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アン・リー/はじまりの物語

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アン・リー/はじまりの物語の作品紹介

アン・リー/はじまりの物語のあらすじ

18 世紀のイギリス、貧しい鍛治職人の家に生まれたアンは信仰心の厚い女性として育つ。4人の子供を授かるも、全てを幼くして失うという悲痛な体験の中、自らが“キリストの女性の姿の生まれ変わり”である、確信的な啓示を得る。彼女の性別、人種の平等を説く生き方は多くの人々を惹きつけていくのだったが、反感や警戒を感じる勢力から苛烈な迫害を受けていく。 わずか8人の信徒とともにアメリカに渡り、性別、人種の平等信仰をもとにした理想の生活を実現するユートピアを求めるのだったが、そこでも大いなる困難が待ち構えていたのだった。

アン・リー/はじまりの物語の監督

モナ・ファストボルド

原題
The Testament of Ann Lee
公式サイト
https://www.searchlightpictures.jp/movies/annlee
製作年
2025年
製作国・地域
イギリスアメリカ
上映時間
137分
ジャンル
ドラマ伝記
配給会社
ウォルト・ディズニー・ジャパン

『アン・リー/はじまりの物語』に投稿された感想・評価

kuu
3.6
『アン・リー はじまりの物語』
原題または英題 The Testament of Ann Lee
製作年 2025年。上映時間 137分
映倫区分 PG12
製作国 アメリカ・イギリス合作

18世紀に『シェーカー教団』と呼ばれるユートピアを築いた実在の宗教指導者アン・リーの波乱万丈な人生を、アマンダ・セイフライド主演で映画化した伝記ミュージカル。

霧に煙る18世紀のイングランド、そして新天地アメリカの荒涼たる大地。
今作品は、キリスト教プロテスタントの過激な一派シェイカー教徒の創始者となったマザー・アン・リーの知られざる半生をストイシズムで描き出した野心作と云える。

作中、印象的な祈りの歌や讃美歌の多くが、当時の実際の記録を元に再現されているしリアリティはありました。
また、撮影は徹底して自然光と蝋燭の灯りのみで行われ、当時の生活の過酷さと表裏一体にある沈黙が刻み込まれてましたし、キャスト陣のアンサンブルも見事で、アマンダ・セイフライドを筆頭に、彼女を支えつつも時にそのカリスマ性に恐怖を抱く夫や信徒たちを演じた実力派俳優たちが、抑圧された時代の空気をリアルにしてました。

アン・リーをザックリ説明によれば、単に、独身主義を掲げた熱狂的な宗教指導者と片付けられがち、しかしこの映画の背景が考察するんは、産業革命前夜の貧困、そして度重なる死産という、一人の女性が味わった極限の絶望の中で、彼女が説いた男神と女神の二元性や禁欲という宗教的思惟は、決して突飛な狂気から生まれたものではなく、それは、我が子を失い続けた肉体的な苦痛と、男性優位の社会構造に対する、彼女なりの最も純粋で、最も痛切な救済の模索だったんやろと。

神という存在の有無、あるいはその正体が何であるかは小生には知り得ないと、不可知論を立ってはいるが、しかし、傷ついた人々が神は男性であると同時に女性でもあるという思想に、魂の母性に抱かれるような究極の癒やしを見出したという心理的、歴史的事実だけは、分かりやすくも深く静かに伝わってはきました。

映画全体のトーンは重苦しく、信仰ゆえの自己厳粛な空気感が全編を支配してたし、137分って上映時間に対し、ストーリーのペース配分はかなりゆったりとしてる割には、なぜ人々がここまで盲目的に彼女に従ったんかって云うロジックの説明が不足していると感じる部分も否めません。
人によっては、その極端な世界観が時に退屈に、あるいは奇妙に映ってしまうと云う、好みの分かれる危うさを含んでいるのも事実です。

しかし、そうした演出の重さやテンポの遅さを一気に覆うのは、主演アマンダ・セイフライドの魂を削るような熱演やと思うし、彼女の透き通るような歌声と、狂気と純粋さの狭間を行き来する圧倒的な眼差しは、説明不足な脚本を少しはおぎなってたし説得力を映画に与えてはいるかな。
特に、信徒たちが歌い狂ったように踊る儀式のシーンじゃ、映画的なエンタメを超え、観る者を妖しくも美しい恍惚感へと誘う特別な熱量を持ってると思います。
35mmフィルムで捉えられた荘厳な映像美とダニエル・ブルームバーグの音楽が見事に融合し、ただの歴史劇ではなく、一人の女性が絶望の淵から紡ぎ出した魂の叫びをダイレクトに浴びせてくれた。

彼女が感知したという神の真偽を証明することも、その信仰を正しいと讃えることも、あるいは間違っていると断罪することもできない。
しかし、厳しい冬の陽光の中に佇むアン・リーの横顔を見つめるとき、未知なるものへの恐怖と渇望が生み出したその熱狂の残滓に、人間ちゅう存在の割り切れなさを思わずにはいられません。


あらすじ・キャスト
18世紀のイギリスで、貧しい鍛治職人の家に生まれたアン。信仰心の厚い女性として育った彼女は、4人の子どもを授かるも全員を亡くすという悲痛な体験を経て、自らが「キリストの女性の姿の生まれ変わり」だという啓示を得る。性別や人種の平等を説く彼女の生き方は多くの人々をひきつけるが、その一方で反感や警戒を感じる勢力から迫害を受けるようになる。やがて彼女はわずか8人の信徒とともにアメリカへ渡り、性別・人種の平等信仰をもとにした理想の生活を実現するユートピアを求めるが、その先にも困難が待ち受けていた。

共演は「トップガン マーヴェリック」のルイス・プルマン、「ラストナイト・イン・ソーホー」のトーマシン・マッケンジー。「ブルータリスト」でパートナーのブラディ・コーベット監督とともに脚本を手がけたモナ・ファストボールドが監督を務め、ファストボールド監督とコーベットが共同で脚本を担当。2025年・第82回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。
ちゃんとお金かけ、ミュージカルの要素をいれたいわゆる新興宗教を立ち上げたアンリーの生涯を映画化したのは凄すぎ。
とてつもなく鬱になるダンサーインザダークまではいきませんがなかなか陽な話にならないミュージカル作品です。
でも魅せられるのは主演のアンドリュー・モリソンさんの圧倒的な存在感です。

舞台となるシェーカー教を調べるとなかなか面白い。性交は罪という独身主義。だから2世が生まれない先細りになりそうながら懸命な不況活動でちゃんとしたコミュニティができている。
その自給自足をしているコミュニティは近代的文明も取り入れており現代にも通じている日用雑貨や家具を生み出している事実もある。
映画では何気なくシェーカースタイルの家具等でてきますよ。
アン・リーの生涯がメインの話ですがめちゃ旦那さんが悪いのに比べて、弟がめちゃくちゃ頑張ったのがわかります。支えなき柱はなしです。

イギリスからアメリカに渡ったたったの8人(すぐ減りますけど)から数少ないけど現代にも残る信者を増やした開祖のお話はなかなか興味深く観させてもらえました。
3.4
宗教に無関心な自分にとっては正直ハードルの高い作品。
途中で退屈するかもと思っていましたが、歌や踊りを取り入れたミュージカル的な演出が程よく中和してくれて最後まで観られました。

信仰の話というより、自分の信念を貫こうとする一人の女性の物語として楽しめた作品でした。

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