慶州(キョンジュ) ヒョンとユニの作品情報・感想・評価

「慶州(キョンジュ) ヒョンとユニ」に投稿された感想・評価

1日限りの出会いのストーリー、期待を裏切らない展開で自分は満足。
全体的に見ると不可解なことだらけ。部分的な奥の深い意味合いをその都度考えることで十分楽しめる。
sonozy

sonozyの感想・評価

4.5
先輩の訃報で久しぶりに韓国に戻った北京大学教授のヒョン(パク・ヘイル)が慶州の古民家茶屋のオーナー、ユニ(シン・ミナ)と出会い、不思議な数日を過ごすお話。

ヒョンは到着した空港を出てタクシー乗り場でタバコを手に取ると、母といた少女が禁煙だよと注意する。
ヒョンは中国人の妻が嫌がるため、タバコは吸わず匂いを嗅ぐだけなのだ。

久々に再会した友人は、先輩が亡くなったのは妻のせいだと悪口を言っている。
ヒョンはふと、7年前に先輩と旅した慶州(キョンジュ)の茶屋にあった春画を思い出し、衝動的に向かう。

レンタサイクルを借り、かつて関係のあった女性キム・ヨジョンに連絡し、ソウルから呼び寄せる。
目的の古民家茶屋に着いたヒョン。客はおらず、見回すがその春画は見当たらない。
美しい店主ユニに黄茶を淹れてもらうと、7年前に来た時に壁に貼ってあったと、春画の話を切り出すが、ユニは3年前に店主になったので知らないと言う。

店を出たヒョンは、ソウルから来たキム・ヨジョンと食事に向かう・・

佇まいも庭も味わい深い古民家茶屋。
ヒョンが注文する黄茶。
対面で茶を淹れてくれる美しいユニ。

〈印象的なシーン〉
・二度出会う少女とその母
・巨大な古墳
・古墳の近くのユニの部屋の壁の詩画(豊 子愷(ほう しがい) の《人散后 一钩新月 天如水》という作品)
・ヒョンの耳に触れるユニ(ジャケ写)。
・中国人妻からの留守電の歌

〈可笑しみポイント〉
観光案内所
変態
背中合わせで回転撮影
爪切り
占い師
衝撃の告白
太極拳
日本人観光客のおばさん2人
謝罪
納豆
刑事
酔って絡む教授と花屋の男
カラオケ
危険走行するバイクの若者

最後に出てくる春画が、思ってたんとちゃう(笑)。

飄々としたパク・ヘイルと、悲しみを抱えた美しいシン・ミナの2人がとても良かった。

上質なコメディとも言える?
情緒的な世界と、散りばめられた可笑しみ、幻覚のバランスが絶妙でした。

捉えどころのない、または様々な捉え方が楽しめる、そんな作品。
ミク

ミクの感想・評価

4.0
古墳といえば、前方後円墳なイメージ。慶州の古墳は芝生のモッコリ丘型。登りたくなる気持ち分かる。オーイって言いたくなるなる。なんか確かめるために耳触るのんも、分かる👂👂とりあえずお茶飲んで、ホッと一息。
ジェル


徹夜明けだったからかしまりが悪くて、のろのろシャワーを浴びていると、銭湯にでもいるみたいに、やけになんだかさっぱりしてきた。なんでこんな感覚になったのかな〜〜?と考えて、こもってきた湯気が下からのぼりだしたのを鼻から吸いこんだからで、箱がなくてもなかみであるようなものが、長風呂だったといえばその「長」の方に風呂があるみたいに、これは状態の記憶なんだと思う。肌寒くなってきて少しずつあげていたお湯の温度も今日で44℃に

なった。あがったら窓から月でもみながら、少しだけ大きくなった息をするのもいいかもしれない。出しっぱのお湯を肩でうけながしながらかきあげると、鼓をあけたみたいになって、注ぎこむ湯にちょっと傘でもたてかけておくようにしてもたせるように各々が、黙っているということが呟きとなってしっかりながれだしているのを、通常の音としては聞こえないだけでやっぱり聞いていて、だんだん湯気とのふんぎりがつかなくなるほど襖の隙間からさしこむ光のように残されて明らかになってくるようなところがあって、そしらぬふりはしているけれどみんな元気にどこかで会えば挨拶したいし、たとえば古墳のあるまちで

