溝口健二監督の作品は観終わった後の満足感が大きいですね。
映像は幻想的ながらも、メッセージ性が強いです。
ヒューマニズムに溢れた名作です。
小学校のときに森鴎外の『山椒大夫』を読みましたが、とても…
溝口作品鑑賞6本目。
美的観点において監督の最高傑作なのではないか。
肝心な所で使われる長回しが凄い。
ただ居ること/あること/運動そのものに意識を向けさせる長回しではなく、時空間の連続性を保つこ…
このレビューはネタバレを含みます
名作。
後味が悪く、救いがないストーリー。悪徳豪族の山椒大夫を捕らえるカタルシスはあるものの……。
陰鬱な展開と相反するかのような美しい映像が印象的。計算され尽くした構図と陰影。
端正な芝居を長回し…
森鴎外の小説を原作として、厨子王の再起を描いた作品。
アニメ映画の安寿と厨子王丸を観ていたので、物語の本筋は知った状態での本作だった。そのため展開での感情の起伏はなく、作品を隅から隅まで味わえた訳…
★1989年に続き2回目の鑑賞★
中世の民衆芸能を原話として森鴎外が執筆した原作を映画化。そのような出典であるがため、正直、ストーリーは凄くおおざっぱで単純でご都合主義的なところも多い。
また…
各カットのあらゆる要素に抜け目がなく、作品世界に引き込まれて、あっという間にラストに辿り着いている。
そしてショットの引力が凄まじい。
物語の残酷さとは相反するように映像美が確立され、戸惑いを覚える…