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竹山ひとり旅
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『竹山ひとり旅』に投稿された感想・評価

半盲目の津軽三味線奏者である高橋竹山の放浪の物語。
子供の頃に麻疹で半盲目となった為、母親が近所の三味線芸人の所に入門させたことにより三味線の道に進んだ高橋。主に東北地方を中心に周る門付芸人としての若い頃の彼の様子を写す。

津軽三味線の音色ってキュウキュウっという感じがして何処となく生活の困キュウ感を感じさせる。
黒人の苦しい生活の中から生まれた音楽というとブルース。
髪の毛がモジャモジャの林隆三とツルッパゲの殿山泰司が、互いに白褌一丁で海辺で野飯を二人で喰らうシーンが笑ってしまいましたが、そのモジャモジャの髪の毛と叩き付けるような三味線奏法からジミヘンを連想させられます。

冒頭に竹山本人が渋谷のライブハウス"ジャンジャン"で三味線を弾いている迫力のステージシーンがありますが、この思わず息を飲んで聞き入ってしまう魂の三味線が生まれた背景(彼の人生)と人物について新藤監督が紹介しているような構成でした。東北の厳しい自然と庶民の貧しい暮らしぶり。

しかし、いまいち飢餓空腹感の描写が弱いのと竹山を演った林隆三の唄声が腹から太く力強く出てしまっているのは不満。もっと実際の生活は飲まず食わずの苦しいものだったろうと思います。声もあんなに出なかったのではないでしょうか。ジャンジャンの彼の演奏からはそうした印象を受けます。
カラン

カランの感想・評価

4.5
高橋竹山(ちくざん)というのは、青森や北海道で、津軽三味線を担いで坊様(ぼさま)をしていて、津軽三味線としては史上初のLPを出し、さらにはアメリカ公演をするほどにまで登り詰めた方。坊様というのは、あけすけな言い方をすると、流浪の物乞いなのだから。

☆物乞いファンタジー

托鉢(たくはつ)というのは古代インドでも、中世ヨーロッパでも、日本でも(最近はあまり見ないが)行われてきたもので、物欲を払い、ひたすらに祈り、他力本願で言うところの南無阿弥陀仏(ミホトケの前にワタシとは何者でもなく、無こそが阿弥陀仏の救いの本願であると悟り、至高の受動性に自分を置くこと)の業(ぎょう)なのである。南無阿弥陀の受動性に関しては鈴木大拙先生の『日本的霊性』(1944)をお読みくださいね。話が逸れまくっているが、放浪と物乞いは芸術と極めて相性がいいと言いたかっただけである、種田山頭火とか、シューベルトとかさ。

☆坊様

昔は目の見えない人たちがやれる仕事というのは按摩(あんま)か、坊様(ぼさま)か瞽女(ごぜ)であったそうだ。坊様や瞽女といった文化は江戸時代から昭和の高度成長期まで続いたようである。社会全体が貧しく、農村で盲人であると仕事がないので、村々を方々を渡り歩いては三味線や尺八を人の家の前で演奏した。お金や米、饅頭、味噌を貰ってその日の糧にするのを門付け(かどづけ)といい、女で盲で三味線弾きの流しを行う人を瞽女(ごぜ)という。篠田正浩が1977年に『はなれ瞽女おりん』というのを撮っている。同年に公開された本作『竹山ひとり旅』は高橋竹山の半生が描かれ、男なので坊様とされる。ぼさぼさ頭でぼんやりした眼差しの林隆三が演じる。

(注) 高橋竹山は半盲だったようで、劇中で白色のフィルターがかかったような映像で、ぼんやりした視界が表現されていた。

☆人間の真実を描く厳しさ

篠田正浩監督の映画は瞽女を描いていたが、瞽女さんとしての厳しさではなく、女の辛さであり、女と男を分つのは脱走兵を追う軍部という外部要因である。新藤先生のは社会的弱者の描き方が非常に厳しく、坊様が坊様であること自体の辛さを描く。篠田正浩の映画で瞽女を追うのは軍部という外付けの因子でありはが、新藤先生の坊様を追うのは母親(音羽信子)である。母親が三味線の師匠に弟子入りさせ、嫁を2度取らせ、自暴自棄になって破ってしまった皮を直してもう一度その手に握らせて、握り拳で唄いながら、三味線を弾けと息子を叱咤する。新藤先生は話を盛るが、真実を見失わない。

