慶州(キョンジュ) ヒョンとユニの作品情報・感想・評価

「慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ」に投稿された感想・評価

淡々とストーリーが進む美しい作品。

とにかく舞台となる古都・慶州の魅力が最大限に活かされている。深い緑の山々と豊かな自然に囲まれた美しい町並み、伝統的な朝鮮建築工法で建てられた茶屋、食事処の外観や内装、重要文化財である古墳群など、すべてが実に画になる。

主役の大学教授を演じたパク・ヘイルは本当にカメレオン俳優で、言われなければ彼とは分からないほど、この役どころにもしっかりとなりきっていて魅せてくれる。

シン・ミナが演じたヒロインが韓国茶を入れる所作の動きが美しい。

終盤の夜の古墳に上った後に二人がすっかり寝静まった古都を歩く描写が個人的には一番好きなシーン。

エンディングで7年前に戻る流れが良いね。韓国にも春画って、あるんね。
Tomoboop

Tomoboopの感想・評価

4.0
不思議なシーンが多く、最初から又見返したくなります。そして、いつまでも観ていられる様なとても雰囲気の良い作品!古刹や古墳、茶館、雨、夜の街など美しいカットも満載です。過去に訪れた場所を彷徨う孤独感や寂寥感に胸が締め付けられる様な感覚がある一方、独特のユーモアにクスッとしてしまう場面も。。ラストについての考察は、もっと調べてみたいです。どう思います?
kame

kameの感想・評価

4.0
ふと思い出を見つめに慶州に向かったヒョンの記憶の中の生と死の旅

古墳の街で死を内包する日常。淡々とあらゆる“あいまい”を表現した様な映画だけど何故か心地よい
シュールで不思議な可笑しみがある

中国の歌がとても良かった
映画の知識があるともっと深く楽しめた気がする

監督曰く「この世とあの世があるとしたら、その二つの世界自体も記憶の中にあるのかもしれません。」
Kajik

Kajikの感想・評価

4.0
ほぼストーリーがない映画だけど、点々と起こるエピソードが優しくつながっていく心地よさがくせになる。

「境界人」という言い方があるけど、ヒョンが旅の地で生死や知性と愚性、愛と虚像みたいな両極セットなものの境界線上に立ってゆらめいている。

あの春画も瑞々しい欲望への憧憬がありつつユニにとっては迷惑で、ついつい「何かの比喩かな」と考えちゃうのだけど、比喩に見えて何か事象の不条理さが妙に明るい白昼夢みたいな無意味さも備えていて、脱皮したての甲殻類みたいな人々がコロコロとしている。

監督、小津安二郎や侯孝賢の系譜にいる人だと思う。
友人の死をきっかけに数年ぶりに訪れた古墳のまち慶州。現在と過去、生と死が混在する街でおこる不思議な体験。
かつてそこにあったはずの春画。多くの伏線が、過去へと伸びる時間軸と彼岸と此岸の境界線が交差する一点へと向かう。
アピチャッポン・ウィーラセタクンを思わせるマジックリアリズム体験!!
こういうの大好きだ!!
Tom

Tomの感想・評価

4.2
彼と一緒に旅する不思議な時間。自然なユーモアと緊張感と共に流れるゆったりとした時間が心地いい。2人の距離感が近づくにつれ,ぼんやりとしていた視界が開け,色んな感情が溢れ出す。一方で現在と過去,生と死の境界線が曖昧になっていく。この何とも言えないフワフワした感覚が堪らなく好き
やるべきことをほぼ全部やっているし、素晴らしいショットも多々ある。でも、各偶然性や虚実エピソードが融合せずに物語内で分離してしまっている気がした。黄色ワンピの女の子と出会う偶然のとこ、設定のための作為をもろに感じた。(例えば、濱口やロメールが描く偶然性にはそういう作為性をまかり通したり、逆手に取って笑いにしたりする力がある。観者が抱くその不信感を打ち消すための何らかのセリフがあれば良かったのかも?)
その辺りから、出来事が文脈の流れの中に起こるのではなくて羅列的に起こる感じがして、人死にすぎで不自然じゃね…?という愚問がチラつき始めた。それから、所々、ワンシーンで物語が単一的にしか進まないことが気になった(これは良くない作為性を感じさせる要因の1つだと思う)あとなんかギャグセンが謎。
ヤバすぎる。。様々な映画の限界をいとも簡単に突破しまくっている。もはや彼岸と此岸どころの話ではない。多少田舎にしてもほぼ東京と変わらないようなロケーションであれほどまでに芸術的なショットを量産出来てしまう恐ろしさ。濱口もエドワード・ヤンもホン・サンスもアピチャッポンも居る。とりあえず今世紀入ってからのアジア映画の到達点では?
fumi

fumiの感想・評価

3.6
『春の夢』がすごく面白かったチャン・リュル監督。春の夢とはまた違う、共存する生と死を優しく真摯に見つめる静かな作品。「詩情緒の世界」という触れ込みにも頷けるような、考えるより感じる世界観。
異邦人のような佇まいの主人公に込めた思いや慶州という土地を舞台にした理由など、特典の監督インタビューがとても参考になった。
Sohey

Soheyの感想・評価

3.5
大学教授ヒョンとお茶屋の店主ユニ。悲しみを背負った彼らは慶州で出会い、強く結ばれていく。

自殺、事故、古墳など『春の夢』とはまた異なる、幻想的な"死"のイメージが漂うチャン・リョルの監督の独特な世界観が好きだ。
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