柔らかい肌の作品情報・感想・評価

「柔らかい肌」に投稿された感想・評価

atsuki

atsukiの感想・評価

4.5
前作『突然炎のごとく』がティーン〜ヤングアダルトから始まるなら、今作は言わばミドルエイジ・クライシス的な愛憎劇だろうか。目の動き、手の動き、そして心の動きを捉えて、追うカメラと気持ちが高まれば部屋の電気が付くという、迸る恋が画面に溢れ出す粋さ。何より敬愛するヒッチコックに最も近い作品なのかもしれない。

なぜならフランス映画として製作を望んだトリュフォーだが、様々な問題故に時間を要した。その期間に執筆したのが、あの「定本 映画術 ヒッチコック・トリュフォー」である。だからこそ、三角関係、不倫という題材が、よりヒッチコックのサスペンス調らしく描かれている。加えて『突然炎のごとく』と対極に位置するのも必然か。

ある日、トリュフォーが見たとされるタクシーで接吻を交わす男女。何気ない愛の育みに見えるが、トリュフォーは彼らが不倫をしてる様にしか見えなかったと言う。お互いに妻も、夫も、子供もいる筈なのに。

つまり、そこら辺を手を繋ぎながら歩いてるカップルだって純愛とは限らないという怖さ。15年来の夫婦が柔らかい肌を持つ若美女によって崩壊して行くファム・ファタールであり、その衝動には勝てない臆病な人間が痛烈に描かれる。ゆえの主人公が翻弄され、ダメな所が露呈して行く感じは何とも言えない。

エレベーターに於ける、映画的時間は本当に息を呑む。
miho

mihoの感想・評価

3.7
単純に、好きなシーンが多いです。
上手くいきっこないと分かっていても
ドキドキしちゃうような情事。

ドルレアックはとても存在感があり、
素敵な雰囲気を持ち合わせた人。
ドヌーヴより好き。とにかくキュートでした♡
いずみ

いずみの感想・評価

4.0
付き合い始め、不倫始めの最初は女が盛り上がり、男が決断を下そうとすると女は盛り下がる。いつの時代も男女の恋愛の温度差は真逆。ニコルと田舎へ不倫旅行へ出かけたピエールがツーショット写真を憂しく撮るがそこはトリュフォーのフェチシーンでもあり、後にそのシーンを付け加えたようなシーンであった。これには笑った。結局は娘のサビーヌのことも考え、15年連れ添った妻のことも再び思い出し、離婚するのに戸惑ってしまう。ニコルが、ばかね、って言ったのにも納得。ラストは賛否両論だが、彼女が捨てられた女で終わらなくてよかったと思う。ある意味女性優位な映画だった。ちょっとファムファタールな、ノワールを引きずっている。
不倫をロマンスとしてではなく、人間の欲望として描いてる
ドルレアックが全然可愛く見えないのも、愛人にしたい女としての役目を全うしてるのかもな
り

りの感想・評価

-
トリュフォーっぽいコミカルさはないけど好き スカートの方がいいと男に言われてこっそりジーパンからスカートに履き替えて登場するシーンが最高にキュート レストランで退屈そうにナイフを鏡にして眺めるシーンもいいな
mikoyan358

mikoyan358の感想・評価

4.5
2011/10/22鑑賞(鑑賞メーターより転載)
夫婦仲も申し分なかったはずの高名な男性の前に現れた謎めいた1人の美女。極めて典型的な不倫が巻き起こす泥沼ではあるのだが、時間と周辺人物の迫り方、視線の行き先やカメラ割などが非常に巧みで、序盤のハイな気分から後半の焦りまで常に自分が主人公であるかのようにドキドキしまくり。そして「ロシュフォール」で大ファンになったドヌーヴの姉フランソワーズ・ドルレアックの妖艶さがまた素晴らしい。今観られる出演作はこれを含めわずかだが、事故死していなければもっと多くの映画で活躍していたかと思うと、本当に惜しい。
Risa

Risaの感想・評価

5.0
フランソワーズ・ドルレアック
一際魅力的に 可愛らしく映してあります。

飛行機でスッチーのドルレアックが靴を履き替えるシーン。『ストッキングを買うのを忘れないでね』の台詞が 頭の中で繰り返すシーン、寝ているドルレアックの靴を脱がすシーン。
ドルレアックの足は小さくて女性らしさがたまりません。
オジサンの無表情だけれども脚を愛でる目線がリアルなので ちょっと気色悪いです。

