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ナショナル・シアター・ライブ「みんな我が子」の作品紹介

ナショナル・シアター・ライブ「みんな我が子」のあらすじ

アメリカン・ドリームを体現する、ある幸せな家族。 戦時下、ジョーは軍需物資の製造で莫大な富を築くが、その成功には大きな代償が伴っていた。ビジネスパートナーが不良品の製造により罪に問われ、さらに、ジョーの長男は戦場で行方不明に。ついに訪れた平和は、果たして家族に心の安らぎをもたらすのか?それとも、彼は自らの過去の過ち(決断)が招いた報いに直面することになるのか?

原題
National Theatre Live: All My Sons
製作年
2026年
製作国・地域
イギリス
上映時間
135分
配給会社
カルチャヴィル

『ナショナル・シアター・ライブ「みんな我が子」』に投稿された感想・評価

桃龍
3.0
すこし人物の相関関係が難しいので、映画の『みんな我が子』などで予習しといた方がいい。けど、映画だけ見ればいいかも。
映画と比べると、シンプルな舞台だから情報が少ない。回想シーンもない。
本作の方が優れている点は、モノクロじゃなく色つきで、白人一色じゃないことと、反戦色が強くなってることぐらいかな。
4.3
National Theatre Live in Japn 2026の新作第4弾✨

NTLiveでは2度目となるアーサー・ミラー作の『みんな我が子』。
前回のビル・プルマン×サリー・フィールド主演版はアンコール上映もやってたけど見逃しちゃったな💦

今回のこちらは2025年11月から今年の3月までロンドンのウィンダム劇場で上演されていた最新演出版✨
今年2026年のオリヴィエ賞では、見事最優秀リバイバル賞と最優秀助演男優賞を受賞した作品🏆
最新のビッグ作品が日本の劇場でもう観れるなんて最高ですわ🥹

それと今年のトニー賞では同じくアーサー・ミラー作の『セールスマンの死』が演劇リバイバル賞を取っていたし、今年はアーサー・ミラーな年だな〜🏆✨
どちらも40年代の古い戯曲なのに、現代社会にも通じるテーマや問いかけがあるという凄さ🤔

演出は『橋からの眺め』で衝撃を受けたイヴォ・ヴァン・ホーヴェ✨
物語自体や脚本は映画と同じではあったし、むしろカットされてるシーンもあったのに、こちらの舞台版の方が圧倒的な人物描写の深さで、心にズシンと響く内容だった😭
やっぱりイヴォさん凄い🥺

イヴォさんの作品は招聘公演のイザベル・ユペール主演『ガラスの動物園』を以前観た時も思ったけど、セットがシンプルながら非常に凝ってて、まるで登場人物の1人かのように語りかけて来るような存在感がある😳
今回も冒頭の暴風により倒れ、舞台にデカデカと横たわるりんごの大きな木(長男のために植えられたもの)が、舞台に不在の長男ラリーの幻影のように存在感を放つ🪾
舞台美術・照明デザインは公私共に長年イヴォさんとタッグを組むヤン・ヴァースウェイヴェルド✨

この大木が横たわる庭を舞台に、全てのシーンが展開していくので、場面転換なしなのも今回の演出アレンジの一つかも。
1幕ラストで、次男クリスが木にチェーンソーを入れるシーンもインパクトある🪚

父親役を演じたブライアン・クランストンはどハマりしたドラマ『ブレイキング・バッド』のウォルターのイメージが強いけど、一見穏やかで知的なパパを自然体で演じていたし、ラストは凄かった🥺
次男クリスとの父子の仲も良く、ちょっとした会話のやり取りの中にも信頼関係やこれまで2人で過ごしてきた時間みたいなものが垣間見れる、そんな演出と演技がまたグッと来た。
後半、この信頼し尊敬して来た父が実は…という展開になって来るから余計に…。

映画同様、息子が亡くなったことを受け入れられない母親だけど、演じたマリアンヌ・ジャン=バプティストの役作りや存在感のせいか、弱々しく病んでるというよりは確固たる強い意志や息子への愛を感じるよう母親像。

