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科学者の道
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『科学者の道』に投稿された感想・評価

lemmon

lemmonの感想・評価

3.4
当たり前である医療現場の「清潔」を生み出した人。
それだけで尊敬。

そして予防接種をも生み出した偉大な化学者。
今生きている世界においてもありがたいことだらけ。
そんなルイパストゥールの物語。

伝記物としては完璧な主人公賛辞に楽しさはないが、ポールムニがいつも通り作り込んでパストゥールを熱演。

ライバルのじじいとのやり取りもいいでないのよ。新しいことをすると非難の的に。それでも負けない人が生み出したものが、その時代だけではなく後世のためになっている。

偉大な人の物語でした。
今の時代観ると余計に沁みる。
私は、微生物学の研究と教育を大学の医学部でしております。医学生に授業で、本作をすすめております。
「科学者の道」の原題はThe Story of Louis Pasteur(ルイ・パスツール物語)で1936年制作のパスツール(1822-1895)の伝記。主演のポール・ムニは好演でアカデミー主演男優賞を受賞(ちなみにムニは翌年ゾラの伝記映画でもアカデミー主演男優賞にノミネートされている)。本作で、パスツールはワインの低温殺菌法(パスチャライゼーション、pasteurization)の開発で有名な化学者として登場、しかし当時は微生物がヒトの病気を起こすことが信じられておらず産褥熱が連鎖球菌感染で起こることを提唱したためナポレオン三世から不興を買う。この関連で消毒法の開発者で英の外科医ジョゼフ・リスターも登場。普仏戦争(1870年)の敗北でナポレオン三世の第二帝政が終わり、第三共和政の初代大統領ルイ・アドルフ・ティエールが賠償金の支払いのためには当時炭疽病で潰滅的であった畜産業を救うことを指示。フランス国内では唯一アルボア(パスツールが少年時代に過ごした場所)では炭疽病がないため調査医師を派遣したところパスツールがワクチンを開発していた。獣医師Hippolyte Rossignolがワクチンの公開実験をパスツールに要求し、パスツールはこれを受け勝利(1881年の実話)するが、この時狂犬が乱入し噛まれた人が焼きゴテを傷口に当てられる悲惨な治療を目撃(実際は9歳の時)、狂犬病ワクチンの研究にかかる。1885年に狂犬に噛まれたジョセフ・マイスター少年をワクチン治療で救命、ロシアから来た農夫も救命する(映画では同時期として描かれているが、実際は1886年に35人の農夫を救命)。本作は、パスツールの主な業績をうまくまとめており歴史的にもかなり忠実。狂犬の口からウイルスの含まれた唾液を自らピペットで吸い出す命がけの実験や、科学論文上ではなく、公開の場でワクチンの議論を行うなど当時の研究者をとりまく状況も描かれている。人民のための科学者People’s scientistと言われたパスツールがワクチンの正当性を訴えながらも絶えず中傷されていきながらも、最後には功績が認められ若い研究者に言葉を残していくラストシーンも実話。現代でも、科学者の正当な評価にも関わらず、ワクチンに根拠なく反対し、ワクチン接種できなかった人が感染症で死にいたるという問題はあり、そうした観点からも薦めたい名作。以下は映画のパスツールのことば。

The benefits of science are not for scientists. They’re for humanity. 科学の恵みは科学者のものじゃない。人類のものだ(炭疽菌のワクチンが成功すれば、パスツールは休息もとれなくなると心配する妻に対して)。
米🇺🇸国原題:『The Story of Louis Pasteur』

日本語以外の言語を理解出来ない私が、日本語字幕/日本語吹替なしの外国映画に挑戦してみる、タグ名:#映画は言葉の壁を越えれるか試してみた、、の14本目

予告
https://youtu.be/NVpwSmMa2O8 (3:19)



 センメルヴェイス反射という用語をご存知だろうか?

