KIDDO キドーを配信している動画配信サービス

『KIDDO キドー』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

KIDDO キドー
動画配信は2025年5月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

KIDDO キドーが配信されているサービス一覧

『KIDDO キドー』が配信されているサービスは見つかりませんでした。
代わりに『KIDDO キドー』を上映している映画館が見つかりました。
上映館
 - 5館
U-NEXTに入会して対象映画館のチケットをお得に入手する方法

U-NEXTに入会すると上映作品を映画館でお得に観れます。
TOHOシネマズ、イオンシネマ、109シネマズなど多くの映画館が対象になっています。

  • 無料トライアル登録特典
    31日間無料の初回登録で600ポイントがもらえます。
  • 映画チケット引き換えクーポン
    1枚1,500ポイントで映画チケットを発行できます。無料登録後に900ポイントを追加すれば、実質900円で映画を観ることができます。
  • 月額プラン会員特典
    次月以降は毎月1,200ポイントがもらえ、300ポイント追加で毎月1本映画を観ることができます。

KIDDO キドーが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

KIDDO キドーの作品紹介

KIDDO キドーのあらすじ

ママがやって来る!児童養護施設で暮らす11歳の少女ルーのもとに、離れ離れだった母親のカリーナから突然連絡が入る。自称ハリウッドスターのカリーナは、再会を喜ぶルーを勝手に施設から連れ出し、「ポーランドのおばあちゃんのところへ行く」と告げる。カリーナにはルーとずっと一緒にいるための、ある計画があったのだ。「人生はゼロか100かよ、お嬢ちゃん」。ルーは破天荒な言動を見せるカリーナに戸惑いながらも、母親と一緒にいたいという思いでついていくのだが…。

KIDDO キドーの監督

ザラ・ドヴィンガー

原題
KIDDO
公式サイト
https://culturallife.co.jp/kiddo_film/
製作年
2023年
製作国
オランダ
上映時間
91分
ジャンル
ドラマ
配給会社
カルチュアルライフ

『KIDDO キドー』に投稿された感想・評価

第73回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門選出のオランダ映画

オランダの児童養護施設で生活する11歳のルーの元に、離れていた母が訪れ、2人で、ポーランドの祖母の家へ行くロードムービー。
破天荒な母(それ故に、ルーは施設に預けられている様子)と普通の母子関係になりたいルーの少し風変りな母子物語。
回想シーンで、ポップな効果音入りのコミカルなシーンが差し込まれるのは、独特で、作品のアクセントになるのだけれど、それ以外のシーンにも、効果音が差し込まれるのがノイズになって、せっかくの物語やルーの演技の邪魔になっているのが、残念。基本的に、ルーの視点が中心に描かれている。
2024年4月27日@京都シネマ
4.4
(*」´□`)」<好きぃー!

「ママが明日来る!」
オランダの児童養護施設で暮らす11歳のルーは、突然の連絡に喜ぶ。
最後に会ったのを忘れるほど離れていた母は自称ハリウッドスター★ミ

面会した母は、カウボーイブーツで、青いボロボロのシボレーカプリスでやってくる。
連れ出されたルーに母カリーナは言う。
「人生はゼロか100かよ♡お嬢ちゃん」😉
破天荒なカリーナに飲まれつつも、母と一緒に居たいルーは、施設に戻らず、ポーランドの祖母の家にいくことにする。
曰く「ババアのヘソクリを奪いに行く!」

お互いをボニーとクライドと呼び合い、アンモラルな行為を高らかに謳歌するーー。
ルーの視点で描く母娘のロードムービー🚙 ⸒⸒


アメリカン・ニューシネマを彷彿とさせる映画。
キラキラが詰まってる。
眩しいんじゃー!
天空の城ラピュタで、ポム爺がシータの飛行石をみて、「すまんがその石を仕舞ってくれんか、ワシには強すぎる、、」って言う位、眩しい。

