デビルズ・バックボーンを配信している動画配信サービス

『デビルズ・バックボーン』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

デビルズ・バックボーン

デビルズ・バックボーンが配信されているサービス一覧

デビルズ・バックボーンが配信されていないサービス一覧

Prime Video
U-NEXT
DMM TV
Rakuten TV
FOD
TELASA
Lemino
ABEMA
dアニメストア
Hulu
Netflix
JAIHO
ザ・シネマメンバーズ
WOWOWオンデマンド
アニメタイムズ
Roadstead
J:COM STREAM

『デビルズ・バックボーン』に投稿された感想・評価

3.8
 幽霊とは何かというカザレス(フェデリコ・ルッピ)の独白、頭から血が吹き出した少年、成す術がないまま介抱する友人の苦悶の表情。1930年代の激しい内戦が続くスペイン、人里離れた荒野に建つサンタ・ルチア孤児院。中庭に大きな不発弾が突き刺さった孤児院にある日、12歳の少年カルロス(フェルナンド・ティエルブ)がやって来る。カルロス少年は中庭に突き刺さった不発弾に頬ずりをする。彼を預けたアヤラはカザレス先生と孤児院のカルメン院長(マリサ・パレデス)に受け入れを断られるが、アヤラを追う少年の哀愁漂う背中に2人は同情し、カルロスの受け入れを決める。新入りに待ち構える手荒な洗礼、カルロスはハイメ(イニゴ・ガルセス)率いる腕白なグループにいじめられていた。彼に与えられたベッドは“12番”。それはある日を境に行方不明となったサンティ(ニオ・バルベルデ)という少年が使っていたベッドだった。その日から、カルロスは奇妙な囁き声や物音に悩まされる。やがてカルロスはサンティの霊が何かを自分に訴えかけていると感じる。一方その頃、もともとはこの孤児院の孤児で今は職員となったハチント(エドゥアルド・ノリエガ)が婚約者のコンチータ(イレーネ・ビセド)を誘惑していた。ある日、台所で物音を聞いたハチントは血相を変えて台所に向かい走り出した。

 戦争の惨禍を逃れた治外法権のような孤児院、ここに暮らす少年たち以上に、愛憎入り交じる大人たちの描写はドロドロと塒を巻く。義足のカルメン院長を取り巻く男たちの三角関係、科学者で真実を追求して来た勃起不全の男がみすみす奪われた若い青年の愛と欲望。蚊帳の外に置かれたコンチータに恋したハイメの玩具の指輪。中庭に突き刺さった不発弾は、カザレス先生の去勢された男性器のメタファーにも、無念の死を遂げたサンティの生き霊にも見える。映画は中盤まではサンティの影を散らつかせながら、ホラー映画としての体裁を保ったかにも見えるが、その死の加害者たる人物を炙り出してから突如として風景を一変させる。グラナダで暮らすことを夢見た青年の欲望は、この地から一歩も動くことが出来ない哀しい女の運命と対比される。内戦時代のスペインで不幸な境遇にある子供の物語としては、デル・トロの後の『パンズ・ラビリンス』のプロトタイプにも思える。また中盤、ハイメが落ちた孤児院の中の水溜まりは、『シェイプ・オブ・ウォーター』に連なる水の主題を噴出させる。大雨の日に眼上に拡がる無数の戦闘機の光景、天涯孤独になった自分自身を呪う男が、強欲の果てに自身の合わせ鏡のような少年たちに向けられた悲劇の構図。から回った蓄音機、漫画家になる夢を見た少年の仄かな初恋。今作でも寡黙な少年は至上の愛を捧げた老人の死を静かに看取る。
メキシコ人監督であるギレルモ・デル・トロが長編第三作目にして初めてスペイン映画のメガホンを取った作品。DVD特典のメイキングインタビューでは、本人的には初めて完璧な作品が撮れたとの事。

おどろおどろしいタイトルのせいで損をしている感がある、ホラーというより、やはりデル・トロ監督お得意のダークファンタジー。

冒頭から子供の霊が登場するものの、その容貌がデル・トロならではの独特なファンタジー感が強く怖くはない。むしろCG効果もあり美しく見えてしまう程。

但し、スペイン内戦時1930年代の荒野の中に佇む孤児院のセット、中庭に突き刺さった不発弾とその独特な世界観は存分に堪能出来る。

瓶詰めされた胎児、巨大なナメクジ、そしてデル・トロ自身がデザインを手掛けたブリキのような義足・・。

設定自体は良いのだが、いかんせん、主人公の少年のみならず、様々なクセがある登場キャラクターを若干丁寧に描写し過ぎているので、肝心なストーリー自体が遅々として進まず・・。良く言えば「蠅の王」もどきのちょっと文学テイストな作風。

