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チルド
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目次

チルドの作品紹介

チルドのあらすじ

東京の片隅にあるコンビニ〈エニーマート倉冨町 7 丁目店〉。 副店長の堺(染谷将太)は学生時代に働き始めて以来、気づけば 20 代のほとんどをこの店で過ごしてきた。 レジ打ち。品出し。廃棄処理。スマホゲーム。マッチングアプリ。 ただ同じことを繰り返す毎日。 コンビニというシステムの中でわずかな乱れも許さず店を支配するオーナー(西村まさ彦)。 しかし新人アルバイト・小河(唐田えりか)が現れたことで、店の均衡は静かに崩れ始める。 やがてその歪みは、静かに、確実に、コンビニを極限の空間へと変容させていく。

チルドの監督

岩崎裕介

原題
AnyMart
公式サイト
https://nothingnew.film/chilled_anymart/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
88分
ジャンル
ホラー
配給会社
NOTHING NEW

『チルド』に投稿された感想・評価

背骨
4.0
マスコミ向け試写にて鑑賞。「コンビニ」という「すべては顧客満足のため」に存在するルールに雁字搦めにされた日本的呪いの空間が、一気に臨界点を超える瞬間…

日常のすぐ裏側にこそ狂気は存在するという見たくなかった真実を思い知らされる概念としてのホラー。唐田えりかが可愛いし上手い

黒沢清が好きならきっと好き。『Chime』を思わせるものがありました…
俺はこういうホラー映画が観たかったんだ…。
日常に潜む違和感、少しのズレで変わる恐怖、現代人の無関心…誰もが行くコンビニが題材でここまで尖った作品にしてくれてありがとうの気持ちです。
死んだ目の染谷くんとちょけてるくるまの画像だけで魅力が伝わるはず(笑)

点数は公開後
3.8
【コンビニは生かされるための機械】
動画版▼
https://www.youtube.com/watch?v=cXSfHJIR0g4

第76回ベルリン国際映画祭にて国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI)を受賞した『チルド』が2026年7月17日(金)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田ほかにて全国公開となる。本作は日本の映画レーベルNOTHING NEWによる作品で、今月開催されるカンヌ国際映画祭にもアニメ映画『我々は宇宙人』を出品しており注目すべきものがある。今回、NOTHING NEWさんのご厚意で一足早く観させていただいたので試写レビューをアップしていく。

本作は黒沢清映画を彷彿とさせる現実から外れてしまった人の異様さを捉えながらも彼の作品以上に生々しくリアルな会話の噛み合わなさの持続で背筋を凍り付かせるホラー映画となっている。コンビニ《エニーマート》で副店長をしている堺。同僚や客はどこか壊れてしまった人ばかりで自分自身も、未来なき単調な生活に諦観しスイッチの切れたロボットのように虚無を刻んでいる。映画の前半は、厭な人間の間合いの品評会となっており、現実にもある気持ち悪い展開にゾクゾクとさせられる。

たとえば、サラリーマンが「レジ袋要るって言った?」と戻ってくる場面。冷たい態度で相手の意図を汲み取らないようにしつつその執拗さから「払い戻しします」と言うと「いや、いい」と立ち去る。同僚の男は引きつった笑みを浮かべながらも言葉の一手を間違えると怖い形相を浮かべる。その当たり判定はわからない。仕事中にもかかわらず声優をやっていると音源を聴かせられたりする。転調も淡々とした口調で組織のルールを詠唱するだけ、時折壊れたように単語を復唱する。機能不全になりながらも社会のインフラとしてかろうじて機能している様を前に《コンビニは生かされるための機械》なのかもしれないと思わずにはいられない。このような環境に身を置いているので、堺自体も人間の間合いが壊れてしまっている。ここが重要なポイントである。コンビニ外のコミュニティ、友人同士との会話になるのだが、虚無に生きているので面白い話はできないし、勿体ぶってようやく口を開いたかと思えば、間が悪く自分の持っている会話のボールはするりと手から落ちてしまっている。

このような絶妙な会話の噛み合わなささや壊れた人間関係の陰湿さは文学向きな内容であり、村田沙耶香「コンビニ人間」や坂本湾「BOXBOXBOXBOX」といった例があるが、岩崎裕介は長編デビュー作にして見事視覚言語に落とし込んだといえよう。後半のある展開も刺激的であり、今後の活躍に期待である。

2026年7月17日(金)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、テアトル梅田ほかにて全国公開。

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