竹山ひとり旅の作品情報・感想・評価

「竹山ひとり旅」に投稿された感想・評価

1980年9月7日、銀座・並木座で鑑賞。(2本立て、400円)

評価が高い作品なので映画館まで観に行ったのだが、盲目の三味線弾きが津々浦々の旅をするというドキュメンタリー・タッチの映画だった。

ドキュメンタリー・タッチであっても完全なドキュメンタリー映画ではないので、俳優ももちろん登場する。特に頻出していたのが乙羽信子で、あまりにも出てくるので「ひとり旅」のタイトルイメージが崩れてしまった。孤独感薄れた。
高橋竹山
明治43年~平成10年没
☆津軽三味線の名人で、それを全国的に広めた第一人者。

竹山の人生を撮った作品。幼少から、竹山を名乗る直前まで
半盲目で、学校にもなじめず母親の勧めで三味線の師匠に指示。そこから全国的に三味線片手に旅に出る・・。

旅先で、色々な人に出逢い紆余曲折し三味線に傾倒していきます。
出逢う人達が個性的で、配役も絶妙。

川谷拓三と倍賞美律子は、なかなか素晴らしい役でした。

ロードムービーなんですが、母親の存在がキーでまとまって見えます。
とてもいい作品に出逢いました。

追伸
後で調べたら、北島三郎が紅白歌合戦で唄った「風雪ながれ旅」の曲のモデルだそうです。この曲は、私の亡父が大好きでした。感慨深いものがありました。
これ観ると津軽三味線はつくづくブルースだなと思う。蔑まれてきた者だけが生み出せるレベルミュージック。なので高橋竹山はにっぽんのロバートジョンソン。新藤兼人の無骨無愛想無用心な演出で寒い寒い雪景色の中にかつてのにっぽんの名脇役がずらり。円空仏みたいな手ざわりの映画(触ったことありませんが)。ところでメクラってなんで差別語なんだ?身体に障りと害があるとか不自由とかいうより目が暗いの方がずっと美しいと思うけど。
新藤監督マイベスト。

傑作旅悲喜劇(ロードムービーという言葉が似合わない気がするので)
この作品で津軽三味線の門付慣習を知りました。
日本人に生まれたことを誇りに思えます。
生きるために奏でる三味線の音色は
日本人ならば、確実に魂を揺さぶられることでしょう…
事前情報なしで楽しめます。
半盲目の津軽三味線の名人・高橋竹山の半生を描いた門付ロードムービー。
少年時代のシークエンスはつまらなかったが、青年に成長した竹山こと定蔵役が林隆三に代わってからはもうずっと面白い。この人めちゃくちゃ味がある。

哀しい出来事も沢山あるし、延々と寒そうな画が続くけど、それに負けないくらいユーモラスで温か。
息子が心配で仕方ない乙羽信子演じる母親は「ストーカーかよ?」と突っ込みたくなるくらいちょくちょく姿を見せるし、バラエティ豊かな登場人物が豪華キャストで次から次へと現れ、タイトルの割に案外賑やかな旅路だった。
特に川谷拓三が良い。拓ボン萌え~ってなる。
林光の音楽も素晴らしい傑作。しみる!
小島

小島の感想・評価

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高橋竹山の一代記。ボサマの唄は日本のブルース、竹山ひとり旅は日本のロードムービーだ
津軽三味線の巨匠、高橋竹山(故人)の半生を綴った伝記映画。乞食の青年・竹山が三味線ひとつで東北と北海道を渡り歩く、ロード・ムービーの形式を取っている。竹山本人によるナレーションが挟まれるため、物語の説得力が半端ない。

竹山は自分の目で見た「人の世の種々相」を、三味線の演奏に換えながら旅を続ける。物語が進むごとに三味線と一心同体化していき、三味線なしでは生きていけなくなる。

「移動する→誰かにあう→三味線を弾く→食べる(女がいたらセックスする)」を繰り返しているだけなのだが、癖のある人物が続々と登場するので、飽きることはない。坊さん、飴売り、厄除けといった「見世物事典」で読んだ人たちが実際に出てくるのが、とても楽しい。

「生き抜くため」に寝食をしていた時代の日本人の生態を描いた、純然たる日本映画。貧困に喘いでいる人たちの話なのに、そこはかとない安心感が漂っている不思議。そう、これこそが日本映画の最大の魅力。

古い家屋がたくさん出てくるので、古民家好きにはたまらないものがあるだろう。