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夜顔 デジタル・リマスター版の作品紹介

夜顔 デジタル・リマスター版のあらすじ

ルイス・ブニュエル監督作『昼顔』(1967)の登場人物たちの38年後を描く。パリで偶然再会したアンリとセヴリーヌ。アンリは真実を打ち明けるという口実でセヴリーヌを食事に誘う…。過去をめぐり立ち上がる、欲望に満ちた謎。

夜顔 デジタル・リマスター版の監督

マノエル・ド・オリヴェイラ

原題
Belle Toujours
公式サイト
https://oliveira2025.jp/index.html
製作年
2006年
製作国
ポルトガルフランス
上映時間
69分
ジャンル
ドラマ
配給会社
プンクテ

『夜顔 デジタル・リマスター版』に投稿された感想・評価

4.2
 初老の紳士アンリ(ミシェル・ピコリ)は、パリのコンサート会場で、はるか昔の知人を発見する。それは、アンリのかつての友人の妻セリジ(ビュル・オジエ)だったが、彼女はアンリを避けるように足早にその場を立ち去ってしまう。しかしアンリは諦めることなく彼女の居場所を探り出す。そして、ついに彼女をつかまえると、強引にディナーの約束を取り付ける。67年のブニュエルの『昼顔』から40年、年老いたユッソンとセリジの偶然の再会を描いた身勝手で二次創作的な続編である。2人の表情を見れば、40年の時の流れの残酷さを思わずにはいられない。冒頭、オーケストラの演奏を1人で鑑賞にやってきたピコリはたまたま目をやった近くの席に偶然、セリジの姿を見つける。演奏に飽きてふと目を横にずらした時に発見する。ここでのピコリの笑みとも戸惑いともつかない表情が実に良い。しかしそんなピコリの目線を感じたのか、すぐにビュル・オジエもピコリの姿に気づくのだが、彼女は少しの喜びも見せないまま、逃げるようにコンサート・ホールを出る。あてのないまま夜の街を散歩するピコリは、あるBARから偶然出て来たセリジの姿を見つける。どこにでもあるようなごく普通のBAR、若い娼婦と年老いた娼婦の2人が、ピコリの座るカウンターを見つめている。

 BARのマスターとピコリとのやりとりが実に軽妙でテンポが良い。そしてそんな2人の話を少し離れたテーブル席で耳をそばだてて聞く2人の娼婦。若き日のセリジへの熱い思いを、Wのウイスキーをちびちび舐めながら目を細めて話すピコリの眼差しは、少しも年齢を感じさせない。物言わぬ騎士の像を見ながら思案に暮れるのは、これまでもオリヴェイラの映画で繰り返し描かれて来た重要なモチーフである。夜景をロングで撮影した風景ショットの素晴らしさは、『家路』の場面転換ショットを彷彿とさせ、懐かしくなる。やがてピコリの会いたいという執念が実り、やや強引な形ではあるが、セリジは夕食の誘いを承諾する。上階から階下を眺めるピコリは、従業員にシャンパンを指示し、2人の40年ぶりの再会は素晴らしいものになるはずだった。ただ40年という時の流れは残酷で、男と女にはどうしようもない温度差がある。従業員がいるうちは、2人の顔を交互に切り返すのだが、やがて2人きりになった時に、オリヴェイラは自然と2人の姿を横からカメラ据え置きでじっくりと長回しで捉える。すっかり年老いたビュル・オジエがドアを開けた時、どういうわけかこの場所に似つかわしくない動物が登場する。人をあっと驚かすのが大好きなオリヴェイラらしいユーモアであり、忘却の彼方に詩情溢れる最高のクライマックスである。
桃龍
3.5
没後10年のマノエル・ド・オリヴェイラ特集上映にて。
1967年の『昼顔』の39年ぶりの“続編”。
106歳で亡くなったオリヴェイラ監督が、98歳のときに撮った。
なんかスケール感が凄い。作品が面白いかは別として。
同じ登場人物の話なので『昼顔』見といた方がいいけど、封切時に見たきりの人は覚えてないと思うし、ご健在かどうかも…。
neroli
4.2
『夜顔』は、ルイス・ブニュエル監督の『昼顔』(1967年)から約40年後の“続編”として位置づけられる作品です。
かつて若く、美しく、抑圧された主婦でありながらも性的な二重生活を送っていたセヴリーヌ——彼女が歳を重ね、老境にある姿で再び現れます。

 
◼️老いと欲望、そして距離◼️
 
 
映画では、セヴリーヌはもはや「若さ」や「美しさ」で男を魅了する年齢ではありません。
それでも彼女を見つけたアンリは、かつての情熱を蘇らせ、再び彼女を手に入れようとします。

これは、心理療法の場面で私たちがときおり見かける“記憶の中の関係”に似ています。
現実の相手そのものよりも、「かつての関係性」や「叶わなかった感情」に惹かれている——アンリの行動は、まさにその再演のようにも見えます。
 
 
特に印象的だったのは、ふたりがようやく向かい合うレストランのシーン。
ほとんど会話はなく、聞こえるのはカトラリーの音と、蝋燭のゆらぎだけ。

この沈黙の中にある「緊張感」や「距離感」、あるいは「内面の声」こそが、この映画の核だと感じます。
精神科の面接でも、言葉以上に「沈黙」が雄弁に語ることがあります。
セヴリーヌの沈黙は、断絶であると同時に、最後の防衛線だったのかもしれません。
 
 
結局ふたりの間に決着がつくような明確な場面はありません。
再会は果たされても、埋められない過去と時間、そして“変わってしまった自分たち”が静かに横たわっています。
 
 
 
◼️欲望の終焉◼️
 
 
『夜顔』は、若さや情熱が失われた後に残る“人間のかたち”を、とても静かに、丁寧に描いた作品でした。
老いゆくこと、かつての自分と出会い直すこと、そして、それを他者との関係の中でどう折り合っていくか。

「老いの精神医学」「欲望の終焉」について考える貴重な時間でもありました。
 
 
 
※映像がとにかく美しい〜♡
デジタル・リマスター版はニワトリのジャケ写ですが、私もこのシーンが一番好きです。
 
※アンリからセヴリーヌへのプレゼント、お店の人が見たら驚くでしょうね〜笑
 
 

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