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春の木
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春の木の作品紹介

春の木のあらすじ

成功できずに故郷の四川省に戻った女優が、自分が方言を話せなくなっていることに戸惑いつつ、新しい生き方を模索する姿を描く。かつて隆盛を誇った四川峨眉撮影所の、解体前の最後の姿がとらえられている。

春の木の監督

チャン・リュル

原題
春树/Mother Tongue
製作年
2025年
製作国・地域
中国
上映時間
122分
ジャンル
ドラマ

『春の木』に投稿された感想・評価

Omizu
2.9
【第38回東京国際映画祭 コンペティション部門出品】
『白塔の光』チャン・リュル監督の新作。東京国際映画祭コンペに出品された。

日本でも一定の知名度を誇るチャン・リュルだが、過去作は観たことがない。正直ホン・サンスの劣化版のようであまり好きではなかった。

人間たちの何気ない会話を映していく作品で、良くも悪くも捉えどころのない会話劇。このセンスは刺さる人には刺さるのだろう。

しかし自分としてはいかにホン・サンスが軽やかに同じことをやっているかを逆説的に証明してしまっているように感じた。

決して悪い作品ではない。ハマる人は一定数いるとは思うが、自分としてはノット・フォー・ミーな映画だったと言わざるを得ない。
3.2
成功することができなかった女優が四川省の故郷に戻り、その挫折から立ち直ろうとする
(東京国際映画祭より)

方言使った事のない自分からしたら共感得る事が難しい作品。

映像良い。取り壊しが決まったスタジオを撮影場所として起用したのも感慨深い。
本作の核となるのは、俳優として挫折しかけている女性・春樹(バイ・バイホー)が「成都の方言で喋れないこと」を理由にオーディションに落ち、方言の喋れない成都へと帰る——いや、“行く”というプロットだ。方言とは、故郷への帰属意識に深く結びついたアイデンティティのひとつである。

私自身は神奈川育ちで標準語との距離が近いため、この感覚に完全に共鳴できているかは定かでない。だが、普段は標準語で話している関西や九州出身の友人たちが、同郷の人間と会った途端に方言全開で語り合う光景を目にすることはある。そのとき、彼らの会話には独特の絆が宿っているように感じられる。こうした経験は、多くの人に覚えがあるのではないだろうか。

もし同じ出身地を持ちながら、自分の口から方言がスラスラと出てこなくなったとしたら——それは単なる言語能力の問題ではなく、アイデンティティの一部が失われたことを意味する。​​​​​​​​​​​​​​​​

春樹はやりたいことで成功できず、故郷にまつわるアイデンティティを失い、さらに奔放なシングルマザーの母親との関係もあまりよくない。根無し草とはまさにこのことで、彼女には”帰る”ところがないのだ。

本作で紡がれる春樹の人間関係も、この不安定さを体現している。認知症なのかそうでないのか、のらりくらりとした態度のかつての演技の師匠。その息子として成都にいる青年・冬冬は、春樹に近づきたいのかそうでもないのか、こちらも読めない煮え切らなさを見せる。ちゃらんぽらんな母親と、その謎めいたボーイフレンド。犬と違って考えが読めないこともある猫がペットであることも含めて、春樹に対してストレートでわかりやすい愛情を示し、安心できる居場所になってくれる人物がひとりも存在しない。​​​​​​​​​​​​​​​​

そんな孤独な女性の人生の流浪を、本作はぎこちない会話やシュールなコメディを交えながら、淡々と描き続ける。春樹の感情の起伏は上にも下にもそこまで揺れ動かず、“ちょっと下”で停滞したまま、時間だけが過ぎていく。

最後に流れるピアノは、ドレミまではクリアなのに、ファより上は部屋に反響しているのか妙に濁っている。そんな調子の狂ったピアノのように、ずっとなんとも言えない状態のまま、人生が続いていく。いい意味で眠くなるほど心地よい、このリアルかつシュールな空気を、ずっと浴びていたくなった。​​​​​​​​​​​​​​​​

そして本作で大切なのは、監督にとって思い入れのある成都と、取り壊しが決まった峨眉撮影所という要素だ。愛とこだわりの詰まった街の撮影は、非常に印象的で美しい。人々の思い出や記憶が刻まれた場所も、時の流れとともに消えていってしまう。そんな都市へのノスタルジーと、人生の諸行無常が画面に漂い続ける——そんな“人と土地”の物語として『春の木』は完成されていた。

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観た回数:1回