娘のルーがとても可愛い。
当初ママのとんでも行動にドン引きしてたのに、だんだんママの真似っ子していくのも微笑ましくも思える。
ノリノリで汚い言葉を覚えていくルーちゃん。
仲良かった友達が不良とつるみ出して、遠い存在になってく儚さも感じてしまう。|ω・`)

「アノーラ」や「フロリダ・プロジェクト」のショーン・ベイカー監督が絶賛!という宣伝の煽り文句に納得です(*´ω`*)
冒頭のシーン、フロリダプロジェクトへの愛を感じちゃう。

こういうのが好きなの!と言いたい。
そんな作品でした。

エンドロール始まってスグ立ち去った人がいたけど、その後も映像ありますから!我慢ですョ(*´ω`*)

以下、内容あーだこーだ(´・×・`)































オランダからドイツを経由しポーランド国内を走ってるはずなのに、2人はアメリカを旅してるような幻想を見る映画。

ボニーとクライドとお互いを呼び合う様も、実際の犯罪者ではなく、「俺たちに明日はない」だし、「テルマ&ルイーズ」なのね。

欧米人の方がダイレクトにこの違和感を面白がれると思う。
ボロボロのポンコツシボレーの抜けなくなったCDが軽快に60年代の音楽を流し、モーテルに泊まり、アメリカンダイナー風のお店へ行き、無銭飲食をする。
それなのに、時々ポーランドの田園風景が広がるミスマッチ感。


ポンコツシボレーのエンジンがかからなくなり押しがけする。
昔の映画によくあったシュチュエーション。
背中で押し出すのも、教科書通りね!

MT車ならではの始動法として知ってるけど、今のAT車は機構上できないので、人生一度くらいは私もやってみたいのに、AT全盛な現代では寂しい限りです(*/∀︎\*)
押しがけは、私も映画とかドラマで覚えたクチ。
旧車のシボレーなら、構造が単純だからAT車だけど押しがけ出来るのかしらん。
車に詳しくないので想像ですが(´-`).。oO


カリーナは言う
「いい映画は白黒しかない」と。
彼女は昔の映画の価値観と知識をベースに行動している。
その刷り込み的な思想。
1日1回叫ばないとおかしくなる。
少し前までは薬でロボットみたいだった話。
ゼロか100しかない極端な思想。
突発的な行動、不安定な感情、、。
想像になるが、カリーナは境界性パーソナリティ障害か双極性障害があり母親失格の烙印を押され、子供と引き離されたのでは無いかと想像をしてしまう。

オランダの福祉は手厚い。
児童虐待の未然予防措置は、親権者より行政が強く、親子を引き離すことも、面会の制限も行える。
カリーナとルーの置かれた状況はこれなのだろう。
そのため勝手に連れ出したのは、正に逃避行なのだ。

また、オランダとポーランドの関係も今作には関係する。
2004年、EUに加盟したポーランド。
欧州諸国では、今までの5倍10倍の年収になるため、ポーランド人はこぞって出稼ぎに出かけたり、移民になった。
イギリスが人気だったそうだが、技能がない者に対しては冷たい国。
その中でオランダは農家や工場の仕事が多く、教育レベルが低くても働けた国。
そう考えると、ポーランドからみたオランダは、アメリカンドリームを掴みにいく国だったのかもしれない。

ポーランドから出稼ぎなり、移住したカリーナは、アメリカ映画のような夢をオランダに抱いていた。
そして子供から引き離された現実。
病院や薬物での治療。
母親失格の不安や自信のなさを抱えながらも、ハリウッドスターだと娘に伝え、容姿や性格、行動を染め上げる。
母親になるという気持ちよりも、娘と一緒に居たいという想いの強さ故の行動だったようには思う。

映画はルーの視点で、母の犯罪行為にも憧憬すら感じるあっけらかんとした目線で描かれる。
母の幻想に全部乗っかることを決め込むようだった。、
行動にコメディやアニメ的なSEがつきだすのも、幻想の民なのだろう。
児童養護施設で不貞腐れていた時と顔つきが変わり輝き出すの素敵+.゚(´▽`人)゚+.゚


