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虹の橋
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『虹の橋』に投稿された感想・評価

lemmon

lemmonの感想・評価

3.7
江戸時代の京都。
裕福ではない長屋の人々にフォーカスを当て、そこで育った子供達の行く末を描く。

奉公に出されるのも当たり前であり、それが貧乏から抜け出す手立てであった時代。なんとも過酷。この時代には必ず出てくる吉原も。

悲壮感はわずか。
この時代にグッと目線を落として、生きてきた人たちを生き生きと描いていて、それが楽しかろうが悲しかろうが、素直に描いている感が面白い。

俳優陣の掛け合い。
笑いあり、涙あり。
真ん中に立つは和久井映見。
悲喜こもごも。
魅せる表情にやられる🥰。

時代に限らず不変か。
無邪気に愛を約束した時期。
これが大人になり現実になった時にそれだけでは生きては、一緒にはなれないのだ😣。


和久井映見は物心ついて初めて♀として(🙇‍♂️)好きなった女優。たまに見返すとやっぱり好きだなあと思う。
教授

教授の感想・評価

-
なかなか観ることが困難で。
きく役の渋谷琴乃の大ファンで。当時15〜6歳の自分が、たまたま見つけた新聞広告で、たまたま一番近くの電車で30分先の映画館へ何回も通って観た作品。
その後、テレビ放送された際(恐らくそれも一度限り)に鑑賞して以来で25年近く経過している。

改めて観て、やっぱり好きな作品である。
多分に松山善三監督の、戦後民主主義的というよりも共産主義への理想を仮託したコミューン思想の体現のような、貧乏長屋を舞台にして、これでもかという庶民礼讃の作劇。清貧の美学に貫かれていて、見ようによっては極端なメッセージに感じる部分はある。

キャスティングされた俳優たちは、ベテランと若手ともに「実力派」で揃えられて。「演技」然とした演技は現代の視点から見ればややオーバーに感じたりもするが、むしろ、演じるという行為からでしか表現できない仕草や表情の動きが、物語に没入させていく上で虚構的なリアリティが高められてもいる。つまり「リアル」であることが「映画的」だとは断定できないということでもある。

長屋の貧困から浮かび上がる社会全体の問題。大人になるための「通過儀礼」として手に職を身につけていく健気さ。「職人」の仕事ぶりから描かれる日本的なクリエイティビティの豊かさ。
「元禄文化」を背景にした、さまざまな職業から生まれる工芸品などの画面的美しさなど、プロットに描きこまれたディテールの豊かさは見事。
それが画面作りの彩りにもしっかり反映されていて、良質な日本映画となっている。

不条理で理不尽な「人生」そのものに対して諦めるでもなく、抗うでもなく、翻弄されながら最終的には利他的に生きることの尊さと、奥歯を噛みしめ尊厳を失わないために静かに戦い続けるのだ、という決意に満ちた味わい深さを感じて。
この機会に再度観ることができてよかった。
映画の中で起こっている事態だけをみると、まあ結構みんな辛い目にあっているんだけどテンポがいいからか鈍重さや野暮ったさは感じず。むしろそういう辛い中でも歯を食いしばって強く生きている姿が描かれていると思った。
子供が奉公に出されて無給で働いていることもそうだけど、妹が女郎屋に売られないために人を殺して死んだ兄がいるのに、その想い人は生きるために女郎になるしかなかったというところも、ままならない人生の中でもその場所で生きていくしかないということをあらわしてるんだろうなと思った。
嘆願したって、人は死ぬ。

そういう色んな人の立場からものごとを描くというところが群像劇の好きなところで、辛いのなんか自分だけじゃないという自戒にも感じられるから私は群像劇が好きなのかなとも思った。
世界中で自分が一番不幸だと思う瞬間はたくさんあるし、その瞬間は自分の中では本当にそうだし、その痛みなんかは自分だけのもので誰とも分かち合えたりはしないんだけど、
そんなのみんなそれぞれ抱えてる。形は違えどね、という気持ちにもなる。そこが、群像劇の好きなところ。
世界には色んな人がいるってことを知るのはやっぱり大事だなあと思う。だから、色んな世界をみたいとも思う。それが映画を観たいという気持ちにも繋がっているような気がする。

メインで描かれる千代と宗吉のラブストーリーも、結局はそういう色々を通して世間を知って大人になった千代が宗吉を拒絶するという結末になる。
お互いに好きという気持ちはあっても、誰かを思って諦められなきゃ大人になったとは言えない。
そこの解説を受けてすごく自分にも刺さった。
そういう選択ができるようにならなきゃと、


あと、映画の全体的なテンポとか流れはちゃきちゃきしている感じがあって観ていても気持ちがいい。一つ一つのカットの美しさもあって、通りをいろんな色の傘が歩いていくところや雪の中でたたずむ2人の少女、などはとても印象的だし日本ならではの光景なのかなって感じた。

役者さんたちもすごく良かった。
渡部篤郎ってもっとスカしたイメージの人だったからこんな役もやってたんだなあという驚き。
顔が今と全くおなじな北大路欣也とか、どのシーンでも表情がいい渋谷琴乃さんとか、目が印象的な和久井映見さんとか、どっからどう見てもアホなボンボンにしか見えない佐野史郎とか。

今ではあまり観られる機会もないような作品を観ることが出来て、とても貴重な映画体験だった。

こういう、時代の流れとともに人に観られなくなってしまっている映画はこの世に沢山あるのだと思うし、そういう映画こそをできる限り観てみたいので、ひとつのところに留まるのではなく色んな映画を観ていきたいなと今は思っている。

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