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チルドの作品紹介

チルドのあらすじ

東京の片隅にあるコンビニ〈エニーマート倉冨町 7 丁目店〉。 副店長の堺(染谷将太)は学生時代に働き始めて以来、気づけば 20 代のほとんどをこの店で過ごしてきた。 レジ打ち。品出し。廃棄処理。スマホゲーム。マッチングアプリ。 ただ同じことを繰り返す毎日。 コンビニというシステムの中でわずかな乱れも許さず店を支配するオーナー(西村まさ彦)。 しかし新人アルバイト・小河(唐田えりか)が現れたことで、店の均衡は静かに崩れ始める。 やがてその歪みは、静かに、確実に、コンビニを極限の空間へと変容させていく。

チルドの監督

岩崎裕介

原題
AnyMart
公式サイト
https://nothingnew.film/chilled_anymart/
製作年
2026年
製作国・地域
日本
上映時間
88分
ジャンル
ホラー
配給会社
NOTHING NEW

『チルド』に投稿された感想・評価

kuu
3.8
『チルド』
製作年 2026年。上映時間 88分。
映倫区分 R15+ 製作国 日本

染谷将太が主演を務め、コンビニを舞台に描くホラー作品。コンビニというルーティン化された社会の中で起こった小さな歪みをきっかけに、外の世界も終わりに向かっていく姿を描く。

深夜のコンビニ。誰もが通り過ぎる、無機質なプラスチックの箱。漂うんは、漂白された洗剤の匂いと、終わりなき電子音のループ。映画『チルド』は、日常に潜む狂気と現代社会の歪みをコンビニちゅう閉鎖空間を描き出し、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞したのも納得の、見応えのあるサスペンスホラーでした。今作は、その冷え切ったショーケースのガラスを容赦なく叩き割るよな、強烈な批評性を持って脳裏に侵入してきました。
 
今作品の最も際立つのは、出演陣の善き演技力と、じわじわと理性が崩壊していく心理演出でした。トリビア的な視点で見れば、舞台のほとんどが実物大のコンビニセット。撮影が進むにつれて役者たちが精神的に疲弊していくリアルが、そのまま画面に投影されてました。キャスティングの妙が、この密室劇のサスペンスを限界まで押し上げていると思います。
 
主演の染谷将太は、感情を失った現代人を体現するような死んだ目の演技を披露しており、ごくわずかな表情の変化だけで複雑な葛藤や人間味の揺らぎを表現する技術は、流石の一言に尽きました。彼が演じるキャラは、過剰な情報とタスクに脳をハックされ、自己を見失った現代人のポートレートそのもの。虚無の奥底で燻るかすかな人間性の火を、まばたき一つで伝えてみせるんは巧み。『聖☆おにいさん』のブッダ役とは全く真逆。巧いなぁ
 
また、共演の西村まさ彦は、単に怒鳴り散らすのではない、歪んだマニュアル至上主義の価値観を静かに語るオーナー役が合ってたし、その佇まいがかえって不気味さを強めていた。思考を停止し、マニュアルという名の神を盲信する老人の姿は、効率性ばかりを追い求めた結果、個の尊厳を失った現代組織のメタファーとしてあまりにも生々しかった。
 
さらに、お笑い芸人でありながら抜擢された令和ロマンのくるまも、作中で放つリアルにヤバい奴としての独特な存在感があったし、強烈なインパクトを残していました。
日常のバランスを妙にかき乱すトリックスター。コント的な誇張を排除した地続きの恐怖として体現しており、スクリーンを支配するその異才ぶりには驚きました。
 
一方で、物語後半からR-15+指定ならではの血まみれで過激なスリラー描写へと急展開する点や、登場人物たちの倫理観の欠如など、胸糞の悪い人間描写の多さは鑑賞者を選ぶ大きなハードルとなっているかな。前半の静謐なサイコ・スリラーから地獄絵図へと突き落とされる構成は、たしかに胃壁を削られる痛みを伴うし、誰も救われない利己主義のぶつかり合いに、嫌悪感を抱く層がいるのも無理はないかな。
 
