▪️Title : 「アクメッド王子の冒険（1926）」
Original Title :「Die Abenteuer des Prinzen Achmed/The Adventures of Prince Achmed」
▪️First Release Year:1926
▪️JP Release Date :1926/06/20
▪️Production Country: ドイツ
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-480 再鑑賞
🕰Running Time:65分
▪️My Review
世界初の長編アニメが、映像の修復とオリジナルの楽譜を元にしたオーケストラによるスコアを収録して甦りました。そのバージョンをDVDで鑑賞です。
とにかく、世界初の影絵による長編アニメーションの繊細で幻想的なその世界に驚きます。約100年近くたった現在でもその世界観に引き摺り込まれます！！凄い作品ですね。
本作は、繊細かつ幻想的な世界を描くドイツの影絵作家ロッテ・ライガニーの最高傑作です。本作は1926年に製作され、当時世界初の長編アニメーションとして注目を浴びたアニメーションの原点とも言うべき作品です。2005年に79年の歳月を経て公開されることを記念し、オーケストラによる伴奏と映像の修復を加えたステレオ・サウンド版ニュープリントが完成しました。そのDVDを鑑賞しましたが、その影絵が持つ独特の色合いと雰囲気に癒されます。
後世に残る、『白雪姫』('37)や『ファンタジア』('40)などのディズニー・アニメにも多大な影響を及ぼしたと言われる作品です。 また、故淀川長治氏が美しさを絶賛していたといいますが、その気持ちはよく分かります。今では見ることの出来ない、美しさがここにはあります。女性たちの衣装の細かさの美しさは、動かなくとも見とれてしまうほどです。レースの模様や、髪飾りなど細かいところまで最大限の配慮と手が加えられていることが伝わってきますね。

制作におよそ３年を費やしたという本作。ストーリー自体はアラビアの説話集『千夜一夜物語』からの抜粋ですが、『ライニガーのデザインした影絵アート』はインドネシアの伝統的な影絵芝居ワヤン・クリッをお手本としています。そのオリエンタルでエキゾチックでボタニカルなデザインは、アラビアン・ナイトの世界にピッタリで全く違和感がありません。女性キャラクターの奥ゆかしい動作を含めた艶めかしさは特筆に値します。（参考:Wikipedia）

物語は。。。
イスラムの都では、王様カリフの誕生祝の宴が行われていました。そこへ魔法使いがやってきて、空飛ぶ魔法の馬を披露します。王様はその馬が欲しくなりますが、魔法使いは王女ディナルザデーを妻にめとることと引き換えにするといいます。兄のアクメッド王子は魔法使いの身の程知らずの非礼に怒りますが、魔法使いによって馬に乗せられ天空の彼方に飛ばされてしまいます。そこから、アクメッド王子の、世界を股にかけた大冒険が始まります！　ワクワク島で美しい妖精パリバヌーと出会いますが、彼女は中国の皇帝に囚われてしまいます。一方、魔法使いはアラジンから魔法のランプを騙し取り、王子の妹ディナルザデー王女をさらっていました。王子は火の山の魔女の力を借り、アラジンとともに魔法使いに戦いを挑観ます。。。

100年近くを経た今も見る者の胸をワクワクとときめかせます。時代に色褪せることのない魔法のような傑作ですね！！

▪️Overview
あまりの美しさに映画評論家の故・淀川長治氏も絶賛し語り続けた、ドイツの影絵アニメーション作家ロッテ・ライガニー（1899～1981）。彼女の処女作にして最高傑作「アクメッド王子の冒険」（26）は、世界初の長編アニメーションというだけでなく、その芸術的かつ娯楽的な質の高さで、数十年に渡って世界中の多くのアーティストに影響を与え、今もまったくその輝きが失われることのない映画史に極めて重要な作品である。しかし伴奏を必要とするサイレント作品であることから世界的に上映される機会が非常に少なかった。彩色。（参考:映画. com）

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【世界初の長編アニメ】74点
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監督:ロッテ・ライニガー
製作国:ドイツ
ジャンル:アニメ
収録時間:65分
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今からほぼ100年程前の映画。どこからを長編というかは不鮮明ですが、世界初の長編アニメとして著名。『千夜一夜物語』を題材として、アクメッド王子がワクワク島などさまざまな場所を冒険する影絵アニメ。これ全て切り絵ということだから驚きです。非常に細かくて動きも繊細。物語もさておき、その手法に驚かされてしまいます。

イスラームのカリフの前に、魔法使いが現れる。魔法使いは彼に空飛ぶ馬を見せて、馬を渡す代わりにカリフの娘であるディナルザデーを要求するのだが。。

カリフというのはイスラーム世界における宗教的な権力者。厳密にいうと預言者ムハンマドの代理人ということなのですが、広く一般的にはイスラーム世界の王と捉えても良いでしょう。その王子であるアクメッドがディナルザデーを取り返すために冒険に出ます。ワクワクの島というのは日本を指しているのでしょうか。昔、ワクワクの国がはるか東にあると言い伝えられていましたが、ワクワク＝日本という説もあるくらいですから面白い。結局、舞台の半分は中国なのですが、影絵なのにどこで何が起こっているのかが鮮明にわかります。美しいのです。この繊細さは中々現代でも真似できないのではないでしょうか。

今作は5章立てであり、途中でアラジンも出てくるわけですから馴染み深い。影絵なのでその素顔はほとんどわかりませんが、彼ら彼女らの繊細な動きが様子を全て伝えてくれます。長い年月を経て、オーケストラの音楽がつけられて蘇った今作。アラブ世界を題材にしているということもあり中々神秘的でありました。

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• #100分以下

「アクメッド王子の冒険」

100年も前に作られたアニメーション映画。音で表現する事が出来ないサイレント時代に、切り絵を使って映像を堪能させるという点に関しては世界初の長編アニメーションというだけではなく、世界最古の映像芸術とも言えるかもしれない。

ドイツで作られたものにも関わらず、内容がかなりイスラム的な内容だったのが、気になったが、「千夜一夜物語」同様にヨーロッパからするとエキセントリックな世界の物語で、神秘性を感じたのだろう。確かにこのテイストで描くならこの上ない題材だったと鑑賞後にしみじみ思う。

まるで生きているかの様にヌルヌル動く登場人物たちも魅力的だが、数多く存在する魔物や最後に戦うヒュドラとの戦いもまた目を奪われた。こういう古典的名作がTSUATAYAでレンタル出来るというのもまたいい時代だなと思う。サブスクに入っていたらもっと気軽にアクセスできるのになぁと思う。

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