☆風物

斉藤耕一が監督した、津軽三味線と瞽女を彷彿させるタイトルの『津軽じょんがら節』(1973)は、なぜか三味線も瞽女もほとんど映らない。むしろ、じょんがら節の歌の内容を描いたのか、瞽女の娘の生活と寒村を描く。この映画はとても人気が高いのは、おそらくテレビドラマと映画の区別が付かず、映画空間のショットを気にかけない人が多いことの証左だろう。というのは、斉藤耕一の風物は素朴さだけが売りになったもので、篠田正浩のもののような豊かさはない。新藤先生のは、全般にリアルな厳しさに溢れたロケだが、雪が分厚く降り積もって形成されたレイヤーまで写し撮る。

☆海猫ショット

海猫の群れが2度登場する。海辺で人生に翻弄される坊様と門付けした金持ちにレイプされた最初の妻がもつれ合う。妻は泣いて走り去ろうとする。海猫の群れがスクリーンに渦巻き、その中を坊様が追いかけ、俺と別れてくれと、押し倒し、跨る。

2度目は、死のうとしたのか、傷心の坊様が朽ちた船の陰に寝転んでおり、母親とイタコをしている2度目の妻(倍賞美津子)が三味線を持ってやって来る。母親が叱咤すると、海猫が渦巻き、群れを突き抜けるように母親が声を振り絞ってじょんがら節を唄うと、坊様が三味線を握る。雪の上に座して三味線を弾き始めるこの力強さが篠田正浩の映画との本質的な違いである。

極めて画力に溢れたショットをたっぷりと見逃す余地がないほどに湛えた映画である。『津軽じょんがら節』はもちろん、『はなれ瞽女おりん』ですら、このような境地には至っていない。いかんせん、3作の中で最もマイナーなのが最も偉大であるというのはどういうことか。

☆減点理由

盲目の女を孕ませた教師に騙されて、自己破壊にいたる定蔵(さだぞう=後の竹山)を演じる林隆三を、畳の反射で黄色くなった部屋で撮る。旋回しながら林隆三を撮るカメラに合わせて、林隆三の手前の畳の上でうっすらとした黒い影が動いていた。カメラマンの影だろう。撮り直しすべきである。たぶんかなり良いショットだったのだと思うのだが、畳の影にかなり気を奪われた。おそらく近代映画協会の経済の問題であると思われる。残念だ。撮影監督は『裸の島』(1960)等の新藤先生の傑作でコンビを組んできた黒田清巳。

アテレコは音羽さんは口を大きくあけて上手にやっていたが、何人かは外している箇所もあった。高橋竹山自身にマイクを当ててライブで三味線を弾かせたのが正解である。

画質は時代を考えると良いほうだが、フィルムの傷みなのか、かなり揺らいでいる箇所もあった。


レンタルDVD。55円宅配GEO、20分の10。
失明した乞食の青年・竹山(林隆三)が「津軽ボサマ」となり、三味線ひとつで東北と北海道を渡り歩いていく。津軽三味線奏者・高橋竹山の半生を綴っている、伝記映画。竹山本人によるナレーションが挟まれる。

竹山は道中で目の当たりした「人の世の種々相」を、三味線の演奏スキルに転換させながら旅を続ける。風の噂を頼りにして、何度も訪ねてくる母親(乙羽信子)がミステリアスだが、史実通りなら仕方ない。

追い剥ぎ(川谷拓三)、浪曲師(小松方正)を始めとして、戸浦六宏、絵沢萠子、伊佐山ひろ子、殿山泰司などが、啖呵売でドサ回りする香具師を熱演。ロマンポルノ以前の風祭ゆき(=吉田さより)が、盲目の女学生役で登場するところも必見。

貧困に喘いでいる人間たちの物語だが、そこはかとないパッションとエネルギーに満ち溢れている。「生き抜くため」に衣食住していた時代における、日本人の土着的な生態を観察することができる。

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