ロシアの冬の前に、40万人を超える軍兵を死に追いやり、敗北で晩節を汚した男。

日本で言うところの豊臣秀吉みたいな人物であり、映画の尺で一生を総覧することなど、到底不可能である。
今作でリドリー・スコット卿は、従来悪妻として描かれることの多かった、ナポレオンの妻ジョゼフィーヌとの関係性に焦点を絞って映画化した。
ディレクターズカット版は、劇場版から47分の追加があるが、そのほとんどが、ジョゼフィーヌ関連のシーン、とのことである。

製作費は2億ドル、とも言われるが、詳細な興収は不明。アメリカ国内では6000万ドル、との記事もあり、劇場版のみで製作費回収、とはいかなかったように見える。
批評家、一般観衆共に、評価は分かれている。
史実との乖離や、ナポレオンの描写に悪意がある、などの批判が、主にフランス本国から寄せられているようである。

なお、リドリー・スコット監督はイギリス出身。
言ってみれば、韓国人の監督が「豊臣秀吉」という映画を撮ったようなものである。しかも全編韓国語で。
そう思えば、約束された炎上案件、と言えるだろうか。

[見どころ]
歴史映画を撮らせれば右に出るものがいない!!
達人・リドスコ監督の描く歴史スペクタクル!!
アウステルリッツ!ロシア戦役!ワーテルローの戦い!!
インテリ・リドスコ卿による衒学的なナポレオン関連西洋美術の再現映像の数々!!
ナポレオンの戴冠!!
絵画そのままの衣装!!
イギリス人・リドスコ卿の悪意溢れる、小物感満載の卑小なナポレオン!ホアキン・フェニックスによる完全再現!!
ヴァネッサ・カービーが情緒豊かに演じるジョゼフィーヌの、ナポレオンとの愛憎と、歴史に翻弄される理不尽な運命!!
そして、浮かび上がる、最近のリドスコ史劇に共通するテーマ性!!!

[感想]
楽しんだ!!
とはいえ、208分は流石に長い!
一気見は無理!!
分割して視聴!!

◾️<1>匠の技-歴史スペクタクルと絵画再現

先ずは何より、世界史的有名シーンの数々を、リドリー・スコット監督がこだわりの映像美で再現してくれていることを、楽しむべき作品だろう。

あ、これ、絵で見たことある!という映像が、何度も出てくる。
戴冠式は典型だ。
「ジョーカー」では痩せぎすの怪人、「ボーはおそれている」ではとっちゃん坊やを演じたホアキン・フェニックスは、今作ではしっかりナポレオンに見えるのも凄い。
特に衣装の再現度は凄まじい。
鑑賞後、ナポレオンで画像検索をかければ、実感できる。
この辺り、リドリー・スコットのこだわりの賜物だろう。

さらに戦場のシーンは圧巻だ。
ナポレオンの戦術は、砲兵、騎馬、歩兵の連携に特徴があるようだが、見事に映像化している。
史実にはあまり拘らず、「映画的」に工夫してくれている結果、各戦場がそれぞれ個性的で、飽きないようになっている。
エジプト遠征!ときたら、ピラミッド!!とか。
アウステルリッツ!ときたら、氷を割る!!とか。

フランス革命の軍人時代から、流刑地で息を引き取るまで、ナポレオンの一生をダイジェストで映像で一望できるのは、歴史好きとしてはわかりやすく、ありがたい。

◾️<2>リドリー・スコットの悪意
ただ、今作は、単なる歴史スペクタクル、というには、毒が強過ぎるきらいがある。

今作のナポレオンは、徹底して自意識の塊、虚勢を張るが、実際には脆弱な男性、として描かれる。
ナポレオンの一挙一動の描写が、シリアスながら、ブラックなユーモア含みなのだ。
砲兵の指揮の際にいちいち耳を塞ぐ、とか。
繰り返されるマウンティング的言動、とか。
犬のような「交尾」シーン、とか。

その脆弱性は、特にジョゼフィーヌとの関係において顕著である。
英雄としては、滑稽なまでに、初心。
溺愛、依存、拘束。
遠征時のジョゼフィーヌへの情けない手紙の数々!!

