🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-426 再鑑賞
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-572

🖋 怖い怖いですね！！冤罪モノはいつも胸が痛みます。。。いつものヒッチコック作品からすると異色の作品。なんとヒッチコックが最初に出てきて、「これは実話に基づく」と。。。そう本作はいつもと違って、実話ベースの映画化、1953年にニューヨークで起きた事件をもとに、強盗犯に間違われた男の悪夢のような恐怖を描いた作品です。

🖋主人公マニー（ヘンリー・フォンダ）が、強盗の容疑をかけられ無実の罪を着せられてしまいます。そして彼の妻（ヴェラ・マイルズ）は精神を錯乱させしまい、貧しくても平和だった一家が崩壊していく、そんな様を描いてます。

🖋操作の杜撰さや冤罪の恐ろしさは、こう言った作品ではよく取り上げられますが、本作は一方で犯罪がいかに人・家族の一生を狂わせるか、そのプロセスをリアル描いた作品です。終盤は妻の狼狽ぶりを淡々と追いかけていき、精神を病んだままラストを迎えるのが辛いですね。。。

🖋ヒッチコックの異色作と言われる所以、
主役に演技派のフォンダを起用し、その内面を徹底的に深く掘り下げて追究したところですね。フォンダの表情の演技もやはりとても素晴らしく、陰影に満ちたモノクロ画面や、その不安を煽る音楽と相まって、不穏な世界観を終始貫いています。。。

😔Story:（参考: WOWOW ）
ニューヨークのクラブで活動するバンドミュージシャンのマニーは、ある日帰宅したところを突然、刑事たちに逮捕されてしまう。彼は直前、妻ローズの治療費を工面しようと保険会社に立ち寄ったが、そこの受付の女性が彼のことを、以前同社を襲った強盗犯に違いないと警察に通報したのだった。マニーは必死で無罪を訴えるが、裁判は彼に不利な方向へと進んでいく。何とか一時的に保釈されたマニーは自分の無実を証明する証人を探す。

🔸Database🔸
・邦題 :『間違えられた男』
・原題 :『The Wrong Man』
・製作国 : アメリカ
・初公開 : 1956
・日本公開 : 1957/06/19
・上映時間 : 105分
・受賞 : ※※※
・監督 : アルフレッド・ヒッチコック
・脚本 : マクスウェル・アンダーソン、アンガス・マクファイル
・原作 : マクスウェル・アンダーソン
『The True Story of Christopher Emmanuel Balestrero』、ハーバート・ブリーン『A Case of Identity』
・撮影 : ロバート・バークス
・音楽 : バーナード・ハーマン
・出演 : ヘンリー・フォンダ、ヴェラ・マイルズ

🔸Overview （参考:映画. com）🔸
無実をはらそうと逃走を図るヒッチコックお得意の虚構サスペンスとは一線を画す作品。監督自らが冒頭に登場し「真実のストーリー」であることを告げている。金を借りるために生命保険会社へ出向いたマニーは、以前入った強盗犯と間違えられ拘束される。高額の保釈金を支払い、妻と共にアリバイ立証のため奔走するが……。鉄格子ごしの風景など、主人公の視点で構成されたカメラワークや、少ない台詞で無実の罪に混乱した悲壮感がリアルに描かれている。

• #死ぬまでに観たい映画1001本

1956年 🇺🇸映画 モノクロ作品。

BSで放送していたので録画して深夜に鑑賞。

有名な作品ですが 今回 初鑑賞。
アルフレッド・ヒッチコック監督作品。
これまで何本も彼の作品を観てきたのに 本作を見逃していたとは。

自分の作品にユーモラスにカメオ出演していた お茶目なヒッチコックだったが、本作では イキナリ冒頭から登場！
しかも『アルフレッド・ヒッチコックです。』と自ら名乗っている始末。
姿は見えないシークエンスではあるが、この演出には意表を突かれた。
彼は言う『本作は実話である。』と。

本作はいわゆる『冤罪』もの。
保険会社に借入れを申し出に訪れた ある男 が、数日前にこの店舗に押し入った強盗と『ウリ二つ』だった為 犯人と間違えられてしまう。
そこから始まる ごく平凡な男の地獄の日々。
彼の無実は晴れるのか・・・

今となっては冤罪モノの作品は数多く作られ公開されているので 物珍しさは正直無いのだが、50年代のアメリカでは かなり衝撃的な内容の作品だったのだろうと感じた。
本作も無駄な脚色を極力省いて真実のみを淡々と追いかけていて 一気に見入ってしまった。
しかし 娯楽的な要素はほぼ無いので強く印象に残らないのが、ちと残念。

とは言え そこはヒッチコック！
目撃者達の表情、仕草。
無実の男の妻の とまどい。
事件を追う刑事 担当する弁護士の無気力さ。
サスペンスの人物描写はピカイチ！
そして主役のヘンリー・フォンダ。
終始 泣き出しそうな あの表情。
まさにベストキャスティング！！
彼を応援したくなる とまではいかないのだが、同情はしてしまう。という。
観ている我々を こんな気持ちにさせるためのキャスティングだとしたら完全にヒッチコックの魔術にハマってしまった。
グルグル回るカメラワーク、
パトカーの中から見える窓越しの妻のシークエンス、
鏡を使った巧みなカット割り。
映像的にも酔いしれるカットが随所に散りばめられていて 不安な想いを煽ってくれる。
だが、意外にもラストはあっさり。
まぁ 実話だから仕方ないのかな？
散々盛り上げておいて最後にショボン.....って感じ。
メインディッシュは最高だったのに シメのデザート が最悪な レストランでの夕食のような作品だった😝。

冤罪で警察に捕まった男の恐怖を描いた作品。
ヒッチコック監督がメガホンを取り、主演はヘンリー・フォンダ、ヒロインをベラ・マイルスが演じる。

暗闇の中で一筋の光に照らされたヒッチコックが冒頭に登場して実際にあった物語であると述べるシーンから始まる。
マニー・バレストレロ（ヘンリー・フォンダ）はクラブで働くベースの奏者で、競馬を時々楽しんでいた。
妻（ベラ・マイルス）の歯の治療費300ドルを借りるために、保険証書を担保に、共同生命保険会社を訪れるが、以前保険会社に押し入った強盗犯と似ているという理由で逮捕されてしまう。
高額の保釈金を支払い、妻と共にアリバイ立証のため奔走するが、アリバイを立証してくれるはずの2人の男はすでに死んでいた。
自暴自棄になった妻は精神を病んでしまう。
果たしてマニーの運命は如何に？

オープニングで顔が映らないヒッチコックのナレーション映像が作品内容を暗示していて秀逸です。
警察に目を付けられたら最後、誰でも犯人に仕立て上げられて拘留される可能性がある恐怖を描いています。
冤罪は容疑者本人のみならず、周囲の人の人生まで狂わせてしまう危険性も。
現実に起こりうることなので本当に怖いです。

2021.7　NHK BSPで鑑賞（字幕：菊地浩司）

• #1953年１月14日の早朝
• #生命保険会社への2度の連続強盗
• #110分署
• #アリバイ
• #ボクサー