すれ違う。出入り口近くに設えてある小棚に置いた眼鏡のそばに並べそろえられた角が数本あって、ここを出ればまた恐ろしい声を響かせてまわるであろう彼らも黙って骨を休め、奥の洗い場で蒸れた髪を念入りに泡だたせている背中があるはずで、角がとれた、という言葉は実際にこうしたことが発祥となっているのだろうなと考えながら、扉を引くと、チューブがおちた。ピンチがゆるくなっていて、入るときに落ちるか、出る時に落ちるか、出て閉めた後に落ちているのだけれど、入った時か、出る時か、次入る時に、はいはいといってつけなおすだけで、根本的な対処をせずを続けているのは、扉を開閉するとき以外に勝手に落ちることはないからまあいいかなって思っているからで、さすがになにもない時に力尽きて落ちるともうだめかな替えようかなという気にはなるけれど、扉に触れてそのゆれが伝わって落ちるのは仕方ないという気であるし、ピンチの問題をチューブが受けとっている形で、支えられないピンチから、落ちてしまうチューブに愛嬌があると思っていて、そもそも自分が使うものではないこのチューブの柚子のジャムみたいなジェルがなにをするものか知らないまま、こうしてときどき思いだしてはもとあったように吊るしている。
mai

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3.7
本当、途中までは「何の話なんだ」感が強かったんだけど、いつの間にか偶然すれ違ったり出会ったりした人の生と死についての話になってて…景色や雰囲気と相まって、不思議な感覚に陥る映画になってた。

これは完全に好みの問題なのだけど、日常的なドラマで行き当たりばったりに見えて、実は物語の中核へといつの間にか移行していたっていうのが良かった。
ただ、私の映画の好みが変わったのかな…ほんの少し前までは、こういう意味ありげな雰囲気がずっと続くような、日常生活映しました的な映画が好きだったんだけど、最近はむしろドラマ感の強い映画が好きで。メッセージもわかるし、やりたいことも理解できるし、その為の展開とかもスムーズで素晴らしいんだけど、純粋に「良い映画ではあるけど刺さらなかった」。

もう一回見たら印象変わるのかもしれないけど、また時間をおいて向き合いたい作品。
sawaddy

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4.6
大きな出来事が展開するわけではなく、ささやかな物語が進んでいくだけなんだけど、どうしてだか、一瞬たりとも目を離せなかった。登場人物が胸の内に秘めている思いを口に出さないからこそ、進むストーリーもあるのだな、と。


旅行に行きたくなった。
台湾の田舎町に行った時に、不思議と死の予感をずっと感じつつけたことがあったのだけど、その時を思い出した。
tiger

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4.2
ど傑作。オリエンタルだろ〜感が若干気になるけど、そこも実際評価されてるらしいので試合巧者ということかな。

中盤までまじで何の話かよくわからなかったが、今日すれ違った人が、身投げしたかもしれないというシーンからは、緊張感が漂い始め、そして後半は人生に一度あるかないかという一夜を過ごさせてくれる。ぐるっとカメラが回る時、観客は自分の世界を見る目が変わっていることに気がつくだろう。「いつの間にかこんな場所につれこられていた」というのは傑作の証。

シンミナがマジで可愛い。「耳に触れていいですか?」のところは本当に死んだ。将来はお茶屋さんと結婚します。
不思議な魅力で好きな作品だった。

古墳の街、慶州(キョンジュ)を訪れた男の次第に溶解していく24時間を時にユーモラスに描く。

とにかく「死」(過去)のイメージに溢れているが清潔感で冷静さを保つ。明解ではないかもしれないけど、パズルを読み解く楽しさにも溢れてる。
んご

んごの感想・評価

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死者に導かれるように辿り着いた土地で失われたものへの視線を共有すること、そうした偶然の交錯によって、本来ならば立ち現れることのなかった関係が紡がれてゆく。神秘的な古墳と街のあかりがフレームのなかで同居する、慶州というロケーションの異形さはもちろん素晴らしいのだが、その折々の情景、なんといっても中盤のカラオケボックスから夜の公園までのシークエンスにおける、信じられないくらい美しい撮影、言ってしまえばどこにでもある、なんてことはない普通の夜を、ここまで甘美に仕立て上げてしまうその演出力に震える。静謐さのなかにたしかなエモーションが宿っている、豊田徹也の漫画をふと思い出した。
この映画は知人の死から動き出す、生と死についての映画であることは間違いないが決してセンセーショナルな趣は見せず終始抑制されたトーンアンドマナーで進む。
その中で段々と夢を見ているかのような不思議な世界に誘われる。それはとてもロマンティックで官能的な世界だ。この映画を観て本物の快楽主義は礼儀や抑制の上に成り立つのだと感じれた気がする。ユーモアのセンスも最高で声を出して笑った。唯一無二の映画。
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