長男ラリーの元恋人で、次男クリスが求婚するアン(ヘイリー・スクワイアズ)が、特に描き込みが深くなったように感じるし、思いやりや人間性に溢れる人物で、言動も自然な感じがした(逆に映画では、え?っていう行動があったり、違和感があったので)

アンの兄は『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』のエイゴン役だったトム・グリン=カーニー!
TVだけじゃなくて舞台もやってる役者さんだったのか!
少しエイゴンを思わせるようなクレイジーな部分もあったし、悲しみと怒りに暮れる哀愁みたいなものも滲ませる演技だった。

そしてやっぱり次男クリス役を演じたパーパ・エッシードゥが凄かった🥺
助演賞男優賞受賞も納得🏆👏
不器用でちょっと奥手な感じで、アンにもなかなか本心を口に出来ない感じとか、後半見せる実直で誠実なところとか、兄の死の真相を知り打ちのめされるあたりはとにかく引き込まれる熱演🔥
映画では感情移入しづらい話で、一歩引いてみてしまったけど、もうクリスを中心に観ていて心がズタズタになった😭

舞台上に設置される大きな丸い穴🕳️
外からケラー家の部屋の中を覗き込めるような窓の役割もあるけど、何かぽっかり空いてしまった大事なもののようにも感じるし、全てを見てるような神の視点的なものにも感じた。

やっぱり演劇って見応えあるな〜と感じた一本だった🥹
Talia
-
おもしろかったです。刺さる人が多そうなので映画感覚でおすすめしたい。悲劇だけど。

ずっとワンシチュエーション、会話の叙述トリック感がすごくてめっちゃ文学みたいと思ったけど戯曲らしい。今まで見てきたNTLiveぽくないと感じたのは戦後のアメリカ家族の話だからかもしれない。最初から最後までずっとクライマックスって感じの会話劇だった。
旅行帰りで疲れていたので寝ちゃったらどうしような体調だったけどおもしろくて眠気吹き飛んだ。

とある家族が戦争で次男を亡くした話ということが冒頭でわかる。母ケイトは息子のことが忘れられなくて3年経ったいまでも帰還兵として帰ってくることを信じている。長男(兄)クリスは弟の婚約者に片想いしていてプロポーズしたい、でもそれは弟の死を家族に認めさせることになる。父ジョーは妻と息子の間で揺れている。
やがてNYに引っ越していた兄の婚約者アニーが故郷に帰ってくる。昔を懐かしむ会話を聞いていると家族の問題は帰ってこない息子だけじゃないことがわかる。アニーの父親はジョーの会社の部下で、欠陥品を出荷して死者を出した件で有罪となり刑務所にいた。彼らが造っていたのは、空軍で使う戦闘機だった。

天気から始まるご近所さんとの会話、戦争から帰らない息子、遺された家族と周りの人の人間関係…正直いうとそんなに真新しさを感じないシチュエーションなのに最初から妙に惹き込まれるものがあった。ちょっと会話のテンポが舞台より映画やドラマっぽかった気もして、それもNTLiveっぽくなく感じた。

あと舞台装置。冒頭の悪天候で倒れた巨木と満月みたいな大きい丸い窓以外何もない。完全に削ぎ落とされた空間によって役者の演技の生々しさやそこに横たわる思惑、感情が引き立った。

土地や時代背景がはっきりしない中、原作はおそらく全員白人をイメージして書かれたろう家族を黒人女性の妻と白人男性の夫の家族にしたのも良かった。人種差別的表現がなく、ミックスの息子を慈しむ白人の父親の姿はそれだけで“善良な”人間に見える。我々(私)が偏見と先入観によって勝手に抱くそのイメージが、物語が進むにつれて、それだけでは許容しきれない彼の残酷さを強烈なコントラストとして際立たせた。物語は転がるように反戦と資本主義に対する批判の色を強めていって、クライマックスはまるで現代社会とリンクするようでもあった。

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