だけど現実は逃がしてくれないし、ルーが現実を完全に捨てられない象徴がスマホだったように思う。
自分を守るより母の行動を庇いつつ、自分の意思で行動したことだと伝え続け、代わりに謝るルー。
カリーナは最初からさっさと車の窓から放り投げたスマホ。
どうにでもなぁれー!なのである。

開幕、真っ暗な中スーパーのカートを押していたカリーナ。
アメリカのホームレスが自分の荷物をカートに入れて押しているアレだ!と思うので、まともな生活をしていたと思えない。
だけど、元々のカリーナはそこまで破天荒キャラでもなかったのでは無いかとは想像してしまう。
娘と会うための過剰演出を映画の力を借りた、、とまで思ってしまう。


旅の始まりに、ちょっとまってて!からの、当然のように大量の万引きをしてくる。捨てられていたクマのぬいぐるみも拾ってくる。
逃亡者には変装は基本でしょ!と大量のカツラとサングラス😎
形から入りがち。

いちいち唾を吐き、2人で座りションをし、ダイナーの客の容姿を2人で弄り、カバンにポテトフライを突っ込み、無銭飲食する。
ゴール付近で舐めプ豪遊をする。


コーン畑を超えた先に恐竜がいたのも出来杉か!と思いつつ、幻想に私もかけられる。
だが、現実(スマホ)を手放していなかった相棒に失望するカリーナと、幻想に付き合ってあげていただけのルー。
母娘の関係でなく、相棒として考えていた母と、母を求めるが故に幻想に寄り添ったことがわかる娘のシーンは悲しかった。

母親なのに!置き去りにするなんて!と叱る姿は、どちらが母親なのか分からない。
「普通のママでいてよ!!」というルーの言葉。
その普通が出来なくて苦しむカリーナにはとても苦しい言葉。

「アンタのママになりたかった」
というカリーナの吐露は、こんな形でしか娘への愛情を表出することが出来なかった不器用さを苦しむ言葉で、胸が詰まる。


再び壊れたシボレー。
テレビは斜め45度からチョップすると直る的な、往年の叩けば直る理論でガンガンエンジンを殴るカリーナ。
どこまでも60年代なのである。
セルが回りだしてカーオーディオが鳴り出すから、殴ってなおるのかいー!と笑そうになるが、煙も吹き出すボンネット。。。

結局シボレーの息の根が止まる。
曲が流れる中、花火と共に車が爆発する様が笑っちゃうくらい幻想的。
同時に、蛇のヘンク生存の希望が失せたことも教えてくれる。(´;ω;`)


ロードムービーにはお約束のヒッチハイク。
カリーナは普通の母親になってよ!の声に少し幻想を失い気味。
ルーが試すヒッチハイクにも、映画じゃないんだから無理でしょ、、みたいな冷たい反応。
カリーナとルーの立場が逆転しているから面白い。

ルーはそれでも車にサムアップを続ける。
暫くして、カリーナの幻想エンジンも始動する。
「やるなら正しくよ、お嬢ちゃん!」
ただ立ちんぼでサムアップするのではなく、縁石に足を乗せ、太ももをチラつかせるのが正しいマナーよ!と、2人でヒッチハイクを始める。
このシーンがほんとカッチョイイ。🥰
正式マナーなら止まるトラックよ。


とうとう着いた、クソババアの家。
案の定、妹?が出てきて、数年前に母親は死んだよ!と言われる。
今更連絡とれないのに帰ってきて!と、至極常識的なことで非難をする。
母も家族も、カリーナのことを常識から外れた普通じゃないヤツと見ていたことがわかる。
だからカリーナはオランダに夢をみたんだろう。