新たな事実が判明しても、それまでの考え方から抜け出せない為にその事実を受け入れない事。

あるいは、
既得権益を持った多数派が、自分達の間違いを認められず、正しい意見を弾圧しようとする行動、
だとまでいう人もいる。

何故この言葉を引き合いに出したかは後述する。



 まずは本作について簡単に。
フランスの微生物学者{※①} ルイ・パスツール、
◦産婦の高い死亡率を解消するには医師の器具消毒と手洗い🧼👏が必須と新聞に載せる
→産褥で妻を亡くした男が医師を殺害する事件が発生
→ナポレオンⅢ世によってパリ追放
──────────
◦片田舎アルボワで羊🐑に予防ワクチンが有効であることを公開実験で証明
──────────
◦狂犬病🐺のワクチン開発に成功
→仇敵シャルボンネに、娘の助産🤰と引き換えに「病原菌説は虚妄なり」との声明文にサイン✒️させられる
──────────
◦勲章🎖️を以てパリの生物学会に再び迎え入れられる
────────── - - -という大枠4つのシークエンスで構成されている。


 フリッツ・ライバー・シニア演じるシャルボンネが憎たらしくて良い。

ポール・ムニは初見。
役を作り込むタイプのパイオニアだったようで、評価の高い俳優だが、Filmarksでの扱いは今一つ。

監督 ウィリアム・ディターレ × 主演 ポール・ムニのタッグで伝記映画を3本撮っている。
本作のルイ・パスツール、
フランスの小説家 エミール・ゾラ、
メキシコの革命家 ベニート・フアレス。
ディターレは、伝記物の映画にエンタメ性を付与した元祖と云われる。

最近の研究結果等{※②}と照らし合わせると、事実との乖離多数あり。鵜呑み危険の好例。
某マザー・テレサ、某国の后だった人物、、などのように、最新の情報にアップデートする必要がある。

パスツールもの映画としての出来は、前年フランスで作られた、サシャ・ギトリの作品{※③}の方が評価は高いらしい。




 さて、ここからが私の本題である。

とある動画{※④}を視て初めて センメルヴェイス・イグナーツ (ゼンメルワイス・イグナーツとも) という医師がいたことを知る。

この人は、産科医の手洗いによって、産褥熱{※⑤}による産婦の死亡率を劇的に下げ「母親たちの救い主」とも呼ばれた偉大な業績を残した人であるにも関わらず、彼の提唱した手洗い法は完全否定され、不遇のままこの世を去ったハンガリーの医師である。

彼が唱えた次亜塩素酸カルシウムでの消毒法は、死後数年を経て本作のルイ・パスツールの細菌論に影響を与え、スコットランドの外科医ジョゼフ・リスターが、外科手術におけるフェノールを用いた消毒法を確立するのを助けた。

そして、その手を洗うという今では当たり前の行為が一般社会に普及したのは、1865年にセンメルヴェイスが亡くなってから実に100年以上も経ってからのことである。

 冒頭の「センメルヴェイス反射」は、このセンメルヴェイス・イグナーツに由来する言葉である。

この言葉の意味と手洗いによる感染症の予防、この二つのことは、現代に生きる我々に大事なことを教えてくれている。
センメルヴェイスさん、有り難う!



参考資料
THE STORY OF LOUIS PASTEUR (1936) • [English]
https://youtu.be/wBVLNr3MSoY (1:26:15)



――――その他――――
{※①}
化学者/生化学者/細菌学者などとすべきだが、作中で取り上げられた期間に合わせた肩書きにした

{※②}
人獣共通感染症第36回─パスツール個人の科学
https://www.jsvetsci.jp/05_byouki/prion/pf36.html
{※②}'
『パストゥール : 実験ノートと未公開の研究』─ジェラルド・L.ギーソン 著/ 長野敬, 太田英彦 訳 (青土社):2000|書誌詳細|国立国会図書館サーチ
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002887493-00

{※③}
サシャ・ギトリのPasteur (1935年)
Guitry-Pasteur - Dailymotion
https://www.dailymotion.com/video/x1z8m9j (6:33)

{※④}
最強の感染予防 ─【予防医学】歴史を変える偉人はたいてい批判され馬鹿にされるものである
https://youtu.be/eMiZ-OQF9qY (14:57)

{※⑤}
今では、化膿レンサ球菌が侵入→産褥熱発症→敗血症が進行、という流れが分かっているが、センメルヴェイスからパスツールに受け継がれた研究によって、微生物は動物や人間の身体にも感染するという細菌論にも繋がった


余談。。
センメルヴェイスについての映画なんてないと思ってたら、結構あるやん。。

参考資料
Vimeo ─ SEMMELWEIS (2001 SHORT FILM)
https://vimeo.com/177467055 (21:47)

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