名作を撮った名監督という意味を超えて、完璧なショットとは、どういうものであるのかを教えてくれる映画監督のうちの1人として、『雨月物語』(1953年)を通過したのち、溝口健二は胸に刻まれることになった…
>>続きを読む自身が決して恵まれてはいない家庭環境で育ち、喰うや喰わずの状態なども体験した溝口健二が、その作品において、芸姑や娼婦を始め謂わば社会の下層部で生きる人々の姿を数多く描いたのは、或る意味必然だったとも…
>>続きを読む男女の地位の格差が激しかった時代に生きる女たちの姿を描いた作品が高く評価されている監督。長回しが特徴的。
演技に徹底した「リアリズム」を追求。具体的な演技指導を行うことなく、俳優に何度も同じ演技をさ…
1954年 溝口健二監督作品 モノクロ124分。平安時代、越後を旅する身分の高い母(田中絹代)と厨子王と安寿の兄妹。人買い(毛利菊枝ら)の罠にかかった兄妹は、母と離され丹後は山椒大夫(進藤英太郎)の…
>>続きを読むなんだかんだ泣いちゃう。やっぱりラストのキヌヨ田中に嗚咽が止まらなくなる。
もちろん弟に命を繋ぐことで、自らは入水しちゃう香川京子の、伝説的なあのショットも
溝口映画のなかでは、これと残菊物語がベ…
表現は限りなく深いけど、『雨月物語』と本作はちょいと説教くさくて苦手だ。長回しの芝居でここぞというタイミングで涙をはらはらと流す田中絹代よりも、『噂の女』で自分の娘に嫉妬まみれの憎悪の視線を向ける田…
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