つっけんどんに閉められた扉。
幻想が一気に崩されそうな刹那、フルスロットルで突き抜ける母娘。

コレ、お金なんかないでしょー!と思ってたよ。
あるんかーい!( ゚д゚)えぇ
キッチンの天井とか、そんなベタな所にザクザク出てくる札束。
ババア、ほんとに溜め込んでた。
それでもまだ、幻想に浸りきれない私は、どうせ東ドイツマルクとかで、今は使えないお金なんでしよー!?とまだ思ってた。
ちゃんと車買えるじゃん!!
(;´ФДФ`)ウソーン


後半のこの狐に摘まれた展開に笑っちゃいました。
幻想はあるんだぜ!お嬢ちゃん!?って言われてる気がしちゃう。
ありがとう、ボニー&クライド。

花火のクソガキに、
「お前知らないのかよー!ボニー&クライドって最後死ぬんだぜ?」
と揶揄されてた通りに、悲しいエンドなのかな、、とハラハラしてたのに。

お金が手に入ったら、家を買って母と2人で住みたいルーと、このまま破天荒に旅を続けて行こうというカリーナ。
それは幻想を終わらせ、普通の日常帰りたい娘の願いと、普通に生きていけない母の想いをみるようだった。
指切りの約束にもう縛られない。
「0か100じゃなくて、ちょっとでいい」
それはカリーナの呪縛を解く言葉だったのかもしれない。
ルーは蛇のヘンクの脱皮のように、母娘、古いアメリカ、そんな幻想からの脱皮であり、成長でもあったように思う。

新車で快適に進む、、🚗³₃
ルーが目覚めた時、児童養護施設の駐車場に車とお金を置いて居なくなったカリーナ。
幻想の終わりを受け止めるルー。

「探し物は探すのを辞めた時に見つかるものよ、お嬢ちゃん」

クマの目玉から出てくるハンク🐍
そこぉ!?ꉂ(ˊᗜˋ*)
回収まで完璧で大好きよ。


途中で年代や場所がわかんなくなる作品。
とても好き(*´ ω`*)♡
3.8
ショーン・ベイカーの再来?/アメリカン・ニューシネマへの郷愁

1990年生まれ、オランダの新鋭、サラ・ドヴィンガーによる長編初監督作品で、2023年のベルリン国際映画祭で話題を呼び、各国で映画賞を受賞。

見始めてすぐ思ったのは、『これは、ショーン・ベイカーのフロリダ・プロジェクトの続編だわ』 と。そう思ってからは、そのモードで見てしまい、余計に感情移入してしまいました。

こじんまりとした作品で、すごい映画!というわけではありませんが、感情に訴えかけてくる、とても素敵な映画でした。
こういう映画に弱いんですよね。。


■ どんな映画?
ストーリーはシンプルで、小さい娘を置き去りにして、長い間行方不明だった母親が、ある日、児童養護施設で暮らす娘のもとに現れ、ボロボロの車に乗せて連れ出してしまう。

母親カリーナは『ポーランドの実家に行って、ロクでもない母親が溜め込んだ金を奪って、親子二人で暮らすのさ!』と、意気揚々と車を運転しますが、そんな母親の情緒はどこか不安定。

ただ、しっかりものの娘ルーは、そんな母親が今でも大好きなのでした。

『Life is 100 or zero, kiddo!』
人生は、オール・オア・ナッシングなんだよ、お嬢ちゃん。

ハイテンションの母親が叫ぶ、『私たちはボニー&クライドなのよ!』 の雄叫びとともに、二人はおんぼろ車でポーランドに向かうのですが、、というのがストーリーラインです。

タイトルのKIDDO(キドー)とは、”Kid"より親しみがこめられたニュアンスとして使う言葉。
そて、映画の内容とぴったりの、素敵なタイトルなのでした。


■ アメリカン・ニューシネマ
今年のアカデミー賞を総なめにした「ANORA」や、「フロリダ・プロジェクト」を撮ったショーン・ベイカー監督が本作を絶賛し、サラ・ドヴィンガー監督もまた、ショーン・ベイカー監督の大ファンとのこと。