不倫がバレて、奥さんの気持ち 裏腹 最後正しい判断が間に合わない主人公。
逃げて 向き合わずに あの結果は 当然。
ある意味 ちゃんと逃してあげたと言える結果かもしれません。
ニコルにも あの言動では 逃げられて当然。

美しい奥さんと可愛い娘、暖かい家庭があるんです。仕事も成功していて 忙しく、その忙しさを利用して 若くて美しい女と不倫ですよ。しかも本気になってしまうという痛さ。

不倫の話なんて 腐るほどありますが、トリュフォーらしい表現が散りばめられており、ドルレアックが これでもかと美貌を振りまいているので 満足♡
最後の破滅もスッキリです!
コートに収まりきれない猟銃を持ち出す奥さん。
女と拳銃って大好き。

個人的にドルレアックのスキニーデニム姿にも釘付け。何と美しいヒップと美脚!
なのに、この男ときたら、、『スカートの方が、、』何て希望をいうので お嬢様スカートに着替えてしまいました。悔しい。
女子的で可愛いドルレアックですが、モテ線な可愛さで オジサンの欲望を叶えてしまうのが惜しいです。

でも 報われましたよ。奥さんありがとう。
あ

あの感想・評価

3.6
フランカがナンパ男に鏡見たら!?っていうシーンが好き
フランソワーズドルレアック美しい
よくあるようなでも恐ろしい話。結末が…コロッとあっさりだった。
1967年6月26日にフランソワーズ・ドルレアックが夭逝してから、今日でちょうど50年が経ちます。

フランスを代表する大女優カトリーヌ・ドヌーヴの姉であり、
ポランスキー監督「袋小路」や姉妹共演作「ロシュフォールの恋人たち」など女優としても益々将来を有望視されていた矢先、
不慮の交通事故により25歳という若さでこの世を去ったドルレアック。
しかし彼女の美貌は今もスクリーンの中で生き続け、半世紀が経過した現在もなお我々を魅了して止まないのもこれまた事実なのです。

ジャンヌ・モロー主演「突然炎のごとく」から二年後、
トリュフォーがドルレアックを次のヒロインに迎え、不倫に溺れてゆく男と女たちの愛憎劇を描いた、トリュフォー最高傑作のひとつに数えられる逸品。
バルザック評論家の中年男をジャン・ドサイが演じ、所帯を持つ身でありながらもスチュワーデスとの浮気にハマってゆく末路を重厚に描き切ります。

実際トリュフォーは自伝的デビュー作「大人は判ってくれない」でもバルザック信者を詠っており、
しかも実生活においては本作と同時期に妻と離婚し、ガチでドルレアックとのロマンスに耽った華麗(?)なる女性遍歴の持ち主。

本作はトリュフォーが敬愛するヒッチコック監督のようなサスペンス・タッチによって構成されているわけですが、
彼は後に同様のプロットを用いてコメディ・タッチの「家庭」を制作することにもなるのです。

ラウル・クタールの洗練された撮影技術、そして同年にドルレアックが出演したド・ブロカ作品「リオの男」でも音楽を担当したジョルジュ・ドルリューの仕事ぶりは天才的。

またトリュフォーの恩人であり、彼が直接の資金援助を行ったジャン・コクトー「オルフェの遺言」のポスターと並び、
ジャンヌ・モローが出演したマルセル・オルフュス監督「バナナの皮」のポスターもニクい演出となっています。

ロジェ・ヴァディムと同じくトリュフォーも主演女優キラーであったからこそ、その愛に対する情熱的な思いを作品に投影できたのは必然と呼ぶべきでしょうか。

そして本作の3年後にドルレアックは夭逝したわけですが、今度はその妹ドヌーヴと「暗くなるまでこの愛を」で恋に落ち、その後二人は同棲するにまで至ったのでありました。

クライマックスこそ妻がごっそり持っていきますが、それまではひたすらドルレアックの美しさと蠱惑な表情にやられっぱなしの2時間。
「リオの男」と同様に、ドルレアックの魅力を余すことなく閉じ込めた永遠の名作です。
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