しかし、単に万人受けする娯楽作として処理するのではない、その目を背けたくなるような不快感や過激さこそ、マニュアルに支配された現代社会を痛烈に風刺するスパイスとして機能しているとは思います。今作はジャンル映画におけるホーム侵略(ホーム・インベージョン)の鮮やかな変奏曲でした。安全圏であるはずの聖域(コンビニ)が異常者に支配される恐怖はスリラーの王道やけど、今作の残酷な反転は、モンスターが外部から来るモンじゃなく、マニュアルというシステムそのものや、それに過剰適応した内部の人間から発生する点にあり、身近なインフラが容易く屠殺場へと変貌する、計算され尽くしたジャンル的実験。
 
冷徹に管理されたチルド室の温度のように感情を凍りつかせ、それでいて内面の思考を激しく沸騰させる。賛否の分かれる極端な描写を内包しつつも、それらを役者陣の確かな演技力と高い芸術性でまとめ上げており、鑑賞後も考えさせられる強烈なインパクトを持った作品でした。


東京の片隅にあるコンビニ、エニーマート倉冨町7丁目店の副店長・堺は、学生時代に働き始めて以来、気づけば20代のほとんどをこの店で過ごしてきた。レジ打ちに品出し、廃棄処理。そしてスマホゲームにマッチングアプリ。毎日はただ同じことを繰り返して過ぎていく。オーナーはコンビニというシステムの中でわずかな乱れも許さず店を支配しているが、そこへ新人アルバイトの小河が現れたことで、店の均衡は静かに崩れ始めていく。

ショートフィルム集「NN4444」や中編ホラー「〇〇式」を手がけて注目を集める映画レーベル「NOTHING NEW」が初めて送り出した長編作品。監督は、「NN4444」にも収められた短編「VOID」を手がけ、これが初長編作品となった岩崎裕介。主人公のコンビニ副店長・堺を染谷が演じ、新人アルバイト・小河役を唐田えりか、オーナー役を西村まさ彦、コンビニ店員・室井役をお笑いコンビ「令和ロマン」のくるまが務めた
背骨
4.0
マスコミ向け試写にて鑑賞。「コンビニ」という「すべては顧客満足のため」に存在するルールに雁字搦めにされた日本的呪いの空間が、一気に臨界点を超える瞬間…

日常のすぐ裏側にこそ狂気は存在するという見たくなかった真実を思い知らされる概念としてのホラー。唐田えりかが可愛いし上手い

黒沢清が好きならきっと好き。『Chime』を思わせるものがありました…
symax
3.9
"…案外そういうところから始まってくるのかもしれません…裏返って行くんです…"

東京の片隅にあるコンビニエンスストア"エニーマート"で副店長を務めるさかいは、父であるオーナーのもと、コンビニ店員としての業務を淡々とこなす一方、ゲームやマッチングアプリに没頭する毎日を繰り返す…

そんな中、新たにアルバイトとして雇われた小河が働き始めたことをきっかけに店の均衡は静かに崩れ始め、思いも寄らない事態が…

冒頭からお尻がムズムズするいや〜な空気感が滲み出す…

兎に角、生きていながら死んだような目をした登場人物のオンパレード…

コンビニという舞台で繰り広げられる不穏な日々が淡々と淡々とそしてただただ淡々と独特の間で繰り広げられるのですが、尻がムズムズ、背筋がゾクゾク…かなり胸糞だし何より怖い…

世界の終末がコンビニから始まるかのよう…

西村まさ彦の怪演はかなり怖さのベクトルを上げちゃってます…ヤバいです…

88分という短い上映時間ですが、これ以上は無理です…丁度良いです…ホラーに耐性がある私ですが、本作の恐怖を長時間耐えるのは無理です…でもね…むちゃくちゃ面白い…

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