ショーン・ベイカー監督は、現代のアメリカン・ニューシネマの旗手と言われますが、そもそもアメリカン・ニューシネマとはなんなのか。少し前のNHKの『世界サブカルチャー史』でも詳しく紹介されていましたが、特徴をいくつかピックアップしてみます。

□ 時代背景
『黄金の60年代』と言われたアメリカがベトナム戦争でつまづき、政治不信が高まる。今までのような成長は見込めなくなり、反戦運動やヒッピーカルチャーが起こる『行き詰まったアメリカ』を象徴するムーブメントで、時期は60年代後半~70年代前半まで。

□ アメリカン・ニューシネマの特徴
・アンチ・ハッピーエンド
・反体制、アンチヒーロー
・社会の歪み、格差、疎外感の描写

□ 映像の特徴
・ロケ撮影を多用
・自然光、手持ちカメラ、長回し
・モーテル、工場地帯、高速道路などの無機質な都市風景

□ 作品例
・1967 「俺たちに明日はない」
・1967 「卒業」
・1969 「イージー・ライダー」
・1976 「タクシードライバー」 など

それ以前のハッピーエンドの娯楽大作から、個人の内面にフォーカスを当て、社会に対する怒りや不安などをストレートに表現し、エンディングを含めてリアリティを追求した映画、という感じ。

すごく乱暴ですが、今風に言うと、A24っぽい作品とも言えますね。


■ KIDDO 感想
ということで、本作はまさしく、アメリカン・ニューシネマの系譜の作品でした。

本来のアメリカン・ニューシネマは、その後、スピルバーグらによるハリウッド大作化の流れの中でマイナー化していくことになりますが、多くの監督によって、今もその系譜は受け継がれています。

本作との位置付けで言うと、個人的には、以下のような作品との類似性を感じました。

「俺たちに明日はない」
これはもう、本作の主人公がボニー&クライドなのよ!って言ってるますしね(笑

「パリ、テキサス」
失踪していた父親トラヴィスが、弟夫婦に預けていた息子ハンターを迎えに行き、ぎこちない再会を果たす。そして、徐々に親子の絆を取り戻し、母親を探すため、二人で車で旅をするロードムービー。

「テルマ&ルイーズ」
”1990年代の女性版アメリカン・ニューシネマ”と呼ばれた作品。女性二人によるロードムービーとして、むしろ俺達に~よりこっちのほうが近い印象

「リトル・ミス・サンシャイン」
子どもと家族による、わちゃわちゃロードムービーとして。車を押すシーンや、子どもがむしろ親よりも大人だったりとか。

「aftersun/アフターサン」
久しぶりに会った子どもと、どう付き合ったらいいか、何を話したらいいか戸惑うものの、次第に打ち解け、限られた時間をできるだけ子どもと楽しく過ごしたいという気持ち、また、親に漂う気持ちの不安定さのあたり

長々書いてしまいましたが、この辺りの作品が好きであれば、本作もきっと楽しめるはず。

すでに、次回作2作品が動き出しているとのことなので、今後もウォッチしていきたい監督です。


□ 感想
本作、評価が真っ二つのようで、この毒親が生理的に無理っていうのも理解できます。

たしかに、置き去りにしたのは許せないし、『こんな母親ならいないほうがマシ』と啖呵を切って親元を去ったくせに、自分が結局同じような、いや、もっとひどい親になってしまっていて、到底、共感はできない。

