〓映画ＴＫ３６５／２６５〓
◁ ２０２５▷

▫サタナ　悪魔
▫配信／U-NEXT
▫️Y!レビュー ☆☆☆☆☆未評価
▫️Ｔ Ｋ評価： ★★★☆☆３.０
▫️映画ＴＫ通算： ５２６５本
▫️Filmarks通算：４２６５本

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【審判】

≪Filmarksあらすじ≫
荒廃した世界を１人で彷徨う女性の夢幻的かつ黙示録的な実験ホラー映画。
題名は、アラム語の「סטנא（サタナ）」に基づいている。
・・・っていうお話。

そろそろハロウィンやね〜🎃
ってなことで、そろそろハロウィンっぽい作品でも観ていこうかね…って感じで、久々にサブスクチェック✅️
そ〜いえばせっかく加入したのにU-NEXT全然活用出来てないや…😅
ということでまずはU-NEXTの中から気になる作品を…

う〜ん…
これはなかなか難解な物語…物語なのか？🤔

雰囲気は好き。
ディストピア感の漂う、ヨーロッパ（？）のある街を当てもなく彷徨う一人の女性。
ようやく人が住むアパートへと辿り着く。
そこにはこの街の外観とは似つかわしくないハイソな貴婦人が一人暮らしていた。
女は必死に貴婦人に物乞いをする。
貴婦人は訝しく思いつつも、あまりに怯えた様子の女を不憫に思い、ひとまず家の中へと招き入れる。
（私は耳が聴こえません。話すこともできません）
必死に単語が書かれたカードを差し出してアピールする女。
（私はお腹が空いています）
貴婦人は戸惑いつつも冷蔵庫にあった肉とミルクを与える。
貪るように食いつく女。
その様子を眺めているうちに貴婦人は睡魔に襲われ、ついついソファーでうたた寝してしまう・・・。

目を覚ました貴婦人の前には、裸になった女が一枚のカードを持って立っていた。
（私は汚れています）
なんと、厚かましくも風呂にまで入れろというのか！？
貴婦人は咄嗟に女を玄関から追い出し、握りしめたタブレット端末で警察を呼ぼうとする。
しかし、追い出した女は玄関の外で小さく丸まってうずくまったまま。
その様子を見かねた貴婦人は結局女をもう一度家に引き入れ、風呂に入れてやるのだった・・・。


・・・いや、これね。
最後にもう一展開あるんだけどさ。
・・・これはどういうお話なんだろう？

これ、女のカードに書かれた文字がアラム語であることがもしかしたら重要な意味を持つのではないかと考え、急いでWiki先生並びにYAHOOのAIちゃんに相談。

≪アラム語は、紀元前1000年以前からシリアやメソポタミアで話されていたセム語族の言語です。紀元前7世紀から紀元後5世紀頃まで中東の共通語として広く使われ、イエス・キリストの母語でもあったとされています≫

なるほど、
ラストで謎の女が貴婦人に投げつけた最後のカードに書かれた≪天の検察官≫の意味がここで繋がった。
彼女は天から遣わされて、この貴婦人の信仰心をチェックしに来ていたんだね・・・怖。

アラム語を現在でも使っている地域と言えば、シリア国内のそれも３つの村に限られるそう。
そのうち一つの村では「キリスト教」を、残る２つ村では「イスラム教」を信仰しているそうなんですね。
つまり「アラム語」→「シリア」→「イスラム教」という認識が割と一般的でもあることを考えると、これがもしかしたら貴婦人の中で「イスラム教徒に対する一種の迫害心」に繋がったのかもしれない。

≪隣人愛≫
≪寛容≫

凡そキリスト教の教えとは反する行動。
そう、女は貴婦人の内面にある「芯（信）」の部分を炙り出すために遣わされた「検察官」だったんですね。

では、何故この貴婦人がピックアップされたんだろう？
それはこの作品の舞台背景にもヒントがあったような気がしました。
ディストピアのように荒れ果てた瓦礫の街の中にあって、ひとり優雅な暮らしを決め込んでいる貴婦人。
もしかすると、彼女は自分自身を特権階級と思い込み、普段から被災者や難民たちを見下すような素振りを見せていたのではないだろうか？
（あの街の雰囲気には凡そ似つかわしくない佇まい）
それは彼女が置かれている現状でもあり、彼女自身が自らをそこに置いたものとも考えられるんですね。

それでも表面的には「困っているものには手を差し伸べる」という一面を見せつつも、その要求が彼女の許容を超えた時、彼女は一転して「拒否」「排除」という行動に出てしまいました。
これに対しての「審判」ってことだったのかな・・・
だとすると、大半の人はあの状況だと「OUT」を宣告されそうな状況でもあるような・・・(;^_^A

≪カール・テオドア・ドライヤーに捧ぐ≫

僕はそこまでカール・テオドア・ドライヤー監督の作品に触れていないので「どの辺が？」っていうところまで感じ取ることは出来ないんですが、以前観たドライヤー監督作品（「ヴァンパイア」）で感じたような光と影のコントラストを利用した映像表現なんかはとても印象的で、それは今作でも垣間見えたし、モノクロで静かに紡いでいくような雰囲気なんかも恐らくドライヤー監督を意識したんだろうなって気がした。

まぁ物語というよりかは、どこか「不思議な夢の映像化」っていう表現の方が近いかもしれない。
なので、一回観ただけだと「はて？」となってしまう可能性もあるんですが、散りばめられた要素なんかの意味を一つ一つ紐解きながら解釈していくと「なるほどな」となる一作でした。

・・・ただ、ホラーを期待して観たんだけど、正直期待していたような「ハロウィン・ホラー」ではなかったかな(;^_^A
ある意味ではヒトコワ・・・？なのかな、自分の内面や信仰心について試されているような内容でもあるので、心当たりがある人にとっては、もしかしたらジェイソンやフレディよりも怖かったかもね(笑)

• #札幌映画部2025
• #stopwar

冒頭に、不世出の名匠カール・Th. ドライヤーへの敬意を綴っており、確かにドライヤー映画への憧憬に似たクソデカ感情は見えている。
そんな風な、実験的なホラー短編。

ホラー、と謳ってはいるが実際はシュール要素とSF要素、それからエログロと宗教要素(ここだけ気持ち多め)をバランスよく混ぜ込んだ何かよぉ分からんものに仕上がってる気がする。
ドライヤーを目指したらオナニー映画撮る時なテンションのベルイマンになりました、みたいな。