これを見たフランス人が、気分を悪くしたとしてももっともであろう。
自国の英雄が、こんなにも情けない姿で描かれると、怒りもするだろう。

リドリー・スコット監督の芸風は一貫して、人間の愚劣さと神の不在を描く、という点にあり、今作もその系譜ではある。
とはいえ、今作の尺がとても長いこともあり、ここまでしなくてもいいんじゃないかな、という気になってくる。

◾️<3>真の主役、ジョゼフィーヌ
もちろん、リドスコも単なる意地悪や、英国人の隣国への歴史的なライバル関係から、このような悪意に満ちた表現をしているわけではなかろう。

では、今作で、あくまでナポレオンが卑小で碌でもない、情けない男として描かれるのはなぜか?

それは、おそらく、今作の主眼が、ナポレオンを通して、ジョゼフィーヌの人生を描く点にあるためである。

従来は身持ちの悪い悪妻として伝えられてきたジョゼフィーヌは、今作では、理不尽な目に遭いながらも、何とか時代の荒波を生き抜いた一人の女性として描かれる。

フランス革命による突然の身分制の崩壊。
息子と娘を守るため、元貴族の未亡人ジョゼフィーヌは、売り出し中の将校ナポレオンに目をつけ、生き残るために取り入る。
その結果、ナポレオンは、ジョゼフィーヌに心底惚れてしまう。

この時、ジョゼフィーヌの心は、どうだっただろう。
惚れた弱みを利用する気持ち、経済的な依存心、情を交わした者の愛着。
人の心は単純ではない。

その後イタリア・エジプト遠征中、ジョゼフィーヌの気持ちは一度はナポレオンから離れた、かに見える。
その後の人生の激変!!!
夫の粘着!!共依存的な不健全な関係!
その夫が、何と皇帝になり、自分は皇后へ!!
しかし、時代錯誤な世襲への妄執が、徐々にジョゼフィーヌを追い詰めていく!!

ある意味で、ジョゼフィーヌの離婚申請のシーンこそが、今作のクライマックスだ。
歴史の中で、家父長制の名の下に、女性たちが受けてきた理不尽の極み!!!
反吐が出る!!!

こうして見ると、男性史観の歴史が誇張してきたナポレオンの虚像を引き剥がし、脆弱な実像を描く、というのは、ジョゼフィーヌの実像との対照として、必須に思えてくる。

総じて、リドスコの、リドスコらしい切り口による、リドスコっぽい毒気に満ちた作品、という印象だ。
たしかに、ナポレオンの人生を2時間にまとめるのは無茶。
だが、映画として3時間28分は、流石に長過ぎる。

[テーマ考]
今作のテーマは、英雄の名の下に、悪妻扱いされ、過小評価されてきたジョゼフィーヌの存在の歴史的意義を問い直す作品である。
その対照として、ナポレオンの実像を現代的な観点から、問い直す作品でもある。

また、男性中心主義的な家父長制が支配する歴史において、抑圧されてきた女性の姿を描いた作品でもある。

リドリー・スコット監督は、「ハウスオブグッチ」「最後の決闘裁判」といった、最近の歴史映画でも、一貫して「歴史の影で抑圧されてきた女性たち」という共通するテーマを描いており、老境に達した巨匠の問題意識が窺える。

[まとめ]
巨匠の悪意と問題意識とこだわりが窺える、良くも悪くもリドリー・スコット節が炸裂した歴史スペクタクル映画。

さて、リドリー・スコットは、今作の後に歴史大作の続編「グラディエーター2」を監督し、2024年11月に公開された。
今後はビー・ジーズの伝記映画か、「ドッグスターズ」なる近未来SFに取り掛かる予定、と報じられている。
御年87歳にしてまだまだ製作意欲は衰えず。
これからも、意地悪で尖った作品を作り続けて欲しいものだ。
rii
4.0
史実とは異なるナポレオンとジョセフィーヌの恋愛映画だと割り切って見ることをおすすめします。
公開当時、不評を耳にし映画館で見るのを躊躇いそんな中、ディレクターズカット版が配信されると知りついに鑑賞に至りました〜。
フランス史苦手でナポレオンの知識ナシで見たので危うくこんな人だったのかと誤った認識をしそうになったけど、いろんな考察や解説見てとても安心、納得した。笑
でも3時間あっという間だったので見応えはありました。当時のフランスの街並みや戦など私は楽しんで鑑賞できました。
これを期に史実に忠実なナポレオンの映画も見たいな。

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上映日:

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