ただ、子どもが出来たからといって、自分が急に立派な大人になれるものでもない、ということも分かります。

また、子どもにとっても、生まれてくる親は選べないわけで、こんなひどい親であっても、ルーにとってカリーナは大切なお母さんなんですよね。

劇中、故障した車のヘッドライトの灯りの中、二人で踊るシーンがありましたが、そんな、ぎこちなくも一生懸命親子をやっている二人を見ていると、胸が熱くなりました。

『Life is 100 or zero, kiddo!』
人生は、オール・オア・ナッシングなんだよ、お嬢ちゃん。
そして、それに対する見事なアンサーのエンディング。たった90分ちょっとの映画でしたが、不安そうな冒頭から、ちょっぴり成長していたルーの表情は印象的でした。

アンチ・ハッピーエンドがアメリカン・ニューシネマの特徴ですが、本作のエンディングは、テルマ&ルイーズなのか、リトル・ミス・サンシャインなのか、そのあたりは見てのお楽しみということで。。


□ 余談「フロリダ・プロジェクト」
ショーン・ベイカー監督による「フロリダ・プロジェクト」。貧困層でその日暮らしのシングルマザー、ヘイリーと、その6歳の娘ムーニー。

二人は安モーテルに暮らし、母親は詐欺まがいの方法で日銭を稼ぐしかない、決して褒められた親ではありませんでしたが、ムーニーはそんなお母さんが大好きでした。

本作は、そんな「フロリダ・プロジェクト」が辿るその後の波乱の展開からそのまま繋がっているように思え、冒頭の感想に至ります。

「フロリダ・プロジェクト」に打ちのめされてしまった方は、是非見てみてください!

『KIDDO キドー』に似ている作品

マチルド、翼を広げ

上映日:

2019年01月12日

製作国:

上映時間:

95分

ジャンル:

3.6

あらすじ

フランス、パリ。ちょっと変わり者のママの突飛な行動に振り回され、学校でも友人ができず孤独な日々をおくる9歳のマチ ルド。ある日、ママが小さなフクロウを連れてきた。驚くことに、フクロウはマチ…

>>続きを読む

スウィート・シング

上映日:

2021年10月29日

製作国:

上映時間:

91分

ジャンル:

3.9

あらすじ

普段は優しいが酒を飲むと人が変わる父アダム。家を出て行った母親イヴ。頼る大人がいないビリーとニコの姉弟。ある日出会った少年マリクとともに、彼らは逃走と冒険の旅に出る!世界はとても悲しい。で…

>>続きを読む

ドライビング・バニー

上映日:

2022年09月30日

製作国:

上映時間:

100分

ジャンル:

3.6

あらすじ

ある事情から、妹夫婦の家に居候中のバニー。娘とは監視付きの面会交流しかできない。それでも、明るい笑顔と気の利いたトークで車の窓拭きをして必死に働いている。夢は娘の誕生日までに新居へ引っ越し…

>>続きを読む

グレース

上映日:

2024年10月19日

製作国:

上映時間:

119分

ジャンル:

配給:

  • TWENTY FIRST CITY
3.9

あらすじ

第76回カンヌ国際映画祭「監督週間 」正式出品 ロシア南⻄部の辺境、乾いた風が吹きつけるコーカサスの険しい山道。無愛想な目をした16歳の娘と寡黙な父親。二人は移動映画館で野外上映をし、ポル…

>>続きを読む

都会のアリス

上映日:

1988年11月19日

製作国:

上映時間:

111分

ジャンル:

4.0

あらすじ

仕事で依頼された旅行記が書けず、自信を失っていたドイツ人青年・フィリップ。ある時、ニューヨークで9歳の少女・アリスと出会う。彼女の母が失踪し、途方に暮れたフィリップは、仕方なくアリスを連れ…

>>続きを読む

歓びのトスカーナ

上映日:

2017年07月08日

製作国:

上映時間:

116分
3.5

あらすじ

虚言癖でおしゃべりな自称・伯爵夫人ベアトリーチェ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)と、自分の殻に閉じこもる全身タトゥーの女ドナテッラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)。トスカーナの診療施設から…

>>続きを読む

関連記事

【発表】初日満足度ランキング!1位は映画『名探偵コナン 隻眼の残像(せきがんのフラッシュバック)』