特に大人の登場キャラクターたちは上っ面だけではないリアルな人物像の描写に懲りすぎたせいか若干の中だるみは否めない。

にしても、根っからの子供嫌いなのか、本作でもデル・トロの子供の扱いは親の敵のように容赦ない。子供のこんな姿を見せるのか?そして、子供にこんな事やらせていいのか?とハリウッド映画では見られない酷な描写が多数登場する。

今回DVD版でのレンタルだが、ブルーレイかと思う程の特典映像の豊富さには満足。メイキングだけでなく、監督のオーディオコメンタリーに本編からカットされたシーン解説、さらにはVFXの裏側と盛り沢山。

特にメイキング映像は見応え大。実際、鑑賞時にも基調となるトーンカラーが印象的だったがそれに関する解説や、デル・トロ監督ならではの演技指導の心得などとても興味深かった。

本作で唯一極悪非道なキャラクターとして描かれる人物の見た目とのギャップの監督の拘りには大いに共感できた。ただし、多面性のある複雑な人物像ゆえ、同情の余地もありという描かれ方なのでヨーロッパ映画らしいとは思うが、こういうストーリーでは視聴者は混乱するのでスッキリとはしないかな。

後の監督作で完成度の高い「パンズ・ラビリンス」や「永遠の子供たち」に到る過程の、まだまだデル・トロ監督がやりたい事を全部詰め込んだ感があり、若干キレが悪い作品だが、このダークな世界観は決して嫌いではない。
桃龍
3.5
DVDに入ってる予告編のキャッチコピーは"ヨーロッパ最恐の怨霊ホラー"。
ひでぇな。ぜんぜん違う。そんな作品じゃない。
後のオスカー監督の傑作をバカにしてる。

先端が地面に突き刺さり、逆さに立っている全長4mぐらいの不発弾が象徴的に描かれるが、去年ほぼ同じ状態のミサイルがハルキウ市の広場に現れた。ウクライナの人はもう見慣れていて、そばを通り過ぎてゆく…。

日常生活に突き刺さった戦争。
本来なら注がれるべき愛情が不足している男の子たち。
同じテーマの『パンズ・ラビリンス』は女の子が主人公。

『デビルズ・バックボーン』に似ている作品

ザ・マミー

上映日:

2019年01月25日

製作国:

上映時間:

83分

ジャンル:

3.0

あらすじ

11歳の少女エストレヤの母親はギャングに連れ去られ行方不明となっていた。エストレヤは母を捜すため家を出る。 想像を絶する恐怖が彼女を待ち受けていることを知らぬまま…。やがて奇妙な出来事が…

>>続きを読む

バッド・エデュケーション

上映日:

2005年04月09日

製作国:

上映時間:

105分

ジャンル:

3.5

あらすじ

1980年のマドリード。新進映画監督エンリケのもとに、神学校寄宿舎で親友だったイグナシオが訪ねてくる。エンリケはイグナシオの変貌ぶりに戸惑うも、彼が携えてきた脚本に惹かれる。そこには、愛で…

>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ

上映日:

2022年11月25日

製作国:

上映時間:

117分
3.9

あらすじ

悲しみに暮れる木彫師ゼペットの心を癒やすため、木で作られた操り人形に、魔法のように命が吹き込まれる。いたずら好きでわがままなピノッキオのこの世に居場所を求める冒険が始まった。アカデミー賞作…

>>続きを読む

パンズ・ラビリンス

上映日:

2007年10月06日

製作国:

上映時間:

119分

ジャンル:

配給:

  • CKエンタテインメント
3.7

あらすじ

恐怖の政治が国を覆っていたスペインの暗黒時代に、少女オフェリアは生を受けた。優しかった父が死に、身重の母親と二人で直面する現実は目を覆うようなことばかり。新しい父親はまさに独裁のシンボルの…

>>続きを読む

クリムゾン・ピーク

上映日:

2016年01月08日

製作国:

上映時間:

119分

ジャンル:

配給:

  • 東宝東和
3.4

あらすじ

深紅に染まる山頂(クリムゾン・ピーク)にそびえ立つ屋敷の、怖ろしくも美しい秘密とは…? イーディスは、幽霊を見ることができる。初めて見たのは10歳、死んだ母親だった… やがてイーディスはト…

>>続きを読む

関連記事

【極上の納涼】恐ろしくも芸術的!鳥肌が立つほど美しいホラー映画3選