女の花道の作品情報・感想・評価

「女の花道」に投稿された感想・評価

【スターの矜持にふれた】

美空ひばりさんの作品は初めてですが、凄まじい才能を目の当たりにして驚くばかり。

唄い
踊り
舞い
演じる。

この世には桁違いな人物がいるものなのですね。彼女がスターであることに納得せざるを得ない。圧倒的です。

また、他の方もレビューで触れているように、最後のシーンは、戦後の焼け野原からスタートした彼女のキャリアをフィードバックしたものであり、最後の言葉も作品中の演出ではなく、彼女の矜持そのものなのでしょう。
nagaoshan

nagaoshanの感想・評価

3.9
沢島忠監督作品!

美空ひばり特集④

5歳の頃出雲大社のお札を売る勧進巫女のおいねに拾われ育てられたおきみ(ひばりさん)は16歳になり歌と踊りを旅先の人々に披露して喜んでもらい自らも生きがいとしていた。

おいねが旅先で亡くなり、出雲に帰る途中、京都の市摩流家元・丹後(杉村春子)の地唄舞を見て弟子を懇願して…

芸能生活25周年を記念して作られた本作はひばりさんの主演映画最後の作品で絶大なる信頼を寄せていた沢村監督との集大成的かつ、ひばりさんの人生そのものを見事に作品とシンクロさせた感慨深い作品ではないでしょうか。

己の幸せを最後まで歌に捧げた人生、ファンの方々の涙と喝采が上映後に見ることが出来それを体験してさらに感動してしまった🥺

良か映画!
永く観るを切望しててやっと観れた作品。沢島、ひばり、という、映画の最も生き生きした活力・庶民性・才能を代表していた二人の、この後は舞台(・TV)に活躍の場を絞る、共に最後の銀幕用フィクション作品。
コミカル・破天荒・現代的・直線的で花咲かすに至る沢島時代劇は、任侠映画の先鞭製作を経て、’60年代後半から現代劇も時に混じり、やや窮屈な深刻性を強め、以前の現実の力に破壊・破滅を賭け衝突してたのに代わり、その重みを背負いこむようになり、その過程で純粋な古典的ともいえる様式美の粋も見せるようになってくる。本作でも、音響or絵柄で殆ど完全な静寂(雪や河原の自然、無や闇のバック、静止的民ら)を経て、幻視や狂乱や導き放ちの纏まりに何度か至る。そのあたりの呼吸はこの道を究めた人の力まぬ神技だ。
客へのサービス、映画的絞り込みの力、内容による驚きや発見、等には基本的に関心がはらわれてなくて、自分達のために、その噛み締めてきたもの、その踏みしめた所が置かれてゆく。しかし、政争・戦禍にあってもその当事者に語らす、芸の生命力のもたらす力と失われてはならぬ位置、そしてその踊り・舞いの世界における社会的格式・差異は無意味な相互浸食のありよう、がプロットは敢えて平凡な中に執拗に描かれ、ひばりに敢えて歌の世界とずらせ併行する世界の住人とさせて観客におもねるを拒んでもいる。本作を、主に錦之助・ひばり、時に橋蔵や千代之介・御大やそのJr.らと組んだ、仕掛けにわくわく、活動力に突抜けさせてくれた驚くべき傑作と同列に語ることはできない。しかし、映画世界との終焉作はかくありたいと思わせた。