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『ふたりのイーダ』に投稿された感想・評価

この映画は児童文学が原作なんですが、超伝説になってるほどのカルト作品なんですね。

原爆をテ-マに、家で少女を待ち続ける椅子の話。この作品テレビやビデオなんかで見られへんかったらしいけど、そらお蔵入りっぽくなるわ~的な内容なんです。

30年前に広島に出かけた少女の帰りを待っている椅子(喋れるし、歩ける)は広島に原爆が投下された事を知りません。家にやって来た少年にその事実を聞いて愕然とする椅子。自分の目で事実を確かめる為に椅子はひとりで広島に旅立つのだが…。

椅子が旅するっていかにも子供向けだが、後半のホラーな描写は大人向けになってます。このホラー描写はかなりヤバイ感じで、原爆で亡くなった人たちを勝手にホラーっぽくするなよ!と思われそうですが…案外、こうゆう感じかなと…。大人たちは戦争の悲惨さをさらに痛感し、子供たちもそれとなく理解するだろう。下手なジブリ作品よりずっと面白いと思いました。
王道の夏のジュブナイル5割、付喪神ホラー3割、被爆者のドキュメンタリー2割くらいの印象。
少年が目撃する歩く椅子は歪んだフィルターを通したように映り、続いて少年自身もその歪みの中に映ることで、彼だけが異世界に入った演出が分かりやすくて良い。当然、お祖父ちゃんには椅子は歩いて見えないし歩く話も信じてもらえない。ジュブナイルあるある。

椅子と遊ぶ妹のゆう子は天真爛漫でとても可愛らしい。そのゆう子をやっと帰って来た主人だと思い込む椅子はメルヘンチックなモチーフなのに、成人男性の声で「私のイーダ」と少女への想いを連呼して、邪魔者を排除しようと暴力的手段にまで出る。これには健気を通り越して不穏な恋心や独占欲のようなものが感じられてゾッとした。
悲しげな旅の果てに原爆ドームや相生橋で呆然と佇む椅子は何ともシュールな画だった。人間なら普通に悲しい場面で、勿論この椅子も悲しいのだろうが。
水底の犠牲者たちの描写は普通にホラーで、子供の頃に観てトラウマになったという感想が多いのも頷ける。

被爆者への差別がまだ記憶にあったであろう戦後30年に作られた児童向け作品ということで、被爆した女性も健康な子供を産んだり求婚される普通の人生を送れるのだということが大きなメッセージだったのかもしれないと思った。
夾竹桃の花と盆灯籠の色が夏らしく鮮やかだった。
3.4
タイトルだけはなぜかしっかり記憶にあった。有名な児童文学の映画化らしい。
これは子供時代にぜひとも見ておきたかったな。ギイギイ動く椅子が強烈に焼きついたはず。独特のホラーファンタジー風な切り口から、1945年8月6日ヒロシマをきっちり描いてみせる。
何より子役が無邪気ですばらしい。こんな風に自然に撮れる監督を尊敬です。

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